今日は雪のちらつく一日。
一時はかなり強く降って、畑がうっすら白くなるほど
でも夜にはなんとか晴れてくれて月を撮ることが出来ました。
さてここ数日ミニスコープで遊んでいます。
写真上から(D=口径/f=焦点距離)
1.D60mm/f300mm
2.D40mm/f220mm
3.D30mm/f150mm
4.D50mm/f330mm(アポクロマート仕様)
いずれも口径比5~5.5の短焦点屈折です。
ここで1と2はかなり昔に流行ったコンパクトを売りにした、どちらかというと素人だましに近い製品です。
当時はこのての製品で100~200倍くらいの過剰倍率を売りにした商品が多く流通していました。(今でも画面右上に少し写っているような物でそのての物がありますが・・・)
ちなみに2はこちらで紹介したわりと怪しげな古ミニスコです。
3はこちらで紹介した双眼鏡用レンズを活用して自作した超ミニスコ。
4はマニア向けアポクロマート仕様の高級品ですが、こちらで紹介した正立像で2インチアイピースが使用できる低倍率仕様です。
なぜこんな怪しげな品を集めて遊んでいるかというと、最近双眼鏡並みの低倍率で星を見るのが楽しくなってきたためです。
望遠鏡というと、どうしても高倍率が偉いという感じがしますし、高級な望遠鏡ほど高倍率を出しても像の乱れが少ない傾向にあります。
ただそういった望遠鏡で双眼鏡並みの(10倍以下くらいの)倍率にしたいと思っても、なかなか簡単ではありません。
もちろん双眼鏡と棲み分けて使えばよいのですが、双眼鏡を三脚などに固定して使いたい場合、(特に天頂方向を見ようと思うと)かなり使い勝手が悪いです。
椅子とセットで楽に見るためのマウントもいろいろ提案されていますが・・・
双眼鏡を使うのにここまで大がかりな機材を準備するのもどうなの・・・という気がします。
パーソナルで使うのにはよいですが、双眼鏡で見るレベルの天体を他の人とシェアすることも難しいです。
そこで思いついたのが短焦点のミニスコに45°正立プリズムを介して、長焦点アイピースと組合わせることにより双眼鏡並みの低倍率で天頂付近も楽に見られる仕様です。
短焦点アクロマートの望遠鏡は屈折望遠鏡の欠点である色収差が強く出るので、マニアックな方には敬遠されがちな仕様なのですが、10倍未満の低倍率で使用する限りはほとんど色収差が気になりません。
双眼鏡のように両目で覗けないというデメリットはあるのですが、カメラ用三脚があれば天頂まで楽に見られますし、他の人とシェアしたいときも双眼鏡より調整が楽で、必要に応じて少し高い倍率に切り替えることもできます。
どこでも観察会ができる究極のお気楽望遠鏡でもあると思います。
オーナー様、
F5〜5.5アクロマートですと、市場に出ている代表的な製品としてSYNTA製10〜15cmF5アクロマートが幾つかの販売店から出ています。これらの中で自分は10cmと15cmを過去に使いましたが、両方とも口径(cm)×10倍くらいの倍率までは惑星(特に木星)を見ても十分にシャープかつハイディフィニションに観察できました。口径分の分解能は出ていたと思います。
アクロマートで同じ口径比で比較すると口径が小さい方が大きいものと比べてより色収差が少なくなることも経験上明らかですので、10cm未満ならばより色収差は目立たないのかもと思います。
ですので、オーナー様が挙げられたこれらの小口径アクロマート屈折は実際どのくらいまで倍率が上げられるのかが、逆に興味深いです。おっしゃられる様にこの手の望遠鏡は双眼鏡並みの超低倍率で楽しむのがベストとは思います。ただそれとは別に単に色収差のみが問題になるならばこれくらいの小口径ならば口径(cm)×12倍くらいまでいけるのではないか、などと勝手に想像してしまいます。ただしいわゆる粗悪品レベルのレンズ研磨や、組み込み及び光軸不良が激しかったり、球面収差があまりにも大きいなどがあれば最初から無理なので意味がありませんが。
小澤さま
例によって豊富な経験からのお話し、ありがとうございます。
このての短焦点屈折は「口径(cm)×10倍くらいの倍率まで」が気持ちよく使える範囲だと私も思います。
これ以上になると色収差や球面収差が気になって、長焦点屈折や反射望遠鏡のようなカリッとした像が得られなくなります。
通常言われる実用最大倍率「口径(cm)×20倍の倍率まで」が当てはまらない物であることを理解していれば良いと思うのです。