ゼロから始める「星空観察」(36)

今日は朝から良い天気。

夜も良く晴れて煌々と輝く月が綺麗でした。

ここのところ気流が悪くて拡大するとガタガタです・・・

さて「ゼロ星」シリーズ、春の星空解説が続きます。
(この先まだ、春・夏と季節外れの星座解説が続きます。修行が足りないせいか、季節外れの解説をするのはどうもノリが悪いです・・・)

第5章 四季の星空解説

5-3. 春の星空解説(続き)

5-3-2. 春の星空のアステリズム

前述のように春の星空には明るい星の数が少ないのですが、少ないだけにその星たちを結んで作られるアステリズムも大きくて、大胆なものが主体になります。
(アステリズムとは:星の並びを物や形、生き物などに見立てること。星座もアステリズムの一種)

1)春の大曲線

北斗七星の柄の部分のカーブに沿って、そのまま緩やかに曲線を延ばしてゆくと、うしかい座のアルクトゥールス、さらに延ばしておとめ座のスピカという2つの1等星をつなぐことができます。

このダイミックな曲線を春の大曲線と呼んでいます。(4つの3等星で作られる不等辺四角形の「からす座」までを含めて春の大曲線と呼ぶこともあります。)

5月のはじめ頃(スピカやアルクトゥールスが南中近くなる頃)には、まさに天空を袈裟懸けに横切るので、まさに大曲線といえるなかなかダイナミックな感じがします。

ただ個人的には「春の大曲線」だけで終わらせてしまうのは、いつももったいないと思っています。

3月のはじめ頃、スピカが昇ったばかりのときには、スピカ→アルクトゥールス→北斗の柄 と下から結ぶと銀河鉄道999が宇宙に飛び立つときに使う発射軌道のように見えます。

私はこれを「春の放物線」と見立てています。

また6月のはじめ頃、スピカや北斗七星が西の地平線に近づくようになると、大曲線はアーチ状に虹のように西の空にかかります。

春の放物線と同じように「初夏へのアーチ」と名付けています。

2)「春の大三角」と「乙女のダイヤ」

さて地味な星空の春ですが、地味な中にも前節で紹介した春の大曲線以外にも目立つアステリズムがあります。

その1つが「春の大三角」です。

うしかい座のアルクツールス、おとめ座のスピカ、そしてしし座のデネボラをつないだのが「春の大三角」です。

春の大三角が今ひとつマイナーなのはデネボラが2等星だからなのだと思います。

でも形としては夏・冬の大三角よりも綺麗な正三角形に近く、大きさも一回り大きくて立派な感じがするのですが、夏と冬の大三角はすべて1等星でできているので、2等星が入るとどうしても見劣りしてしまう感じですね。

2等星を使って良いなら初夏の大三角とか晩秋の小三角なんていうのができそうな気がしてきます・・・・。

まあ、あまり三角にこだわることもないと思いますがね。

三角にこだわらないと「乙女のダイヤ」なんていうアステリズムもあることはあります。

アルクツールス、スピカ、デネボラ(ここまでは春の大三角と同じですが)とつなぎ、りょうけん座のコルカロリへいって、アルクツールスに戻るちょっといびつな四角形です。

写真で見るとかなりいびつで「どこがダイヤ?」といいたくなる感じですが実際の空ではかなり大きな四角なので、それほどいびつなのが気にならず、菱形に近く感じられます。

おとめ座のスピカを含むダイヤ形なので「乙女のダイヤ」呼ばれるようになったようです。

ただ、コルカロリは3等星なので「春の大三角」以上にマイナーですし、都会ではうまく見付けられないかも知れないですし、「3等星入れて良い なら・・・」などと別のアステリズムを考えてみようかと思ってしまいます。星の少ない春の夜空だからできることなのかも知れません。

星の配列の見立てはこうでなければいけないという決まりは特にありません。

何か面白い見立てはないかと考えながら星空を見上げると、ただ漫然と見上げるよりもズ~ッと楽しくなります。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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