コスモス満開のスタパです。
今日も昼間は少し青空がのぞき、天気予報は明日まで晴れの予報でしたが、夜は曇りとなってしまいました。
さて「ゼロ星」シリーズ、今日から新章に突入です。
第5章 四季の星空解説
本章では季節ごとの、特に注目しておきたい星座や星の並び、星空を見上げるときに知っておくと楽しいお話しなどを紹介して行きます。
5-1. 秋の星空解説
5-1-1. 「ペガススの四辺形」とその周囲の星座探し
ペガスス座は秋の星座を辿るうえで一番要となる星座です。
本題に入る前に「ペガスス」と言うと、何か違和感を感じる方もあると思います。
「ペガサス」じゃないの?・・・と
別に「ペガサス」でも間違いではないのだけれども、「ペガサス」は英語読みです。
天文学の世界ではできるだけ公平に世界共通の読みにするためラテン語読みするというのが慣例になっているので日本では「ペガスス」ということになっています。
(似たようなもので「ヘラクレス」をかたどった星座を「ヘルクレス座」ということになっています。)
で、ペガスス座。
神話では秋の星座の中で一大絵巻が繰り広げられる古代エチオピア王国物語(カシオペア座、ケフェウス座、アンドロメダ座、ペルセウス座、くじら座、ペガスス座が絡む)の一角をなしていますが、物語の中では出番の少ない脇役的 存在です。
でも実際の夜空では秋の星座の中で最も中心的存在で、目立つし、他の星座を
探すのに目印となる星座です。
ペガスス座が分かれば、そこから秋の星座が芋づる式に分かるようになるとても
便利な星座でもあります。
ペガスス座のα・β・γとアルフェラッツの4つの星を結んで「秋の四辺形」とか「ペガススの四辺形」と呼んでいます。
2~3等星の星たちですが、秋になると空高く昇りよく目に着きます。
春・夏・冬には大三角と呼ばれる目印があり、ほとんどが1等星(春の大三角の1コだけ2等星ですが)で構成され都会でも見えるのですが、秋は四辺形で都会では見えにくいです。
でも春・夏・冬の大三角がそれ自身が目立ってそれで終わり的な部分が強いのに
対して、この四辺形を目印にいろいろな星座が探せる便利な目印なんです。
なので是非秋の星座の第一番目に覚えて頂きたい星座だと思っています。
上の写真のなかで秋の四辺形の一角、アルフェラッツだけギリシャ文字の符号でなく固有名で書いてあるのには訳があります。
アルフェラッツには「馬のおへそ」と言う意味があり、四辺形の一角をなしているので、てっきりペガスス座の星かと思ってしますのですが、実はこの星お隣のアンドロメダ座のα星なんです。
昔々は星座の境界線というのはハッキリ決まっていなくて、アルフェラッツはペガスス座δ星とアンドロメダ座α星を兼務していました。
とてもおおらかな時代で、必要に応じて使い分けていたようです。
でも近代天文学の合理主義のもとではそんなことが許されず、どちらかハッキリ白黒付けざるを得なくなりました。
せっかく四辺形が作られ、アルフェラッツ(馬のへそ)という名前もあるのだからペガスス座にしても良さそうなものですが、この星・・アンドロメダの頭にもなる星だったのです。
絶世の美女であるアンドロメダ姫の星座でありながら顔のない星座を作るわけにいかない・・というのが星座の境界線を決めた天文学者の先生方の結論だったというわけです。
ですからペガススの四辺形というのは正確にはペガススの三角形に見たてるのが正解なのかも知れませんが、どう見ても三角形を見たてることができにくいです。
秋の四辺形ということで、おおらかに見上げることにしましょう。
さて、上にも書きましたがペガスス座が分かるようになるとその周辺の星座がわりと簡単に探せるようになります。
ペガススの鼻先には先日紹介したこうま座がありますが、頭のすぐ南側には
みずがめ座が広がっています。
また四辺形のすぐ南側にはうお座の西側の1匹がいます。
さらに四辺形の左上(=アルフェラッツ)は前に紹介したようにアンドロメダ座の
頭の星です。
ここから左上にたどるとアンドロメダ座を見付けることができます。
それ以外も四辺形の西側(右側)の二つの星を南(下)にたどると、秋の星座の
中で唯一の1等星であるみなみのうお座のフォーマルハウトにつきあたり、、
さらに東側の二つの星を南にたどるとくじら座のデネブカイトスにつきあたり
ます。
こんなふうにペガスス座は秋の星座達の中核的存在なのです。
暗い星が多くて見つけづらい秋の星座の中で、目印としてぜひ始めに覚えて頂きたい星座だというわけです。