今日は台風一過、でも晴れません・・・
でも笠雲をかぶった富士山がクッキリ見えました。
今日も天候はダメなのかと諦めていたら夕方になって雲が金色に光りだして、もしやと思ったら虹が出ていました。
そろそろ天候のパターンが変わるのかと思っていたら・・・
今夜は雲間に星が見える天候になり、夏休みが始まって以来初めて星空観察会ができました。
やはり虹が出ると季節が変わるというジンクス健在です。
さて今日も「ゼロ星」シリーズ、第3章に突入です。
第3章 星空観察の作法
「作法」などと書くととても仰々しいですが、覚えておいたほうが良い知識や、身につけておいたほうが楽しいちょっとした技など、星空観察がより快適になるような小ネタを紹介して行きます。
楽しく、快適に星空観察をするためにはそれなりの準備が必要なのですよ!
3-1. 星空観察の基本中の基本 「防寒」
当然のことですが星空観察は屋外で行います。
天文ドームの中なら暖かいのではなどと勘違いする方がたまにいますが、世界中どこの天文ドームでも暖房の入っているところはないですし、空を見る窓(スリットといいます)はガラスが入っていません。
それでもドームの中にいると風が直接身体に当たらないのでかなり楽ですが、ほとんどの場合は風を遮るもののない状態で星空を眺めることになると思います。
また星を見るときにあまりウロウロ動きながら見ることもできず、ひたすらジッと動かずに見ることになります。
ジッと身動きしないまま風にさらされると、寒暖計が示す気温からは信じられないほど体温が取られ寒く感じます。
その季節で散歩をするときの服装から確実に一段階寒い季節の服装をしないと寒くて星をのんびり楽しむことができなくなります。
とにかく長時間星を見ようと思うと、ほとんどの場合(夏でも)寒さとの戦いになります。
寒さに負けた時点ど今日はお開きとなることがほとんどですので、長時間快適に長時間星を見るための基本はまず「防寒」ということになります。
具体的には
夏:半袖・半ズボン → 長袖・長ズボン+ウインドブレーカー
春・秋:長袖・長ズボン+ウインドブレーカー → 長袖・長ズボン・フリース+ダウンジャケット、手袋、帽子
冬:長袖・長ズボン・フリース+ダウンジャケット → 左記にプラス 防寒アンダーウエア、厚手の靴下・手袋・帽子、マスク、カイロなど
もちろん臨機応変に調節ができるように脱ぎ着が簡単にできるタイプのウエアを組合わせます。(セーターやトレーナーよりファスナー式のフリースなど)
スタパなど寒冷地で観察をする場合は上記よりさらに一段階ずつ暖かい服装が必要になります。
特に寒がりな私が冬に本気で長時間星を見るときの服装はこんな感じです。
多少不格好でも温かなほうが偉いと思っています。
ダウンジャケットの下にはダウンベストを着ています。(ジャケットは極地観測にも使われた物ですが、このジャケットの出番が全く無いのは7月と8月だけです。)
また上半身よりも下半身からの冷えが堪えるので、防寒ブーツの中には靴用カイロ、羽毛のオーバーパンツの下には裏フリースの暖たかズボン、キルトタイプの股引、裏起毛のタイツを身につけています。(手袋も二重です)
特にアンダーウエアは直接肌に触れるものですし、デッドエアを増やし防寒をする上でとても重要です。
「発熱」などというコピーにだまされてレーヨンメインのアンダーウエア(ヒートテックなどの商品名で売られています)を着用するとひどいめに合います。
レーヨンは全く保湿性がないので、身体を適度に動かして暖かさが保たれているときは良いのですが、身体が冷えたときにはひたすら熱を奪う側にまわり寒さが倍増するのです。
昔ながらのカシミヤ(ラクダ)の下着がお薦めです。
下半身は上半身と違ってあまりたくさん着込めないし、特に足は直に地面に触れるので厳冬期は十分すぎるほどの防寒を考えておく必要があります。
また意外に見落としがちなのは帽子です。
体温の30%は頭から放散されるといわれていますので、いくらたくさん着込んでも頭や首回りが露出していると保温が十分ではなくなります。
耳が隠れる帽子と、首回りの保温ができるマフラーを用意すると良いです。
もしもたくさん着込みすぎて暑くなったら脱げば良いだけのことですが、寒さに耐えきれなくなったら、そこでお終いか、無理をして風邪をひくことになります。
しつこいようですが星空観察は「防寒」が基本、都会住まいの方は特に帽子や手袋を忘れがちです。心がけて下さい。
夏、スタパの観察会のときに半袖・半ズボンで参加されて「寒い、寒いと」おっしゃる方を見ると、内心「こいつ山をなめているなぁ・・・」、あッもとい「この方、自然の怖さを忘れてしまっているなぁ・・」と思ってしまいます。
もちろん決して口に出すことはないですがねぇ・・・
(続く)