3日続きの好天。
スタパの空には夏雲が広がっていました。
さて今日も「星景写真入門」の続きです。
2.データの保存形式について
ここでは星空の写真を撮影するときのデータ保存形式について解説します。
昨日・一昨日で通常の写真とは違う星空写真特有の明るさについて説明しました。
シャッタースピードやF値についての設定については現場で写しながら決定を変えてゆく必要があるのですが、データの保存形式についてはその日の撮影対象によって予め設定して良いです。
基本の設定は「RAW+JPG」です。
「RAW」というのは「ロー(=生)データ」の意味で基本的にはカメラの受光素子が捉えたデータそのものです。(最近ではRAWデータでもすでに画像処理が施されていることが多いようですが・・)
生データですのでもの凄く情報量が多い代わりにデータの容量が大きくSDメモリーなどのストレージを圧迫する(=たくさん保存できない)ので嫌われることが多いです。
「JPG」のほうは前節でも解説した、カメラの画像エンジンが「こんな感じじゃないかなぁ~」と画像処理をかけた後に圧縮してはき出したデータです。
普通の写真であればこれだけでほとんど問題が無いし、データ容量が小さいので、たくさん保存してもメモリーカードがすぐに一杯になることが少ないので、多くの方はこのJPG保存のみを選択していることが多いと思います。
でも前節で説明したように星空の写真というのは昼間の写真とは違って、超露出アンダーと超露出オーバーが共存する写真なので、RAWデータがJPGデータになってしまうとその両端が切り捨てられた上に、階調に圧縮が掛かってしまい、大切なデーターが捨てられることになります。
下の写真は同じカットで「RAW+JPG」で保存したデータから空(天の川)の明るさがだいたい同じくらいになるようにそれぞれ画像処理しています。
天の川や星の写り具合は似たり寄ったりと思いますが、木立の緑の部分がだいぶ違っているのがわかると思います。
JPGデータでは黒と判断されて切り捨てられた木立の緑がRAWデータには残っているわけです。
JPGデータでもマスクをかけてレイヤー合成などをしたりあれこれ画像処理をするとRAWデータに近い画像にできることはできるのですが、かなり煩雑な処理と画像処理のスキルが必要になるので、RAWから処理を進めた方がズッと簡単です。
RAWデータを扱うこと自体にもスキルが必要なので、初めのうちはJPGデータでトレーニングして後々RAWデータでの処理を学んでゆくのでも構いませんが、とりあえず星空写真の保存形式は通常は「RAW+JPG」を選択して下さい。
タイムラプス(動画)や比較明合成(星の軌跡)など大量のコマ数を撮影する場合はこの限りではなく「JPG」保存で問題ありません。
実は私もRAWデータの大切さが分かったのはわりと最近です。
でも諸先輩から「データはRAWで残せ」としつこく教えられていたので、多くのデータはRAWが残っていました。
古いデータでもRAWデータから画像を処理し直すとかなり見違えるほどの絵になることの多いことが分かりました。
ストレージの圧迫は気になりますが、ぜひ「RAW+JPG」のデータ保存をお奨めします。
「入門」といいつつ、いきなりハードルを上げてしまった感があり、ちょっと反省しています。
でも要約すれば
1.星はもの凄く暗いから覚悟してね。
2.画像処理もしないといい絵にはならないよ。
3.将来を考えてRAWデータを残そうね
といっているだけです。
実際に撮影を始める前に知ったおいた方が知らないで始めるよりいいかな・・・
という理系頭のお節介かも知れません。
というわけで次回からはいよいよ具体的な撮影の仕方について解説してゆきますのでもう少しお付き合い下さい。
いつも楽しみにしています!
周囲に星や写真に詳しい方がいないので亀より遅い独学です
スターパーティーさん解りやすいです
でも
できれば詳しい方の助手みたいにじーーっとみてみたいものです
教わりに行きたいです(´;ω;`) (巷の休日は稼ぎ時の客商売↘)
岩瀬さま
拙ブログを楽しみにして頂いているとのこと、とても嬉しい限りです。
少しでも参考になればと思っているのですが、おかみからはいつも「長い」とか、「回りくどい」とか、「難しすぎ・・・」とかいわれてメゲているのですが、こういったコメントを頂けるとやる気が湧き上がります。
8月のご来館を心からお待ちしております。