今日も一日雨降り・・・・
天気予報の「晴れ」の予報が逃げ水のように先に動いて行きます。
全くどれだけ降り続くのでしょうか・・・・
さて気を取り直して「双眼鏡シリーズ」です。
9.双眼鏡で楽しむ星巡り
9-22. おうし座周辺
ABK065 おうし座 プレアデス星団(M45) 分類:メシエ天体、散開星団
冬の星座の中で真っ先に昇ってくるのはぎょしゃ座とおうし座ですが、周極星に近いぎょしゃ座よりもおうし座のほうが季節感がある気がします。
おうし座の中でも「すばる」(プレアデス星団:M45、写真の丸で囲んだ1の部分)は真っ先に昇ってくるので冬の星座ということにはなっていますが、10月くらいから観察ができる対象です。
すばるは小さな双眼鏡でも楽しむことのできる数少ないメシエ天体の一つでもあります。
あまりにも有名で紹介するまでもないのですが、紹介しないのも不自然と思いABKカタログに登録しておきます。
高倍率の望遠鏡よりも10倍くらいの双眼鏡のほうが見ごたえがあって充分に楽しむことができます。
440光年彼方にある若い星たちの集団で、代表的な散開星団と言えます。
すばるが面白いというと、つい6連星の部分ばかりを見てしまうのですが、すばるの周辺にはかなりたくさんの星があって、すばるを抜きにしてもかなり面白い星列があります。
望遠鏡で見ていると絶対に気がつかない楽しみ方だと思います。
ABK066 おうし座 ヒヤデス星団(Mel25) 分類:散開星団
おうし座の顔に当たるVの字に星が並んだ部分はヒヤデス星団と呼ばれる大きな散開星団です。(丸で囲んだ2の部分)
すばるとセットで紹介されることが多いですが、すばるよりもさらに地球に近い(160光年)ため大きく見えるので、観察には双眼鏡が最適です。
おうしの目にあたる赤い星アルデバランは、たまたま同じ方向に見えるだけで、ヒヤデスとは関係なく、さらに近い67光年の距離だそうです。
ヒヤデスもVの字に捕らわれないで星列を探すと色々な形が見えてきて楽しむことができます。
また、プレアデス(440光年)、ヒヤデス(160光年)、アルデバラン(67光年)という距離をイメージしながら眺めていると、本当に(気のせいですが)奥行き感が感じられて、宇宙旅行をしているような気分になることができます。
ABK067 おうし座 κ(カッパ)牡牛の耳星列 分類:星列
おうし座というと天文ファンの方はとにかく「プレアデス」「ヒアデス」が
思い浮かび、その次にM1(カニ星雲)くらいしか思い浮かばないかも知れません。
天文雑誌だと双眼鏡で楽しもうのページにカニ星雲が紹介されていたりして
驚いてしまうのですが、このカニ星雲、確かにスタパだと双眼鏡でもそこに
あるとわかっていれば存在を見付けることはギリギリ可能です。
でも断じて言いますが「双眼鏡で楽しめるような見え方は絶対にないです。」
口径10cmとかの双眼望遠鏡なら別ですが、5cmくらいの双眼鏡では無理です。
どう考えても双眼鏡で見てガッカリさせて高級な機材を買わせるようにしむける
陰謀に思えてきます。
それではABK流のおうし座の楽しみ・・
おうし座は双眼鏡だと「プレアデス」「ヒアデス」ばかりに目がいってしまう
のですが、わりに星の多いあたりですからこだわらずに眺めているといろいろな
星列があって楽しめます。
中でもヒアデスの少しすばるより、
写真の○で囲んだ3のκ星のあたりには・・・
ちょっと特徴的な星列があります。
ヒアデスの近くなので目立ちませんが、単独であったらかなり面白いと思える
星列です。
ヒアデスのVの字からは少し離れているのですが、おうしの耳のように見えて
面白いです。
おうし座κ牡牛の耳星列と呼びます。
追記 10/13
このおうし座κ付近の星列は本場アメリカでも注目されていて、STAR(Small Telescope Asterism Roster)カタログ(小望遠鏡向けのアステリズム29箇所が紹介されています。)でも「Davis’ Dog」(デイビーさんの犬)として紹介されています。
(コメントを頂いている「やっさん」さまもご自身のサイトで紹介されています。)
胴長のダックス系のワンコが元気よく走っていると言われればそんな感じもします。
それでも個人的にはヒアデスとの位置関係や大きさから「牛の耳」の方がしっくりきます・・・