今日はとても涼しい、でもスッキリしない天候の一日でした。
さてまだまだ「星景写真入門」が続きます。
5.星空撮影の実際(の続き)
さて「5-1. 撮影までの準備」で全ての準備は完了したので、実際の撮影に臨みます。
5-2. 撮影開始までの準備
機材の準備を全て終え、カメラを載せた三脚を担いでその他の必要な機材も持って外に出たところからの流れを列記して行きます。
1) ロケーション探し
自分が撮りたいと思う星空、風景が見える場所を探します。
特に意図がない限り、写野の中にできるだけ人工の光(外灯など)が入らない場所を選びます。(都市星景の場合はこの限りではないですが・・・)
三脚を置区場所をほんの数十センチ動かしたただけでも、がらりと印象が変わるときがあるので、面倒がらずに三脚の位置決めをして下さい。
2) 三脚の設置
だいたいの位置決めが決まったら(微調整はあとでよい)、三脚を充分に安定する角度まで開いて置きます。
前にも説明したようにブレによる失敗を極力減らすため、構図上問題のない範囲で、三脚はできるだけ延ばさず、最小限の高さにします。
傾斜地などではカメラの水平が出ていないとあとで構図をとるときに苦労することがあるので、各脚の長さでなるべく水平になるように調節します。
3) カメラ設定の最終確認
撮影に入る前にカメラの各種設定の最終確認をします。
・マニュアル露光モード
・マニュアルフォーカスモード
・シャッタースピード(30秒)
・F値(F3.5)
・ISO感度(3200)
・長秒露光補正ON
・カメラによってリモコンスイッチ使用モード
・液晶画面の明るさ(例えば暗め)
・画質モード(できるだけRAW+JPGを推奨)
・ホワイトバランス(オート)
明るいところで設定しているはずですが、上記S・F・Iの設定はとりあえず天の川を写すための設定ですので、月明かりがある場合は都会地での撮影の場合は臨機応変に露光量が小さくなるように(例えばS=10”、F=5.6、I=800など)設定します。
4) ピント合わせ
ピント合わせの手順は以下のようにします。
・(一眼レフタイプの場合は)ファインダーを直接覗き、その場で見える一番明るい星を中心付近に捉えます。
・ファインダーで見えない場合はだいたいカメラがその方向に向くようにします。
・カメラのライブビュー機能をオンにして、中央付近にあるはずの明るい星を見つけてピントを合わせる。
・ピント合わせのコツ次のようにします。
始は少しラフにピントリングを回してだいたいピントの合っているところを探す
→ ピントリングを0.1mmきざみに回す感じでピントを追い込んで行く
→ 明るい星が一番小さく見え、周りに暗い星も見えるくらいまで追い込んだらそっと手を離す
→ ピントリングが動かないようにそっとテープで固定する
→ テープ止めしてから再度ピントがずれていないか確認する
(ピント合わせをカメラのソフトで行うタイプや、ピントを無限遠に設定できるカメラの場合はその設定で行います。)
露避けヒーターを用意している場合は、ピント合わせの後ヒーターを装着し、必要に応じヒーターの電源を入れます。
ピント合わせがしっかりできていないとどんなに良い写真が撮れても後で大きく延ばすことができません。(SNSに掲載するレベルなら何とかなる場合もありますが・・・)
撮影の途中でも時々チェックするくらいの細心の注意を払うクセをつけて下さい。
(写した画像を強拡大でレビューすればよいです)
5) 構図合わせ
ピント合わせが済んだら、写したいと思う方向にカメラを向けて、しっかり固定します。
特別な意図がない限り、カメラの横方向が水平になるようにします。
(カメラに水準器が内蔵している場合はそれを参考にします。ない場合は地平線など景色とカメラを見ながら水平だしをします。)
傾斜地などでの撮影ではカメラを水準器で水平にしたつもりでも撮影後にレビューすると違和感を感じる場合があります。
こんな場合は機械的な水平にこだわるか、構図上の見た目にこだわるかは自分の感性で決めて良いと思います。(正解は無いです。)
6) 撮る!!
ここまで来ればあとはシャッターを押すだけです。
もちろんリモコンがあればリモコンを使いましょう。
有線リモコンの場合、リモコンの操作時に引っ張ったり乱暴に扱ってカメラがブレないように注意を払います。
リモコンがない場合はカメラのセルフタイマー機能を使います。
最近のデジカメはタイマーの遅延時間を10秒と2秒といったように選べるようになっているものが多いですが、その場合は短い方(2秒)でOKです。
さあ撮りましょう!!
長秒露光補正をONにしている場合は、露光時間が過ぎてシャッターが閉じた後も露光時間と同じだけカメラが「BIJIY」状態になり、操作を受け付けなくなりますが焦らずに待ちましょう。
さあ、思い通りの星空の写真が撮れたでしょうか?
文章で書くと随分長い道のりのようですが、慣れれば「ここで撮ろう」と三脚を置いてから3分もあればここまでの作業は終わります。(続く)