今日は朝から晩まで良い天気。
秋が深まりようやく天候が安定してきた感じです。
月も綺麗に見ていました。
さて「ゼロ星」シリーズ、今日ももう1日冬の星空解説が続きます。
第5章 四季の星空解説
5-2. 冬の星空解説(続き)
5-2-5. プレアデスとヒアデス
おうし座と言えばプレアデス星団(日本では昴、メシエカタログではM45)がとても有名ですね。
プレアデス星団は散開星団と呼ばれる若い星達の集まりの一つです。
東京でもクリアに晴れた日にはボヤッーとした塊として見ることができるほど明るいので、散開星団の代表みたいな存在と言えます。
でもおうし座にはもう一つ大きな散開星団があります。
おうしの顔に当たる部分の「V」字型に星が並んでいるあたりをヒアデス星団と呼んでいます。
日本では釣鐘星と呼んでいた地域もあります。
あまり大きすぎて昔は散開星団と思われていなかったようなのですが研究の結果、散開星団であることがわかりました。
プレアデス星団よりずっと近くにあるので大きく広がって見えています。
(プレアデス星団:450光年、ヒアデス星団:150光年)
ヒアデス星団の中でひときわ明るく輝くオレンジ色の星は、おうしの目にあたる星でアルデバランですが、ヒアデス星団に属する星ではなくもっと近く(67光年)にあります。
ヒアデス星団とプレアデス星団は望遠鏡で見るより双眼鏡で楽しめる天体です。
二つの星団とアルデバランを宇宙の奥行きを感じながら双眼鏡でじっくり眺めるとなかなか楽しいです。
ギリシア神話ではプレアデスの7人姉妹が有名ですが、ヒアデスもプレアデスの異母姉妹(父親はアトラス)で7人姉妹(5人という説もある)だったそうです。
5-2-6. もう一つの1等星 カノープス
カノープスというのはりゅうこつ座の1等星です。
たいへん南に低いところにあるので、日本では東北より北では地平線上に上がらず見ることができません。
実際の明るさはシリウスに次いで全天で2番目に明るい恒星で-0.8等星という明るさがあるのですが、 高く上がりませんので、それほど明るく見えることはありません。
中国でも見えづらさは同じようで、そんなに見えづらい星ならば、それが見えるというのは縁起の良いことだという解釈から、この星を見ることが できれば長生きができるということで、「南極老人星」という名前が付いたと いわれています。
南側が良く開けて、標高の高い八ヶ岳南麓では南の地平線まで良く晴れた日であれば意外にあっさり見ることができます。
ただ、一日のうちにほんの数時間しか地平線上に現れないので星の位置関係がよくわかっていないと見逃してしまうことも多いです。
写真のようにおおいぬ座の前足と後足の先を結んで下に延ばしたあたりと覚えておくと簡単に見つけられます。
カノープスが南中(一番見やすい)する時刻は
12月 1日 深夜2時頃
1月 1日 0時頃
2月 1日 22時頃
3月 1日 20時頃
となります。
都会では見えることがほとんど無く、知識として知っていても見たことがある人は意外に少ないので、見せてあげると皆さんとても喜びます。