今日は大型台風が九州に接近していることもあり、雨模様・・・
気温が全く上がらず、昼間に今期初暖房となりました。
さて「ゼロ星」シリーズを進めます。
第4章 星空観察の実習
4-6. 星の動きを知ろう
星を観察するときに、星がどんなふうに動いて昇ったり沈んだりして行くのかが分かるようになると、星座の位置や傾きを見ただけで大まかな方角や時刻、季節などが分かるようになって便利です。
今見えてる星空が、1時間後にはあるいは1ヶ月後の同時刻にはどんなふうに変わるのかなんてことも分かるようになって楽しくなってきます。
4-6-1.天球を理解する
星座の形は地球上のどこから見ても同じ形に見えます。
それどころか太陽系内くらいの範囲でも(肉眼で見る限りは)全く変わらないと言えます。
もちろん宇宙には奥行きがあるので、星によって近い・遠い違いはあるのですが、一番近くにある星でも地球-太陽間の27万倍くらいの距離があるので、星同士の位置関係が変わって見えることがないのです。
地球上にいる限りは一番近くにいる月でさえ、ほとんど星座の星たちとの位置関係は変わりません。(詳しく調べれば月の直径の2~3個分くらいは違いますが・・・)
奥行き方向に距離の違いがあるにしても地球から見たときにもの凄く遠くにあることに変わりがないので、とても大きな球(例えば地球直径の千倍くらい)の内側に全ての星が貼り付けられているのと同じという考え方をしても見た目はほとんど違いがないことになります。
この大きな星が貼り付けられた球体を「天球」と呼んでいます。(外側から天球を見ると星座は裏返しになります。)
天球という考え方で説明すると、地上から見たときの星の動きを理解しやすくなります。
天球は地球から見ると地球の自転によってまるで地球儀のように回転します。
地球から見た星の位置を示すのに、地球の緯度・経度と同じように赤緯・赤経という線を仮想的に設定しています。
星は地球の自転により赤経の線に沿って動きます。
北極や南極では全ての星が天頂を中心とした(高さの変わらない)円運動をします。
また赤道では全ての星が地平線に対して垂直に昇り、垂直に沈みます。
極や赤道以外では少し話が複雑です。
例えば日本付近では
天の北極を中心に星が回転するようには見えますが、赤緯の違いによって見かけのかなり動き方が異なることがわかると思います。
天球という概念は、宇宙に奥行きがあるのにもかかわらず、一つの球面として一律に星の位置を決めてしまう考え方なので馴染むまでに少し難しい場合が多いのです。
でもこれが理解できると、地球の自転や(地球が太陽の周りを回る)公転による星空の運行の様子が分かりやすくなるので、頑張って理解できるようになって下さい。