双眼鏡で星空観察入門 (62)

今日の昼間はやや雲が多く、ときおり雹ががパラ付く寒い天候でした。

それでも着実に春は力強くなり、いよいよカラマツの芽が本格的に芽吹き出しました。

夜も寒かったですがあとても良い天候になりました。

さて昨晩はしっかりと素材集めができたので、今日は双眼鏡シリーズを進めます。

いよいよABKシリーズも「100」を突破します。

目標の110まであと一息!!!

9.双眼鏡で楽しむ星巡り

9-39 りゅう座の腹から頭部

ABK100 りゅう座ω(オメガ)星 ミニカシオペヤ星列 分類:星列

りゅう座の形はグニャグニャして星座線を辿るのが楽しい星座なのですが、特にお腹のあたりのターンする当たりは星がゴチャゴチャして面白いです。

この当たりは小さな星の塊がたくさんあって、いろいろ星列を作れそうなのですが、ω星を起点とした「W」の星の並びを紹介しておきます。

暗めの星が多くゴチャゴチャしているのですがカシオペヤ座のWの形を連想することができますので「りゅう座ω星 ミニカシオペヤ星列」と呼びます。(写真は写野が南中した頃の上下関係(=下が北極星方向)になっています。)

ところでこの星列近く(写真右下)にもとても小さな「W」を見つけることができます。

低倍率の双眼鏡では小さすぎて星がゴチャゴチャっとある散開星団のような見え方をするのですが、10倍以上の双眼鏡や小望遠鏡で見ると見事な「W」を見ることができます。
さらにこのミニミニカシオペヤが面白いのが、Wを形作る5個の星全部がたいへん接近した2重星(3重星もあります)なのです。

100倍以上の倍率で見るとちょっと面白いかも知れません。

ABK101 りゅう座頭部 分類:星座

りゅう座の頭は4つの星で作られる不等辺四角形で、7度の視野にスッポリ収まる大きさです。

この不等辺四角形の星々は明るさがそれぞれ違っていて

γ(ガンマ):2.2等星 β(ベータ):2.8等星
ξ(クシー):3.7等星 ν(ニュー):4.1等星(4.9等星×2の二重星)

とこの四角形のほぼ中央にある星が5.8等星になっています。

おおざっぱに2等星、3等星、やや明るめ4等星、やや暗め4等星、6等星という並びです。

なのでりゅう座の頭を見ると、どの星まで見えるかによって、今日の空のコンディションがおおかた分かる(見ることのできる最微星を知ることができる)という便利なスケールになっているのです。

ν星が二重星でなかったら、2,3,4,5,6と綺麗なスケールになってくれたのでしょうが、双眼鏡の視野にスッポリ収まる範囲でこれだけ分かりやすく揃っているスケールはまずらしいので便利に使えます。

ところでこのν星、写真では分かりにくいですが、上に書いたように4.9等星の星が2個並んだ2重星です。

低倍率の双眼鏡だと二重星というより微妙に伸びた感じに見えてしまうことが多いです。(8倍以上でしっかり固定すれば見えます。)

ただ、双眼鏡で見ると一つに見えないため肉眼で見たときのイメージより少し暗く、つまり4.9等星がふたつあるという感じに見えて、雰囲気が変わるのが面白いです。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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