遊星号 vs SHARP STAR50 ED

今日も良い天気。

150330sora

少し雲はありましたが、ポカポカでズンズン春が進んでいる感じが
します。

150330hana

今夜は月が明るくて、少し雲があるので暗い星の観察やあまり天体写真
には向かない夜ですが、二重星を見るのには好都合な夜です。

先日遊星号とSHARP STAR50 ED(以下 SHARPSTAR)の月の比較写真を
アップしたところ、二重星の比較も・・というコメントを頂いたので
いくつかの二重星を見てみました。

150330seikei

遊星号はUWAN7mm(ウイリアムオプティクス)の組み合わせで114倍
SHARPSTARはUWA3.2mm(スカイウォッチャー)の組み合わせで103倍で
見ました。

はじめにふたご座α(カストル)、現在の離角は4.93秒ですが1.94等と
2.92等の明るい連星ですので5cmのテストスターです。

これは遊星号、SHRAPSTARともに難なく分離できました。

次にしし座γ(アルギエバ)、離角は4.47秒、2.22等と3.47等です。

カストルよりも少し近いですが少し暗いのでこちらも両機とも難なく
分離します。

アルギエバはオレンジ色のきれいな連星です。

この二星の見え味に気をよくして、おとめ座γ(ポリマ)に挑戦して
見ました。

離角は1.98秒、3.48等と3.50等の等光二重星です。

口径5cmの望遠鏡の分解能は2.3秒ですので分離できなくても恥では
ないのですが・・・

両機とも星像は点ではなくて、わずかですが伸びているように見え
るのですが、分離して見えているとはいえない状況です。

SHARPSTARに2mmの接眼レンズを使用して156倍見たところ星像は
小判形に見え中央に微かに二星を分かつ薄い影のような線が入って
見えているように見えます。

遊星号にUWA3.2を着けて250倍(超過剰倍率!!)で見たところ星像は
明らかに小判形で、中央にわりとハッキリ二星を分かつ筋が見えます。

超過剰倍率にも関わらず極端な像の悪化がないのは、ある意味凄い
です。

遊星号114倍、SHARPSTAR103倍で木星を見たところ、遊星号のほうが
わずかに明るくて抜けが良い感じがしました。

組み合わせている接眼レンズの性能や相性もあるので、一概に結論を
出すことはできないのですが、今回の組み合わせでは遊星号がわずかに
優勢という感じがしました。

サイドバイサイドで見比べてようやくわかる程度の差ですので、その
差はきわめて僅差で、どちらも口径5cmの望遠鏡として十分な性能が
出ていると言って良いでしょう。

SHARPSTARのコンパクト(F6.6)さでF16の長い遊星号と同等の性能が
得られるというのは、ある意味とても凄いといえます。

一方SHARPSTARの5分の1以下の価格で高級機に一歩も引けを取らない
見え味の遊星号も凄いです。

どちらを選ぶかは、お財布への優しさをとるか、取り回しの軽快さを
取るかなどの価値観の問題だと思います。

というわけで今夜も遊星号で月を撮りました。

150330moon_3798

今日の月は木星と並んで輝いていました。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
カテゴリー: その他星関連, 天文関係, 月・惑星, 望遠鏡・機材 パーマリンク

遊星号 vs SHARP STAR50 ED への6件のフィードバック

  1. 小澤 利晴 のコメント:

    小澤 利晴です。
    いやー早速やっていただきました!私の勝手なお願いを実現していただき感謝です。
    ありがとうございました。

    同じ口径の長焦点のアクロマートと短焦点のアポクロではどちらがよく見えるか、これは私の中では長年にわたる最も興味深い比較でした。
    結果は、取り回しと言う要素を取り払えば僅差でアクロマートの勝利とのこと、いやーさすがです。遊星號。やはりコスパはすごい!ですね。ただED鏡筒もあれだけ短い鏡筒で良い勝負をするということがわかりました。

    遊星號が、口径(cm)の5倍と言う超え過剰倍率でも像が破綻しないというのには驚きでした。やはり長焦点アクロマートは眼視向きなのですね。
    色々な倍率で色々な対象を比較していただき、感謝です。とともに、そちらの空の環境の良さを改めて感じました。
    今後の参考にさせていただきます。本当にありがとうございました。

  2. スタパオーナー のコメント:

    小澤さま

    早速コメントをありがとうございます。
    私自身とても興味のあるリクエストでしたので、早速トライしてみました。
    昨晩はシーイングがとても良く、二重星の分離テストには絶好の晩でした。

    もっといろいろな重星を見たほうが良かったのかも知れなかったのですが、ドーズの限界以下の離角であるポリマが分離して見ることができたこと、250倍という口径5cmの望遠鏡としては超過上倍率でも破綻しない星像が得られたことなどで、すっかり満足してしまいました。

    今回の組み合わせにおいては、見え味だけの比較でいえば遊星号の辛勝という結果でしたが、私自身の主観の部分もありますし、別のアイピースの組み合わせでは別の結果が出る可能性もありますので、あくまでも参考として頂ければと思います。

    SHRPSTARは低倍率から高倍率までをそつなくこなすことができ、デュアルスピードフォーカサーを装備し、コンパクトで運用がとても快適であるなど、製品としての完成度が非常に高いです。

    どちらか一方を選ばなければいけない状況であれば個人的にはSHRPSTARを選ぶと思います。

  3. ピンバック: スタパの貸出用望遠鏡 -その2- | スタパオーナー八ヶ岳日記

  4. ピンバック: スタパの貸出用望遠鏡 -その7- | スタパオーナー八ヶ岳日記

  5. ひめてん のコメント:

    初めまして。トイグレードの望遠鏡や7×50双眼鏡の詳細な記事など、楽しく勉強させて頂いてます。最近(2019春・離隔2.8秒ほど)おとめ座γを遊星號で分離できましたので、こちらに書かせていただきます。
    遊星號にLV7mmアイピースを付けて114倍だと楕円形に見えるのですが分離はしませんでした。これ以上は過剰倍率と思ったのですが、念のため160倍(LV5mm)という口径辺り3倍以上の非常識な倍率に上げてみたところ隙間が出来て綺麗に分離しました。星像も綺麗な丸で像の破綻もありません。最大倍率は口径当たり2倍というのが常識になってますが優秀な望遠鏡には当てはまらないようですね。

  6. スタパオーナー のコメント:

    ひめてん さま
    コメントありがとうございます。
    遊星号でポリマが分離できると言っても信じてもらえないこともあるのですが、確かに見えますよね。
    連星系で以前よりも離角が大きくなっていることもあるのでしょうが、だいぶ見やすいのだと思います。
    口径100mm以下の望遠鏡の場合、出来が良い光学系では口径の3倍以上でも(明るい天体であれば)充分実用になると思っています。
    小口径では明るめの近接二重星や火星を見るときに積極的に過剰倍率を使うようにしています。
    過剰倍率の考え方については以前こちら(https://star-party.jp/wp/?p=17449)で解説させていただきました。
    ご参考まで・・・

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください