オレンジ(C11)の凱旋

関東甲信越が梅雨入りだそうですが、今のところまだ雨にはなっていません。

スタパ近くの早めに作業が始まった畑では、白菜が元気に育って採り入れを待っています。

さて昨晩は新月で梅雨入り前最後の晴れかも・・  ということで意気込んでいろいろやったのですが、世の中そんなに甘くないということで途中で撤収とあいなりました。

それでもいくつかの成果はありました。

昨晩は本当に久しぶりにシュミカセンジャーオレンジ(セレストロンC11:D280mm/F10)で惑星の撮影をしました。

どのくらい久しぶりかというと前回最後に写したのがこれ・・・・

160606_mar2001

2001年の5月に撮影した火星です。

2001年と言えば、まだスタパ開業前のサラリーマン時代、マンションのベランダでコソコソやっていた頃です。

ビデオカメラで撮った動画ですが、開業後にパソコンに取り込んで処理したものです。
(当時はまだ動画をコンポジットするスキルがなかったのです・・・)

ちょうど今から15年前ですから、今年の接近と同じ大接近の2年前の接近で、火星面上の季節も同じような時期です。

スタパ開業後は40cmがあるし、オレンジ向けの適切な架台がなかったので出番がありませんでした。

でもオレンジはアマチュアの中では惑星番長と呼ばれるほど惑星の観測に定評がある鏡筒なのです。

シュミカセンジャーズの紹介の中でオレンジ向けの架台を新調したことを紹介しましたが、オレンジの実力やいかにということでようやく昨晩の観測になった訳です。

昨晩も気流は良好とはいえない状況のなか、昨日のブログでも土星をアップしましたが、火星を撮影したのがこちら

160605mar_C2_2

同条件でホワイト(40cm)で撮影した火星がこちら

160605mar1_2

焦点距離の違いで大きさが変わっていますが、オレンジが互角以上の戦いをしているといった感じがします。

眼視での観察でもそうなのですが、口径が小さな分、気流の影響を受けにくいのかも知れませんが、惑星番長の名に恥じない結果となりました。

まあホワイトと違ってドームに鎮座しているわけではないので、使うとなるとそれなりに気合いを入れないとダメですが、ここ一番と言うときには今度も登場してもらいたいと思います。

雌伏15年、オレンジの凱旋です。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
カテゴリー: 天文関係, 月・惑星, 望遠鏡・機材 パーマリンク

オレンジ(C11)の凱旋 への4件のフィードバック

  1. 小澤利晴 のコメント:

    お久しぶりです。小澤利晴です。

    オーナー様のオレンジC11、素晴らしいですね。その昔、シュミカセというものがアメリカから輸入されてきた当時はまだ私は高校生でしたが、その発想のオリジナリティに度肝を抜かれたものでした。日本では考えられないものでした。どうしてこんな大口径がここまでコンパクトに仕上がるのだろうと。そしてその設計を見たらさらに驚いたものです。

    私は最近のシュミカセ、C11AL-XLTを所有しています。最新の設計でずいぶん熟成され、良好な眼視性能を発揮してくれています。もっぱら今のものは中国製でが、セレストロンのシュミカセは製品管理がきちんとなされているせいか当たり外れもなく(最近の中国製シュミカセはC5、C8、C9、C11と使いましたが、1台もハズレ品はありませんでした)。特に C11の木星も見え味は目からウロコが落ちるそれは感動的な ものです。

    欠点は光軸が狂いやすく頻繁な調整が求められること、この点は昔のものとあまり変わらない印象ですが、これさえ厳密に合わせれば、シンチレーションさえよければ素晴らしい惑星が拝めます。

    最近でもまだまだ、国産メーカーこそ最良で中国製はダメと考える人もいます。中国製と言ってもいろいろあり、論外のメーカーはもちろんあります。
    そのようなメーカーのものは粗悪品と呼ばれていますが、粗悪な中国製をOEMで造らせ、売る日本の販売メーカーこそが、自社の製品管理のずさんさを露呈しているのでそちらの方が 問題ではないかとつねずね思っております。このようなメーカーのものを持って中国製全体を語るのではなく、まともな中国のメーカー に視点を合わせて語るべきではないかと、思います。

    今の 中国製はまともなメーカーもあるのです。それらメーカーは非常に高い技術を持っていることは明らかです。ニュートンの主鏡、シュミット補正板や、マクストフレンズを安価なコストでここまでばらつきなく磨く技術、これは今の日本では出来ません。出来ない理由はコストのみではなく、技術的に磨けないというのもあるのではないかと考えます。

    国産品は、最近テレビなどの影響で、 なにかこう「職人気質」のみが強調され、とにかく既存の技術をしゃかりきになって丁寧に行う、これこそがメイドインジャパンの「ものずくり」であり、世界でもまでできないだろうと、いうところで発展が止まってしまっているような気がします。物事に真面目に一生懸命取り組む姿勢は評価しますが、発想と技術は あだまだであるという謙虚さが必要と思います。

    ぜひ、国産ならではのオリジナリティ溢れる望遠鏡の出現が 待たれます。

  2. スタパオーナー のコメント:

    小澤さま
    コメントありがとうございます。
    私が40年近く前にC8を入手したときは今ほど品質管理が十分でなかったようで、2回交換して3本目もダメだったのですが、自分で補正レンズセルを加工して何とか光軸を合わせて使いました。
    30年以上前にC11を入手を入手したときもまだダメで、交換してもらいましたが、このときはビクセン扱いの時代で(C8は光洋扱いでした)リファレンス用にビクセンの研究室で保管してあった鏡筒に交換して頂いたので、結果大当たりが手元にやって来ました。
    当時はまだアメリカ本国で生産されていたと思いますが、後発のミードとのシェア争いの中で研鑽され品質が熟成されたのだと思います。

    望遠鏡に関していえば、中国製でも日本製でもちゃんと見えて、(耐久性も含めて)ちゃんと使えるものであればOKかな・・・と思っています。
    そこで研鑽があって品質の向上や、新しい商品に繋がればさらに良いと思います。

  3. 小澤利晴 のコメント:

    オーナー様

    お返事ありがとうございます。

    当時のアメリカ製シュミカセを色々改造されて快適に使われていたのですね。
    シュミカセの歴史も長いもので日本では40年くらい、いやそれ以上かも知れません。確かSINTAがOEMとなったのがもう15年以上前になりますか。

    望遠鏡の分類としては今やニュートン、屈折と同格の存在に なっています。

    貴天文台のメインである、ミードの40センチをお使いになっているオーナー様ならではの工夫をされて長年使われているのは
    さすがだと思います。

    私はミード社のものは使った事がありませんので、セレストロン社のものとの違いなど、ありましたらお教えいただければ幸いです。

  4. スタパオーナー のコメント:

    小澤さま

    再度ありがとうございます。

    ミードとセレストロンのシュミカセについて、現在ではほとんど性能の差はないのではないかと思います。
    ミード社はもともとセレストロンのシュミカセの開発者が立ち上げた会社のようで、光学系の設計基本的には差がなく、製作技術も熟成されているので、結果製品の性能にも差がなくなっているのではないかと思います。
    最近開発された光学系についてはまた別の話になるとは思いますが、F10のシュミカセについては接眼部の仕様まで同じですので部品の共用も可能です。
    小澤さまもおわかりのように、光軸や、筒内急流の問題を理解して使えば素晴らしくコストパフォーマンスの高い光学系だと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください