ゼロから始める「星空観察」(7)

今日も曇り空の一日でしたが、夜また雨になってしまいました。

スタパの庭ではヨイマチグサが咲き始めました。

ヨイマチグサはほとんど雑草の部類なのですが、その名前からスタパ向きの花としてコスモスの次に大事にしています。(とはいえ例年は雑草と間違えてほとんど刈ってしまうのですが・・・)

さて「ゼロ星」シリーズ第2章の続きです。

第2章 あなたが見たいのはどんな星?(続き)

2-2. 流れ星を見よう

スタパに来るゼロ初心者ゲストからの質問で「天の川」の次に見たいというリクエストが多いのが「流れ星」(流星)です。

都会ではなかなか見られないですが、天の川が見えるくらいの条件ではそれほど苦労することなく5~10分に1個くらいの頻度で見ることができます。

これは星と同じように流星も明るいものより、暗くなるほど流星の数が圧倒的に増えるからです。

ごくわずかな明るい星しか見えない都会では、よほど明るい流星でないと見ることができませんが、天の川が見えるほど暗い星まで見える場所では数の多い暗い流星まで見ることができるので、それほど苦労しなくてもわりと短時間にたくさんの流星を見ることができるのです。

2-2-1. 群流星と散在流星

流星には○○座流星群と呼ばれる群流星と、特に「群」に属さずに流れる散在流星と呼ばれるグループがあります。

どちらも流星には違いがないのですが、群流星は毎年決まった時期に決まった方向(放射点)から流れるように見えるので、ランダムに流れるように見える散在流星とは区別して観測されることが多いです。

ただし三大流星群と呼ばれる「ペルセウス座流星群」、「ふたご座流星群」、「しぶんぎ座流星群」以外の流星群については、ほとんどが最大でも1時間に10個程度しか流れず散在流星と区別が付かないくらいの数しか流れないのであまり期待しない方が良いです。
最近ではマスコミやネットでほとんど聞いたこともないような(マニアでさえノーチェックの)流星群を「今日は××座流星群です。空を見上げたら見られるかも・・・」などと宣伝することが多くて困りものです。

ふたご座流星群の写真です

天の川が見えるような条件の場所に出かければ、特に何とか座流星群の日でなくても散在流星をたくさん見ることができます。

上記の三大流星群の極大日は確実にたくさんの流星が流れるのですが、それでも極大日が満月で暗い星まで見えないような条件だとガッカリするほど見える流星の数は少なくなり、条件の良い日の散在流星ほどの数も見えないことになります。

2-2-2. 流星の見方

ところで流星を見るとき、どの方向を見たら良いのですかという質問を良く受けます。

また群流星の場合、放射点が東の方にあるので、東を見れば良いのですよね・・・と信じている人もよく見かけます。

でも私はどちらの質問に対しても「できるだけ視野を広く取れる天頂方向を見て下さい。できれば寝っ転がるか、リクライニングチェアにふんぞり返って見るのが良いですよ」とお答えしています。

群流星の場合、放射点から放射状に飛ぶことになってはいるのですが、流れた流星を逆に辿ると放射点に行き着くように見えるだけで、流れる場所は放射点の近くとは限らす、全天に分布します。

むしろ放射点近くの流星は経路(光っている角度)が小さく、あまり迫力がないです。

放射点が高く昇っていないときに放射点を見ると視界のかなり多くの部分が地上を見ることになりもったいないです。

天頂方向のほうが暗い星が見えるので、流星もたくさん見えます。

本当にもの凄く空気の澄んだ場所ですと、遠くの(地平線近くの)流星が見えるので真上を見るよりも少し下の方(45°くらい)を見た方が良いこともありますが、一般的には天頂方向のほうがたくさん見えます。

当然ですが長時間見ていた方がたくさん見えることになりますので、楽に見られるよう寝っ転がったり、リクライニングチェアなどにふんぞり返るのがお薦めになるわけです。

ときどき流星を望遠鏡や双眼鏡を使って見るものと思っている方がいます。

でも望遠鏡や双眼鏡を使うと視野がとても狭くなり(暗い流星を見ることはできますが、それでも)見える流星の数は大幅に少なくなってしまいますし、長時間そのての機器を覗き続けるのもかなり辛いものです。

肉眼で見るのが一番楽で楽しいと思います。

また長時間屋外で身動きせずにいるので、想像以上に身体が冷えます。

その季節からすると「冗談でしょう?」と思えるくらいの十分な防寒対策をしておかないと長時間楽しく観察することが難しいです。

スタパでは10月に入ったら厳冬期に着るダウンジャケットの出番です。

口うるさく防寒の話をするのにはもう一つ理由があります。

流星は一般的には日没後の宵の口よりも、日の出前の夜中のほうがたくさん流れます。

日の出前のほうが地球の公転方向の前側に出るので、たくさんの流星物質が落ちてくるからです。

日の出前は一日のうちでも一番気温が下がりますので、その季節からは想像もできないほど寒くなることがあるのです。

(続く)

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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