ゼロから始める「星空観察」(41)

今日も昼間はまあまあ天候だったのですが・・・・

さて「ゼロ星」シリーズ、今日が最終回となります。

7月下旬から約2ヶ月半、永らくお付き合い頂きありがとうございました。

シリーズ物としてはかなり多くの回を重ねた大作となりましたので、いずれ「スタパオーナーの部屋」へ殿堂入りをさせたいと思います。

第5章 四季の星空解説

5-4. 夏の星空解説 (続き)

5-4-4. 七夕伝説は秋に生まれた?

ベガ(落ちるワシ)とアルタイル(飛ぶワシ)という名前を西洋の人達が付けたのと同じように織姫星(=ベガ)と彦星(=アルタイル)は夏の大三角が天頂を明け渡す頃になると、面白いことにベガとアルタイルはほぼ同じ高度で横並びになり、そのまま地平線に近づいて行きます。

仲良く並んで地平線に近づいて付く姿に気づけば、この二つの星をペアとして扱いたくなるのは人情と言うものでしょう。

実はこの二つの星はかなり長い期間同じくらいの高さで横並びに沈んで行きます。
9月9日の21時くらいだとかなり高いですがほぼ横並びになります。

 

11月に入っても横並びに沈んでゆきます。

 

こんなことから西洋では二つの形態のワシの姿として、東洋では仲の良い夫婦の星としてエピソードが生まれたのだと思います。

7~8月頃のベガが高い位置にいる時よりも、二つの星が仲良く並んで沈んでゆく様子を見て夫婦星として語られるようになったのかも知れません。

5-4-5. 日本の星座

日本には西洋の星座のような体系だって全天を区切る星座という概念があまりなかったようです。

だれが見ても目に付く、形がハッキリしている星の並びについては民話があるのですが、全国レベルで統一された話というのはほとんどないのが実情です。

また、あまり大きな星座がないのも特徴かも知れません。

大きくてもオリオン座を鼓(つづみ)星と呼んだり、さそり座を魚釣り星(サソリ の尻尾あたりを釣り針に見立てている)と呼ぶくらいです。

北斗七星もおおぐま座のように広げて考えることはなかったようで、無理に つなげて形を作り物語を着けるという発想や文化がなかったのでしょう。

ところが小さくまとまった特徴的な星の並びについては名前の付いているものが多くあります。

その典型はスバル(=プレアデス星団)や三つ星(オリオン座)などで、双眼鏡で楽しむのにもってこいのサイズであることが多いです。

そんなわけで前置きが少し長くなりましたが、ここではさそり座にある日本の民話に伝わる星を紹介します。

上の写真でアンタレスと左右の星で「ヘ」の字が作られますが、この部分を篭担ぎ(かごかつぎ)星と呼ぶ地方が多かったようです。

アンタレスは火星に対抗するもの(アンチ・アーレス)の意味から着けられた名前ですから、とても赤く見える星です。

天秤棒につるしたカゴの荷物をフウフウいいながら運んでいる姿を想像したのでしょう。
色の濃さでその年の作物の収穫量を占う地方もあったようです。
(色は年ごとに変わるわけはないのですが、南に低いので大気の影響を受けやすく、ある一定の期間の見え方を比較すれば吉兆に結びつけられたのかも知れませんね。)

またアンタレスの赤い色から酒酔い星と呼ぶ地方もあったようです。
飲んだくれては代金を踏み倒し、升かけ星と呼ばれる酒屋の星(オリオン座の三つ星)から逃げ回っていると言う民話も残っています。

西洋の神話で勇者オリオンはサソリに刺されてあっけなく命を落としたことから、星座になっても逃げ回っており、さそり座が昇るころには西の空に沈み、さそり座が沈んでから東の空に昇るようになった・・・というお話しと逆のパターンになってはいるものの、追いかけっこをしているところで妙に符合があり面白いですね。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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