双眼鏡で星空観察入門 (28)

今日も昼間は良い天気。

160826himawari

夜はまたもや・・・・

さて「双眼鏡シリーズ」です。

9.双眼鏡で楽しむ星巡り

9-4. いて座のM天体巡り(天の川クルーズの奨め)(の続き)

(資料準備の都合上順番が入れ違ってしまいましたが一昨日の続きです。)

いて座のM天体巡りの中で、たくさんのM天体があることを紹介しましたが、ぜひ双眼鏡で見て頂きたいM天体&星群・星列が三つありますので、個別に紹介しておきます。

ABK020 いて座 球状星団M22 分類:メシエ天体

いて座周辺には球状星団もたくさんあるのですが、中でも群を抜いて大きいのがM22です。

110701M22_1101

例によって双眼鏡では寝ぼけた恒星のように見えるだけですが、大きな望遠鏡で見ると双眼鏡でヘルクレス座のM13に勝るとも劣らない素晴らしい眺めを楽しめます。

090715M22

見つけ方は双眼鏡ならばわりと簡単で、南斗六星の柄のあたりを左右に流して寝ぼけた恒星が見えればほぼそれがM22です。

南に低いのでM13ほど見えるチャンスが多くないのですが、ぜひ見つけられるようにしたい天体です。

ABK021 いて座 散開星団M24 分類:メシエ天体

M24は南斗六星の柄杓の柄の先から少しだけ右(西側)にある天の川が非常に濃くなった部分にあります。

110702_110609ite_2226

下の写真はオメガ星雲と呼ばれるM17が一番上にあり、右下のスタークラウド(星が密集した部分)の中のさらに右下よりの星の集まりがM24です。(双眼鏡ではここまでは見えませんが・・・)

160603_M24_53_69_1

一説にはメシエカタログを作ったメシエさんはスタークラウド全体をM24としたらしいとも言われています。

つまり濃くなった部分の散開星団というよりも、濃くなった部分そのものがM24なのだということです。

直径1.5°ほどに広がったスタークラウドでたくさんの微光星と星雲状の天の川が重なった状態に見えます。

双眼鏡では、黒いバックに白スプレーを軽く吹きかけた後に、塩をひとつかみ撒いてさらにその上に細かいビーズをばらまいたように見えます。
(写真では中央やや右寄りにM24が大きく広がっています。左端にM25、上端にM17が見えています。)

じっくり見ているとため息が出るほどの美しさで、本州付近で見える天の川の中では最も美しい部分だと思います。

M天体ではあるのですが、特に星団というわけではなく、たまたま銀河系の深い部分が暗黒星雲に邪魔をされずに見えているだけのようです。

天の川が見える機会があればぜひ双眼鏡で眺めて頂きたい星域です。

ABK022 いて座 散開星団M25の眠りネコ星列 分類:メシエ天体、星列

M25は上で紹介したM24のすぐ左上の、となりにある散開星団です。

双眼鏡で見るとそれほど立派な散開星団ではないのですが、その周りにはM25を取り囲むような星列があって・・・

110701M25_nekoSL_1028

見ようによってはネコが丸まっているように見えます。

まるで日光東照宮の「眠りネコ」のような形に見えます。

「いて座M25眠りネコ星列」と名付けます。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
カテゴリー: 双眼鏡, 天文関係 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください