今日も曇り時々雨の困った天候でした。
スタパの周りの林ではウバユリが咲いています。
夜は一瞬少しだけ雲が切れたのでゲストをドームにご案内したのですが、ベガしかご覧頂けず、その後曇って月さえも見えなくなってしまいました・・・・
さて「ゼロ星」シリーズ第2章に突入です。
第2章 あなたが見たいのはどんな星?
一口に星が見たいと言ったとき、満天の星・天の川が見たいというのは定番かもしれませんが、その先となると、ただ、只、満天の星が見えれば良い方もいる一方、流れ星や惑星、星雲などさらに進んでいろいろな天体を見てみたい、あるいは写真に写してみたいなどの希望を持つ方もたくさんいて、その思いは全く人それぞれと言って良いです。
第2章では「何を見るか」にフォーカスして具体的な見方についてのコツを解説してゆきます。
2-1. 天の川を見よう
満天の星となればなんと言ってもみたいのは天の川だと思います。
スタパでの問合せや質問でも「天の川は見えますか?」、「天の川はいつ見えますが?」、「天の川って肉眼で見えるんですか?」などなど天の川関連のものがかなり多いです。
結論から言うとスタパくらいの「空気の澄んだ地域で」、「月のない夜に」、「晴れれば」ごく当たり前に天の川は「肉眼」で見えます。
ただし天の川には濃い部分と薄い部分があるので、ハッキリ見たいと思えば初夏から秋までの時期がお薦めになります。
冬は見えることは見えますが、かなり淡いので見えてもそれほど感動的なものではないです。
また春は地球の自転軸の傾きと天の川の分布の角度の関係上、日本では見えにくい時期となりますので天の川観察には向いていません。(南半球では天の川の中に輝く南十字が高く昇るので、逆にお薦めの時期になります。)
「天の川」という言葉自体「夏」の季語になっているほどですから、天の川を見るなら夏がお薦めということになります。
でも通な人達が天の川をいつ愛でるかというと夏になる前の初夏の時期です。
夏の宵の口に見える天の川は、初夏の時期には深夜に同じように見えます。(地球が太陽の周りを回る公転と星の位置関係上このようなことが起こります。)
第1章で解説したように、夕方よりも深夜、夏よりも気温の低い時期がのほうが星が良く見えるので、夏の宵の口に見頃になるものなら5~6月の梅雨入り前の深夜に見た方がきれいに見えるのです。
本当に天の川がきれいに見えるときは肉眼で見るだけで充分に楽しめます。
(もちろん充分に眼を暗さに順応させてから見るのが前提です。)
双眼鏡や望遠鏡を使うと倍率がかかる分、視界が狭まってしまうのと、モヤッと見えていたものが星に分解して見えてしまうので「天の川」というイメージではなくなってしまいがちです。
でも、視野いっぱいに圧倒的にたくさんの星が散りばめられた様子や、そのあちこちに星がさらに集まった場所や、小さな雲のような塊が見えたりして、それはそれで凄い眺めが楽しめます。
詳しくなると「天の川クルーズ」といって天の川の中にある様々な名所を次々に視野に導入して、ドンドン遡上してゆくという楽しみ方もできるようになります。
天の川は肉眼と(できるだけ低倍率の)双眼鏡のセットで楽しむと良いです。
(続く)