今日も曇りがちの天候。
スタパ近くではレタスの収穫が始まりました。
さて天文業界では今だに星見用の双眼鏡のスペックとして7倍50mm(以下7×50)が最強ということになっています。(手持ちが前提の場合)
メーカー(例えばニコンやビクセンなど)のサイトを見ても、各種の入門書や双眼鏡を解説しているサイトを見ても7×50が星見用としてはお奨めと書いてあります。
これは双眼鏡の接眼レンズから射出される光の束の径(これを「瞳径」(ひとみけい)といいます)が7×50では約7mmとなり、人間の眼が暗順応した時の瞳孔が約7mmであるため、対物レンズで集めた光が最も有効に眼に入るので暗い天体を見るのには最適なのであるという解説が付いています。
これについて私は10年以上前から異論を唱えていて、詳しくは先日紹介した「双眼鏡で楽しむ星空」サイトの「双眼鏡の都市伝説」でも詳しく説明しています。
上記では7×50は倍率が低すぎて夜空が明るく見えてしまい、却ってコントラストが低くなってしまい、あまり見えている気がしないという結論にしてあります。
具体的に実際に7×50で実視界7.5°(7×50にしては広めの視野です)と8×42で実視界7.5°(8×42としては標準的視野です)の見え方を写真でしめすと以下のようになります。
まずは7×50
次に8×42
写真はイメージとして見ていただきたいのですが、見えている範囲はほぼ同じでも、8×42のほうが「見かけ視界」が大きく、バックが黒く締まって見えます。
実際の最微光星の見え方は口径50mmのほうが0.4等級ほど暗い星が見えるはずなのですが、ぱっと見には8×42のほうがたくさん星が見えて迫力があるように感じます。
というのが私のこれまでの説明だったのですが、何度も実際の空でこの2機種を見比べるうちに実はもっと複雑で7×50にとっては致命的な深刻な問題があることが分かりました。
深刻な問題を引き起こす原因は、
・見かけ視界の狭さ
・明るく見える夜空
・眼の暗順応
の3点です。
(続く)
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