星空解説の道具

今日も良い天気(昼間は・・・)

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夕方には雲が多くなって、金星と月のランデブーをギリギリ捉えることが出来ました。

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なかなか印象的な眺めでした。

さて「双眼鏡シリーズ」ですが、夏が終わるまでに何とか夏向けの対象の紹介を終わらせたいと思いずーっと連続で続けてきたのですが、何とか秋の対象に移ることが出来たので、この先は少しペースダウンしながら紹介して行きたいと思います。

そんなわけで今日は少し違う話題です。

以前にも紹介しているのですがスタパでは星空解説の時に「この星」と指し示すときにLED光源のサーチライト(懐中電灯の大きめのもの)を使用しています。

星空案内をするときには緑色の光が出る高出力のレーザーポインターを使用した方が分かりやすくて、格好が良いです。

スタパでもでも開業当初(12~3年前)にはレーザーポインターを使用して星空解説をしていました。

しかしその後にそのレーザーを使っていろいろいたずらをする人達がでてきたこともあり、国内では販売禁止となってしまいました。

自己責任で海外から輸入し使っても罰せられることはないのですが、

・ネット上でかなり激しい賛否の論争が起こったこと
(この論争を端で見ていて、反対派の人に突っ込まれたとき言い訳できる自信が
なくなった)
・特性上、冬期(低温時)に明るさが出なくなってしまう
・素人受けは良いですが必ずといって良いくらいお子さんから「貸して!」コールが起こり貸さないでいると険悪なムードになったりする
・信頼できると思った星空解説のプロに貸したら、ちょっと目を離している隙に子供の手に渡りライトサーベルごっこが始まっていた

などの理由から当館ではレーザーの使用を止めました。

代わりにしばらくは懐中電灯のサーチライトタイプと呼ばれる指向性の強いものを使用していましたが、最近ではそれよりも集光度が強く明るいLEDライトのサーチライトタイプを使用していました。
(こちらで紹介しています)

レーザーほどピンポイントで指し示すことが出来ませんし、視認性も劣りますし、暗闇で眼に入った場合本当に安全かどうかは分からないのですが、とりあえずは星座解説に使えています。(満月前後の月の近くは見えないです。)

ごく最近になって同じLEDでもレンズ(プロジェクター?)式の物のほうが原理的により性能が良いのではないかと、何種類か買い漁っています。

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同じレンズ式でもレンズの焦点距離により集光度が異なり、中にはあまりピンポイントで指し示すことが出来ないものもあります。

現状(7~8機種)の中で一番指向性が高く見えやすいのがAMAZONのこちらで購入したもの(CVLIFE CREE XPE LED ハンディライト)です。

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ランタン機能がよけいですが、とても小さな焦点像を投影してくれますが、従来のLEDサーチライトよりやや視認性が弱いです。

さらにこれを改造してもっと指向性・視認性の高いものを作れないだろうかと検討をしました。

原理的には集光レンズが長焦点で、口径比が小さく、光源が小さいほど明るくて細いビームを作り出すことが出来ます。

いろいろ予備実験をした結果、自動車のヘッドライトでプロジェクター式で使われているレンズが使えそうなのでネットオークションで中古を入手しました。

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手元にあったボーグのリングを二つ組合わせ、ホットボンドでレンズを固定し、純正の集光レンズを外したLEDライトをスリーブに取り付けられるようにしました。

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組み上げた状態がこちら(純正とのレンズの大きさの違いがわかると思います)

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このままですと暗闇ではレンズが光ってまぶしいのでフード代わりにこれまた手持ち遊休部品のボーグの延長鏡筒を取り付けて見ました。

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今回はお手軽優先で手元にあったボーグの部品を使いましたので、ゼロから全て購入したらかなりのお値段になってしまいますが、工作用紙を重ね張りして筒を作れば安上がりに作ることは可能だと思います。

肝心の光の強さですが、従来よりも明るくて、細くて、迷光が少なくて見えやすいビーム光を得ることが出来ました。

この先これ以上のものが見つかるまでは、これを使うことになりそうです。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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星空解説の道具 への4件のフィードバック

  1. ピンバック: 星空案内人シンポジウム | スタパオーナー八ヶ岳日記

  2. 高橋正則 のコメント:

    初めまして。
    観望会で星を指し示す道具を探しています。一応レーザーポインター(30mw)も持ってはいますが、今はなるべく使いたくなくて、LEDスポットライトでよいものがあればと。
    今は小型懐中電灯タイプでズーム機能の付いた1000ルーメン以上のものも市販されていますが、はたして天体指示棒として使い物になるのか、何かアドバイスが頂ければと思い、ぶしつけながらコメントをさせていただきました。
    当方、不器用で工作が苦手なのです(苦笑)。
    この記事が書かれてから約4年、その後改良・進展はありましたでしょうか。

  3. スタパオーナー のコメント:

    高橋さま
    その後もいろいろLEDライトを買い漁っているのですが、こちらで紹介した車のプロジェクターヘッドライト用レンズ以上の良いアイテムは見つかっていません。
    なぜこのレンズが良いかをこちらの記事<https://star-party.jp/wp/?p=20159>で紹介していますが、どうしても市販のLEDライトの改造が必要になります。
    市販のLEDライトはある程度広い範囲も照らせないと商品として認められない傾向にあるようで、ポインターとして用いるのにはやや角度が広過ぎます。
    (詳しくはこちら<https://star-party.jp/wp/?p=22810>)
    上の記事のライトはかなり明るいタイプ1700lmのものですが、広がりがあるのでポインターとしてはプロジェクター用レンズ改造の方が優れています。
    AMAZONで販売されているLEDライトのルーメン表示は全くあてにならなくて、多くの場合表示されているルーメン数が出る仕様のLED素子を使っているというだけで、実際はそこまでの光束が出ていないようです。(こちら参照<https://star-party.jp/wp/?p=22824>)
    表示されている実力のルーメン数が必要なら1万円以上くらいの製品でないと信用できない感じがします。

  4. 高橋正則 のコメント:

    スタパオーナー様
    早速に教えて頂きありがとうございます。
    AMAZONで3500ルーメンなどと謳っていてもそのまま信用するわけにはいかないんですね。また、レンズ方式なら改造は必須のようですね。
    京都市と奈良市に挟まれたベッドタウン都市の郊外の公園で、毎月観望会をしていますが条件の良いときなら4等星ぐらいも何とか、たいていはアルビレオなど3等星がやっとという環境です。
    住宅地に比較的近く、お子さん連れで気軽に参加してもらえるのがメリットではありますが(笑)。
    頂いたアドバイスを参考に検討をしてみたいと思います。ありがとうございました。

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