今日もトンボが乱舞する暑い一日でした。
「星景写真入門」が続きます。
4. 露光量の調節
4-4. S・F・Iの三角関係
これまで解説したように露光量の調節には、シャッタースピード(S)、F値(F)、ISO感度(I)の3つの要素があります。
どれかの露光量を下げても、どれかを多くすれば全体での露光量は同じことになります。
例えば・・
S=10sec F=2.8 I=1600 という露光量に対して以下の組み合わせは全て同じ露光量となります。
S=20sec F=4.0 I=1600
S=40sec F=4.0 I=800
S=5sec F=2.0 I=1600
S=5sec F=2.8 I=3200
S=5sec F=5.6 I=6400
はじめはとてもややこしいと感じるかも知れませんが、慣れれば直感的に分かるようになります。(これは組み合わせのごく一例です。)
このS・F・Iをどの値にしたらよいかというのは、それぞれの増減により様々な得失が生じるので、実はかなり悩ましい問題です。
それぞれの相関関係を図で示すと下のような「三角関係」にあることが分かります。
まさにあちらを立てればこちらが立たずと言った関係といえ、一概に「これが正解」という組み合わせを決めることができません。
得られた画像の使用目的によって設定を変える必要があります。
例えばSNSで見せられれば十分という場合ならISO感度をかなり高くしてもよいでしょうが、大きく引き伸ばして印刷したい場合は画像が荒れないように感度を下げなければいけません。
自分の機材のシステムでどのように写るのかを経験的に把握して行くしかありません。
ただフィルム時代ですと試し撮りをして結果が出るまでに時間が掛かるのでとてもたいへんだったのですが、デジタルですのでその場でドンドン試し撮りをして、納得の行く結果を見つけることができますので、あまり構えることもありません。