今日も曇り空の一日。
夜にはまた雨になりました。
さて「双眼鏡シリーズ」です。
9.双眼鏡で楽しむ星巡り
9-4. いて座のM天体巡り(天の川クルーズの奨め)
双眼鏡で星空を見る楽しみのなかで一番のお奨めは、月がなく良く晴れた晩に夏の天の川を双眼鏡で眺めることです。
天の川を見物するので「天の川クルーズ」と呼んでいます。
地平線近く、さそり座の尻尾のあたりからスタートして少しずつ上のほうに双眼鏡を向けて行きます。
いて座、たて座、わし座、はくちょう座、ケフェウス座、カシオペヤ座へと天の川を辿って行くと、少しずつ星の集まり形や大きさなどが変化して行き、全く飽きずにその眺めを楽しむことが出来ます。
星の多さに圧倒されて、星列探しをするのを忘れるというか、星列を作るのは無理・・・と思うような眺めです。
天の川が肉眼で普通に見えるような星空に出会えたときは、ぜひ、是非天の川クルーズをして頂きたいと思います。
立った姿勢だとすぐ疲れてしまうので、5章で紹介したイスや一脚を使ってじっくり見るのがコツです。
個人的にはこれが双眼鏡で星空を巡る中で一番の贅沢だと思います。
ただし、漫然とみていると中にはすぐに飽きてしまう方もいるかも知れません。
星の塊(星団やスタークラウド)や星ではないシミのような光(星雲)が見えた時に、普通の星との見え方の違いや濃淡をじっくりテイスティングしたり、星図と見比べながら見ると、楽しい時間が過ごせると思います。
あまりに範囲が広いので、「ココ!」という見所を紹介しにくいのですが、本節では天の川クルーズのハイライトともいえる、いて座の天の川にまみれるメシエ天体巡りを紹介しておきます。
ABK017 いて座 天の川のM天体 分類:メシエ天体
いて座で有名な「南斗六星」の柄杓(ひしゃく)の柄のあたりにメジャーなメシエ天体が密集しています。
ステラナビゲータ(プラネタリウムソフト)でこの辺を表示すると
天の川の四角で囲んだあたりはメシエ天体がたくさんあるところなのですが・・・
とても明るくて大きなメシエ天体が多いので、口径20mmクラスの小さな双眼鏡でも単なる星ではないものがあちこちにあることが分かります。
(写真のように見えるという訳ではありません。念のため・・)
例によって双眼鏡でみて楽しいかと言われると、個々にはそれほど迫力があるわけではないのですが、それがあちこちにあるというところで普通ではない感じを味わって頂けたらと思います。
メシエ天体を同時に同じ視野の中にいくつも納めて見えるというのも双眼鏡ならではの眺めだからです。
もちろん本シリーズの本意ではないですが、大きな望遠鏡で見ればそれぞれがぞれなりに楽しめるメジャーなメシエ天体なので、場所を覚えておくと良いです。