今日の昼間はなかなか気持ちのよい好天でした。
お盆を過ぎるとスタパ周辺はかなり過ごしやすくなります。
赤いトンボが増えてくるのもこの時期のような気がします。
さて「双眼鏡シリーズ」です。
9.双眼鏡で楽しむ星巡り
9-2. へび座+へびつかい座周辺
へび座+へびつかい座周辺といっても実はかなり広い範囲です。
蛇遣いであるアスクレピオスさんが大蛇を両手で持っている姿でワンセットになっているため、へび座は頭部と尾部がへびつかい座の両側に分かれている面白い星座です。
へび座、へびつかい座ともそれほど大きな星座ではないのですが、合計すると全天で一番面積の大きなうみへび座よりも2割も大きな面積になるほどです。
ですからへび座の頭部と尾部ではずいぶん星の見え方が違っています。
頭部は星の少ない春の星座から微光星がバラバラとちりばめられた夏の星座に切り替わるあたりで、細かい星が意味ありげにたくさん見えて面白いです。
ABK006 へび座(頭部) ヘビの頭は三角 分類:星列
へび座の頭は日本の星図を見ると、上の写真の黄色の線で結ばれた小さな三角で示されることが多いです。
でも海外の星図ではグレーの線で結んだ少し横長の三角で示されることが多いです。
星座の結び方は別に決まりがあるわけではないので全く自由なのですが、個人的には少し横長の方がヘビっぽくて良いかなと思います。
空のきれいなところなら肉眼でも確認が出来ると思いますが、都会でも双眼鏡なら見てどちらがよりヘビの頭に見えるか確認すると面白いと思います。
ABK007 へび座(頭部) へび座β星ヤギの顔星列 分類:星列
逆三角に結ばれた頭の付け根のところにある星がへび座β星(βSer)です。
βSer自体が双眼鏡で見ると楽しい二重星です。
βSerを視野の左端に持ってくるように見ると少し歪んだ三角形が見えてきます。
(βSerと先ほどの海外のヘビの口先の星のあたりです。)
この三角形を星伝いに線で結んで行くと・・・・
ヤギの顔のような星列が出来ます。(前シリーズでは「ヒツジの顔」と呼びましたが冷静に見るとヤギに近いと思います。)
実はこの付近(ヘビの首のあたり)には思わせぶりな微光星の星列がたくさんあって、いろいろ発掘できそうな気がしているのですが、とりあえず「ヤギの顔」を登録します。
ABK008 へび座(頭部) へび座M5カメ星列 分類:星列
へび座(頭部)のへびつかい座側にある球状星団M5付近にある面白い
星列を紹介します。
へびつかい座とへび座が枝分かれするあたりから西に双眼鏡を振ると・・・
わりと特徴的な星群が視野に入ります。
双眼鏡を見慣れてくると視野の右の方にある二つの星の右側が少しボケた感じに見えるのに気がつきます。
これが球状星団M5です。
このM5も含めてこんな並びに星をつないでみました。
ずんぐりした感じがアルマジロのように見えないでしょうか?
「へび座M5カメ星列」と名づけています。
ちなみにこのM5は全天でも屈指の球状星団ですので望遠鏡で見るときに役に立つと思いますので覚えておくと良いでしょう。
全天で最も美しいと言われるヘルクレス座の球状星団M13よりもデータ上は明るく、大きいのですが、M13のほうが人気が高いです。
M5は大きさのわりに中心に星がたくさん密集していて周辺部の星がまばらなため、小口径の望遠鏡や空のコンディションが悪い場合には周辺部が見えなくて迫力がなくなるためのようです。
大口径でコンディションの良いときに見ると大きく広がった周辺部が見えてきてとても美しい球状星団です。
大きい望遠鏡で見ないと面白くない天体の紹介は本シリーズの本筋からは外れるのですが、個人的にとても好きな天体ですので紹介しました。
ぜひ大口径で見ていただきたい天体の一つといえます。