ゼロから始める「星空観察」(30)

今日も昼間は青空が見られる天候。

今年もドングリが豊作なようです。

夕刻までは天候が良くて月の写真を撮ることができました。

さて今日も「ゼロ星」シリーズです。

第5章 四季の星空解説

5-1. 秋の星空解説(続き)

5-1-3. 「水」で繋がる秋の星座

秋の星座を語るとき、前節の「古代エチオピア ロイヤルファミリー物語」とは別の大きな柱が「水」です。

そうです、秋の星座には水がらみの星座が多く集まっているのです。

みずがめ座、うお座、みなみのうお座、くじら座、やぎ座と5個の星座が水をモチーフにしています。(くじら座はエチオピア物語に被りますが・・・)

ここでやぎ座が何で「水」? と思うかもしれないのですが、星座絵を見ると・・・・

ヤギの下半身が魚になっているのがわかると思います。

牧神のパーンさんが魚に変身し損ねてあたふたしている姿が面白いと言うことで星座になったと言われています。

さて、なぜこのあたりに「水」がらみの星座がたくさんあるのでしょうか?

話は星座の確立されつつあったメソポタミア文明の時代に遡ります。

ご存じのように、うお座・みずがめ座・やぎ座は太陽の通り道である黄道12星座に属する星座達なのですが、この星座に太陽が差し掛かる頃メソポタミアでは雨期だったそうです。

文明の発達には農業の充実が欠かせないわけで、農業をする上では雨期の到来がとても重要だったのです。

やぎ座のお尻あたりに太陽がいる頃、雨期が始まることから、ヤギの下半身が魚になっているわけです。

雨期の始まりがよほどおめでたかったのでしょう、みずがめ座とペガスス座にはやたらと「○○の幸運」という固有名を持った星が多いです。

α:サダルメリク  王様の幸運
β:サダルスウド  幸運の中の幸運
γ:サダルアクビア 秘密の幸運
ε:アルバリ    飲む者の幸運

ペガスス座では
θ:バハム     家畜の幸運
ζ:ホマム     英雄の幸運
以下は写真から外れていますが
η:マハル     雨の幸運
λ:サダルバリ   優れた者の幸運

と言うわけで「幸運」の大安売りといった感じですが、太陽がこの星座達に差し掛かる頃は恵みの雨が降り、豊作が望めることから水にちなんだ星座を並べたのだと考えると、とても納得が行くと思います。

実は秋の夜空はこの「水」繋がりと、エチオピア物語の星座でほとんど埋め尽くされてしまいます。

個々の星座の星たちはとても地味だけれども、ストーリーがしっかり絡み合っているのが秋の星座の特徴と言えますね。

 

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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