今日も曇り空、スタパ前の畑では急速にキャベツの出荷がすすんでいます。。
この分だとお盆前には全て収穫が終わりそうです。
さて今日も「ゼロ星」シリーズ第2章の続きです。
第2章 あなたが見たいのはどんな星?(続き)
2-3. 土星の輪が見たい
スタパに来るゼロ初心者ゲストからのリクエストで一番多いのが「土星の輪」かもしれません。
星空の人気者、スタパの大きな望遠鏡で見たならさぞ良く見えるのだろうと期待いっぱいな方が多いです。
でも先に白状してしまうと、土星をはじめ木星・火星などの惑星については何も空のきれいなスタパまで来なくても、ある程度しっかりした望遠鏡があれば都会でもほとんど問題無く見ることができます。
また「しっかりした望遠鏡」について言えばあまり大型のものでなくても、信頼できるメーカーの口径8cm以上の望遠鏡であれば上の写真のようなイメージで土星の輪を見ることができます。
またとりあえず輪が見えれば良いというレベルなら1万円クラスの粗悪品でない望遠鏡(例えばラプトル50など)でも充分に見ることができます。
このクラスだとさすがに100倍以上は厳しいので米粒のような大きさの土星を見ることになるのですが、それでもクッキリと輪があることが分かります。(間違って粗悪品を購入してしまうと2万円くらいでも土星の輪が見えない場合がありますので注意が必要です。)
土星や木星など天体のかなでは特別明るくて大きな対象については都会でも望遠鏡さえあれば、わりと簡単に見ることができます。
もちろんスタパのような大きな望遠鏡で気流の条件の良い時に5~600倍で見ると「本当に宇宙に浮かんでいる!」という感じで楽しむことができますので、大きな望遠鏡で見ることができるチャンスがあるときはぜひ見て下さい。
「土星の輪を見よう」と思ったときに留意すべきことが二つあります。
一つは土星がいつでも見えているわけではないことです。
土星も地球と同じように太陽の周りを公転しています。
土星の公転周期は約30年ですので30年かけてお誕生日の星座(黄道12星座)の中を巡ります。
わりとゆっくりなので今年は夏が見頃になっていますが、この状況が2~3年続きます。
でも4~5年経つと状況は少し変わって来て、旬の時期が秋に移動してゆきます。
「土星が見たい」と思ったときに土星が空のどのあたりにいて観察できるのかどうかを事前にプラネタリウムソフトや天体の情報サイト(今日の星空)などで調べておく必要があります。
次に留意すべき点は気流の状態です。
高倍率の望遠鏡で見るので、実は肉眼で見るのとは全く違った世界が見えます。
私たちの頭の上にある空気は常に流れ対流しているのですが、肉眼では気にならない星の揺らぎも、100倍、200倍の世界では、小川のせせらぎの中の石を見るようなものです。
肉眼ではとても星が綺麗に見える台風一過のときとか、北風が吹きすさぶときなどは特に気流の流れが激しく、望遠鏡で土星などを見ても全然良く見えません。
気流の穏やかなときに見ないと望遠鏡本来の性能が発揮できなくて、ガッカリしてしまうことも多いです。
いつも写真のようにきれいに見えるとは限らないことを知識として持っていて下さい。
(続く)