年に一度のお楽しみの星まつりも終わり、忙しい夏休みの日常が
リスタートです。
夏休み只中の日曜日とあってスタパ周辺はかなりの人出となって
います。
さて星まつり前の8月7日未明のこと、久々の好天に恵まれたので
かねて計画していた口径60mm/f1200mmのNAGAMITSU-60MAXI(以下長光)と
ほぼ同じ焦点距離の口径127mm/f1250mmのシュミカセ、セレストロンC5
とで月の撮り比べをして見ました。
当然のことながら望遠鏡というのは口径の大きいほうが分解能が高い
ので、細かく写るというのが一般常識です。
ただ月の写真に限っては、経験的に口径が大きいほうが気流の影響を
受けやすく、口径の小さな望遠鏡の方がわりとコンスタントに出来の
よい画像を得ることができることが判っています。
今回はその辺の見極めも兼ねて焦点距離の近い2機種で比較をして
見ました。
その結果はまさに驚愕すべきものでした。
パッと見でも判りますが、長光の方がカリッと仕上がっています。
C5の画像がまるでわざとピントをぼかしているかのように見える
ほどです。
上の画像の中央部付近をJPEG撮って出し画像の等倍切り出ししたものが
下です。
長光はF20とはいえアクロマートの宿命で写真に撮るとどうしても
青い収差が出ていますが、まるで解像度が違い、完全に下克上の
状態です。
本当に長光が有利になるように撮っているのではないかと疑われ
そうなのですが、正直を言うとここのところ長光を使っていて、その
長さには少し辟易としていました。
C5の方がズッと運用が気楽だし、観望にも口径が大きい分楽しめ
そうだし、それできれいな月の写真が撮れるならC5を今後のスタン
ダードできたらよいなぁ、と思って今回の比較を行いました。
このためC5でもベストな画像が得られるよう、十分な外気順応(
5時間くらい)や、入念なピント合わせをして撮影しています。
私自身ここまでの差が出たことに当初は眼を疑ったほどで、むしろ
個人的には残念に思う結果といえます。
眼視で運用する分にはそれほどの差も感じないですし、むしろ口径の
差は天体を見るときにC5が有利になると思うのですが、こと月の
撮影に関しては長光の方が優れていると言わざるを得ない結果となり
ました。
まさに「長光、恐るべし」です。
次は80MAXI(口径80mm/f1200mm)との比較ですかね・・・
素晴らしい長光の解像力ですね。驚きました。この違いは何からくるものなのか。非常に興味深いです。C5の方は副鏡による遮蔽、補正板によるフレアの発生とコマ収差、光路の1往復半、など、像を不安定にする要素があるのですが、それにしても口径2倍以上の機種と比較してこの結果とは。ただ一つ言えることはC5も非常に球面収差の少ない優秀な望遠鏡であること。決してC5が劣っているのではなく、長光がすごすぎるのだという事だと思います。
私見ですが、最近のセレストロンのシュミカセは口径が大きくなるほど精度が高くなるような印象です。C5、C8、C9、C11と、使用した結果、月を中倍率以上で見るとC9あたりから球面収差が非常に少なくなってきて解像力が明らかに上がり、C11になると目から鱗状態になります。
XLTシリーズになってからのシュミカセ、特に最近のロットは熟成され製品のバラツキがほとんどなくなっていて、安心して購入できるのも魅力です。
C5は、5インチの方ディオ系としては最高のものの一つだと思います。それを鑑みると
改めて長光はすごいと思います。
小澤さま
コメントありがとうございます。
私自身今回の結果は信じられないものです。
またなぜこのような結果になったのかもよくわからないままです。
単に小口径の方が気流の影響を受けづらいというだけの問題でもない気がするので、今後も検証を続けようと思います。
オーナー様、
最近スコープテックのSTL80AーMAXIを購入しました。NGAMITSU同様、非常に長いアクロマート屈折ですが、これまた非常に良く見えます。
恒星像のエアリーディスクは300倍まで上げても全く乱れなくシャープに見え、綺麗なディフラクションリングを結びます。これはかつてのNikonの8cmF15に匹敵します。
さて、木星で、オーナー様同様、この鏡筒と手持ちの5インチマクストフフカセと比較観望してみました。2月23日、木曜日の晩、この時期にしてはシンチレーションが良好で、比較観望にはうってつけの日と思い、決行しました。
倍率は8cmの有効最高倍率付近に設定。MAXIの方は谷Or7mm171倍で、マクカセの方は谷Or9mmの167倍で比較しました。まず色合いですが、MAXIの方がやや暖色系 に、マクカセの方はやや寒色系に見えます。 両者とも、平面的ではなく、球体が感じられ美しく見えました。
さて、ここからが本題です。木星面の 模様ですが、何とこれはMAXIの勝ちですね。口径差が1.5倍にもかかわらずです。MAXIの方は縞5本とEZ内の淡い模様のコントラストが抜群で有効最高倍率をわずかに超えているのも関わらず、ものすごく見えます。
一方のマクカセですが、標準的なカタディオの見え方を示し、それなりに良く見えるのですが、MAXIと比べるとやや模様のコントラストが低下しているようの感じられました。やはり、このあたりが遮蔽のある反射系の弱みなのかもしれません。また、淡い模様の分解能も、MAXIの方が優っているように思えます。
いずれにしてもMAXIの 見え方の素晴らしさの感動です。
こうなると、6cmNGAMITSUと8cmMAXIの比較に興味が湧いてきますね。
小澤さま
いつもありがとうございます。
MAXIの詳細な使用レポートをありがとうございます。
5インチマクカセと80mm長焦点屈折の比較。
まあ予想通りの結論ですね。(笑)
カタディオ系だと中央遮蔽、迷光、筒内気流の影響などで、1.5倍くらいの口径差ですと見え味あまり差がなくなるようですね。
二重星の分離や集光力では勝っても、デリケートな惑星面では反射系が勝てないところです。
もちろん取り回しの良さなどから存在意義はありますがネ・・・・
ところでMAXIとNAGAMITSUの比較ですが、確かにNAGAMITSUは6cmの最高峰とは思いますが、さすがに8cm最高峰クラスのMAXIのほうがよく見えると思います。
3割の口径差を埋めるのはさすがに難しいと思います。
オーナー様、
ところでアイピースですが、このような長焦点屈折の場合に最適なもの、HMアイピースが最近見ませんね。ぜひ31.7mm径のHMを復活して欲しいです。確かにこのアイピースはアイレリーフが極端に短く、短焦点のものは覗きにくいことこの上ない代物ですが、長焦点のアクロマートにはこれほど適したものはありません。
40年ほど前は最も普及したアイピースでしたが、今や絶滅危惧種に なってしまいました。あの頃は今の普及型であるオルソが、最高級品でした。
今は、ハイアイのもの、広角のもの、等多くのアイピースが巷にあふれていますが、惑星を見るときはすっきり見たいのでなるべくレンズ枚数の少ないアッべやプルーセルを使っています。
アッべやプルーセルはどんな光学系に使っても満足できる像を提供してくれるのですが、こと長焦点アクロマートには、よりすっきり見えるのがHMです。これは昔のNikon8cm、F15アクロ屈折で実証済みです。
31.7mm径のHMをどこかに期待したいところです。
小澤さま
いつもコメントをありがとうございます。
長焦点屈折とMHアイピースの組み合わせについては、私も好きな組み合わせでした。
同焦点の高級アイピースと較べても中心部では決して引けを取らず、むしろ抜けが良くスッキリ見えます。
アイポイントが短いので眼鏡との相性がすこぶる悪いので最近では使わなくなってしまいました。
F12以上のアクロマート屈折と赤道儀と組合わせるなら、そして眼鏡無しで覗くことができる方なら月・惑星用にベストなチョイスかも知れません。