今日も気持ちのよい秋晴れ。
気の早い木々はほんのりと緑から黄色に衣替えを始めました。
今夜は晴れて、久々に月の写真が撮れました。
さて「ゼロ星」シリーズが続いています。
第5章 四季の星空解説
5-1. 秋の星空解説(続き)
5-1-2. 秋の夜空は星座絵巻
秋の夜空は明るい星が少なくて都会では見つけるのに苦労する星座達が多いのですが、秋の星座の中ではギリシア神話の一大絵巻が繰り広げられています。
通称「古代エチオピア ロイヤルファミリー物語」といわれ、カシオペア座、ケフェウス座、アンドロメダ座、ペルセウス座、くじら座、ペガスス座の6つの星座が一つの物語の中に登場します。
夜空のかなり広い部分をこの星座達が占拠しているのです。(上の絵に含まれないくじら座は全天の星座の中で4番目の大きさを誇ります。)
この物語を極々簡単に説明すると・・・・
古代エチオピア王ケフェウスの妃であるカシオペヤは娘のアンドロメダの美しさが自慢でした。
あるときつい口が滑って「海の妖精ネイデスよりも美しい」と言ってしまいます。
「ネイデス」は最後に「ス」が付く複数形で、何とこの妖精、50人もいたそうです。
カシオペヤの自慢話を耳にしてしまったネイデスたちは我慢がならず、海の神ポセイドンに言いつけ、エチオピアの国を困らせるようにヤイノヤイノと大騒ぎ・・・
困ったポセイドンはしょうがないので大怪獣ティアマウトゥ(=くじら座)をエチオピアの海岸に差し向け、エチオピアの国を襲わせます。
「どうしたもんだろう?」と困ったケフェウスはポセイドンの神託を受け、災いの元凶となった娘のアンドロメダを生け贄に差し出すことになってしまいます。
哀れアンドロメダが大怪獣に今にも食べられようとするとき、天の一角からペガススに跨がった勇者ペルセウスが現れます。
ペルセウスが異変に気付き、何事かと見れば絶世の美女アンドロメダが怪物に喰われそうになっています。
一目でアンドロメダに心奪われたペルセウスは、何とか彼女を救おうとティアマウトゥに戦いを挑みます。
実はペルセウス、このとき丁度一目睨まれただけで石に変わってしまうという恐ろしい妖怪ゴルゴンメデューサの首を落として退治した帰り道でこの事件に遭遇したのでした。
「ならば!」ということでメデューサの首をティアマウトゥに見せたところ、大怪獣は石になって何とか退治することができました。
救われたアンドロメダとペルセウスは後にめでたく結ばれましたとさ・・・・
と、2時間の映画ができるほどの物語を超が付く端折り方で説明したので突っ込み所満載ですが、まあ大方の流れはこんなものです。
秋の星座は見つけづらいですが、ストーリーで覚えるととても楽しく覚えることができます。
オーナー様、
ギリシャ神話のお話、五島プラネタリウムの前半の星座の解説を思い出しました。非常に貴重なおはなしです。
星座とギリシャ神話、これは私たちの世代では切っても切れない関係でした。
かつて草下英明氏の著書で「星座手帳」と言う小冊子がありました。この本の冒頭がすごい。「走れメロス」の一節に書かれている、メロスがいざ走り出すときの「初夏、満天の星である」と言う表現が素晴らしく、その時に感じる情景が星座を知っていればよりリアルに感じられるというものでした。
この本を私たち中学の天文部では教科書として使っていたという記憶があります。
小澤さま
いつもありがとうございます。
五島プラネタリウム、星座手帳とても懐かしいですね。
星空の解説をするとき人により興味は様々なので、どの切り口から入ってゆくかというのはなかなか悩ましく、永遠のテーマかも知れないですね。
ある人はストーリー重視のソフト路線、ある人は科学的データに基づいた話、ある人は宇宙の奥行きや時間の流れなど神秘な部分・・・
でも基本は人々が大昔から見上げた来た満天の星に対する畏怖の念と、そこにストーリーを見いだしてゆく遊び心が重要と思っています。