昨日から雨・・・
今日は一日こんな霧の多い天気でした。
さて「超々!入門 望遠鏡光学」・・・
昨日は凸レンズをふたつ組み合わせるタイプの天体望遠鏡(ケプラー式)の
原理を紹介しましたが、基本的な望遠鏡の形式としてガリレオ式というタイプ
があります。
対物レンズに凸レンズ、接眼レンズに凹レンズを使っています。
このガリレオ式望遠鏡というのは今から400年前のこと・・・
当時発明されたばかりの望遠鏡を自分で工夫して作り上げ、天文学上、数々の
新発見をした「ガリレオ・ガリレイ」さんが使用した望遠鏡のレンズ構成に
ちなんでこの名前が付けられています。
ガリレオ式望遠鏡については以前に
・ガリレオの望遠鏡
・ガリレオ望遠鏡の謎(ミステリー)
・ガリレオ望遠鏡の謎(ミステリー) -その2-
・ガリレオ望遠鏡の謎(ミステリー) -その3(完)-
などで詳しく解説していますので興味のあるかたはそちらをご覧ください。
これまでの解説で、レンズと言えば凸レンズということで話を進めてきましたが、
凹レンズについて解説をしておきたいと思います。
凸レンズのみを使った光学系というのは総称して収差と言われる像のにじみや
ボケが多くてそのままでは使い物になりにくいものが多いです。
1枚だけでなく複数の凸レンズや凹レンズを組み合わせることにより、大幅に
収差を減らすことが可能になります。
そんなわけで凹レンズとはいったいどんなモノか・・・しばらくお付き合い下さい。
凹レンズというのは読んで字のごとく、凹みのあるレンズです。
上図のようにこのレンズに入射した光は、凸レンズのように収束して焦点に
集まることはなく、拡散されてしまいます。
拡散する光を(仮想的に)逆にたどって、光が入射した側に延ばして、これが
収束した点を凹レンズの焦点と言い、レンズからこの焦点までの距離を(凸レンズ
と同様)焦点距離と言います。
実際に焦点を結ばないのにちょっとピンと来ないですが、例えば焦点距離の
同じ凸レンズと凹レンズを組み合わせて景色を見ると、凸レンズの光の収束を
凹レンズが完全に打ち消すので、素通しのガラスを見ているのと同じことが
おこります。
このため凸レンズがプラス(正)の収束なら凹レンズはマイナス(負)の収束を
すると考えられるので、凸レンズを正レンズ、凹レンズを負レンズと呼ぶ
ことも多いです。
私たちの身の回りにある最も身近な凹レンズは近視用のメガネに使われて
いるレンズで、その逆の凸レンズは遠視(老眼)用メガネに使われています。
よく知られていることですが、凹レンズを通してモノを見ると・・・
小さくなって(=遠くにあるように)見えます。
これは近くのモノでも、遠くのモノでも同じような傾向で小さくなって見えます。
また、凸レンズは近く(焦点距離より手前)にあるモノは拡大して見えます。
焦点の位置や、それより離れた場所にあるモノはまた違った見え方をするのが
面白いのも凸レンズの特徴ですね。
(続く・・・)
こんにちは。
ガリレオ式を検索していて訪問しました。レンズ、光学の専門的な方とお見受けしました。
素人ながらレンズ機能の教科書・物理学の解釈に疑問を抱いて、少し考えました。
先ず一つ、レンズの平行光線が『焦点』を通るという理屈は間違いだと考えました。
あなたのブログ記事の解説には納得できて、とてもよかったです。
金澤さま
拙ブログへのご訪問ありがとうございます。
光学の教科書を最初の10ページくらいで投げ出した者で、私はレンズや光学については全くの素人です。
それでも私が理解している範囲で少しでも望遠鏡やレンズのことに興味を持って頂ける方が増えれば良いと思ってこの記事を書きました。
こちらの記事が参考になりましたようで何よりです。