今日は久々に少し晴れ間が見えて夏っぽい風景が楽しめました。
こんな日は「しろくまくん」の気分です。
さて「ゼロ星」シリーズの続きです。
第1章 星は「いつ」・「どこで」見るの?(続き)
1-5.星は「どこ」で見る?
これまでの話でもうお判りのように、星は空気のよく澄んだ晴れた場所でなければ良く見えません。
ならば「どこ」で見るのか、具体的に条件をまとめたいと思います。
1-5-1. 周囲が暗い場所を探す
星を見るのに開けた場所が良いのは事実ですが、いくら開けていても、夜間照明の煌々と点灯した野球場の真ん中で空を見上げても星はほとんど見えません。
眼の感度というのは、眼を保護する意味もあり視野の中の明るい方を基準に感度を調整するようにできています。
これを「明順応」といいますが、明順応は眼を保護する観点から瞬時に順応を完了するようになっているのです。
逆に暗い方に目が慣れるほうは「暗順応」といいますが、こちらはかなりゆっくり行われます。
昼間のような明るい状態から急に真っ暗闇に入ったときは、完全に順応するまでに30分くらいかかるといわれていますし、ある程度見えるようになるまで5分以上かかるのは普通です。
ですから周囲が全体的に明るくて、視野内に明るい部分が多いと空を見上げても、いつまで経っても暗順応が進まず、星が見えるようにならないのです。
昼間に深い井戸の中から空を見ると星が見えることがあるという話を聞くことがあるのですが、井戸の底で暗順応した状態で見上げれば昼間でも星が見えやすくなるからなのかもしれません。
そういった意味では高台にある公園や、建物の屋上、家の屋根(安全確保は自己責任ですが)など、外灯や建物の窓や通路などからの漏れ光が眼に入りにく場所だと都市部でも意外に星が良く見えます。
見る方向によって、光を避けるために見る場所を変えたり、木立や車の影に隠れたりしてできるだけ余計な光が眼に入らないように工夫すると良いです。
同じ条件の場所でも確実に一段階暗い星が見えるようになります。
1-5-2. 星のきれいな場所探し
次には環境のできるだけ周囲がよく開けた場所を探すことになるのですが・・・・
街からできるだけ離れた「高原」や「海岸」などが候補にあがると思います。
登山に覚えのある方なら山の山頂なども狙い目ですし、陸地から遠く離れた離島なども良いです。
いずれにしても「満天の星空」を見ようと思えば大きな都市からは遠く離れたところに出向かなければならないので、なかなかお気に入りの場所を探すのには苦労される方が多いです。
土地勘のない人里離れた場所ではかなり心細いですし、山の中であれば野生動物との遭遇も心配です。
男性ならまだしも女性ならばそんな場所で人に出会うことも恐怖ですし、トイレの心配もつきまといます。
良さそうな場所が見つかっても、夜になって行ったら外灯が煌々と点いていたり、車が頻繁に通過したりと安心して星が見られる場所ではなかったなど、はなかなか良い場所というのは見つかりにくいのです。
一度だけでも見られれば良いというのなら、星空観察ツアーでオーストラリアやニュージーランドなどに行くのが良いかもしれません。
でも頻繁に、機会あるごとに見たいとなれば、自宅から出かけて行くのにそれほど苦にならないようなお気に入りの場所を見つける必要があります。
季節や気象の傾向などから何カ所か見つけておくと臨機応変に晴れそうな場所に出かけて行くことができて、星を見られる確率が高くなります。
住んでいる場所や、車の利用の可否、星見のための予算、望む星空のレベルなどなど、人によって千差万別なので「ここ」という答えを示すのは難しいです。
地道に自分に合った場所探しをしていただくのが正しい方法ではないかと思います。
1-5-3. 初心者向けには「星の宿」を
初心者の方、あるいは「そこまで地道に場所探しをするのはねぇ」という方は(手前味噌になってしまいますが)、スタパのような「星」を売りにした宿を利用されるのが良いと思います。
ここ数年、大型の望遠鏡施設を設置して星空解説を売りにした宿が少しずつ増えてきたように思います。
そういった宿泊施設では、星を見ることに理解があるので、深夜の出入りが可能であったり、外灯などに気を使っていることも多いです。
トイレの心配や、暴漢に襲われる不安もないので女性やお子さん連れでも安心して出かけられるというメリットもあります。
とりあえずお気に入りの宿をいくつか見つけて、そこを起点に納得の行く自分だけの星見基地を見つけて行くのも良いかもしれません。
(続く)