スタパ周辺の紅葉が見頃になってきました。
広葉樹は絶好調、カラマツもほんのり黄色になってきています。
さて、ここのところ出前観察会をする機会が多くなっているのですが、外で観察会をしていると、なぜかスタパの天文ドームで観察会をしているときよりも倍率を変えるために、接眼レンズの交換をすることが多いです。
これはドーム内では高倍率用(100倍スタート)のメイン望遠鏡と低倍率用のサブ望遠鏡を分けて使っているのと、100倍以上の倍率では(ほとんどの場合)ハイオペリオンズームで160~400倍までをカバーしているためです。
ハイペリオンズームはもう10年も前に購入しているのですが、ズームレンズらしからぬ像の良さと視界の広さ、そして何よりブラックアウトしづらくて非常に覗きやすい接眼レンズなので未だに便利に使っています。
出前観察会用では高倍率用と低倍率用で望遠鏡を用意するわけではないこともあり、頻繁に倍率の変更を行う回数が多くなるわけです。
出前観察会用にもう1本とも思ったのですが、ハイペリオンはさすがに高級品でなかなか手が出ません。
そこで中古でお安く出ていたこちらを入手しました。
セレストロンのズームアイピースです。
ハイペリオンほど広角ではないですが、覗きやすいのとそこそこの見え味なので出前観察会用としては充分に活躍してくれそうです。(安物のズームアイピースより確実良いです。)
このレンズは今時のレンズらしく、見口のゴムを外すと42mmのTネジになっていて、一眼レフタイプのカメラに直結できるようになっています。
望遠鏡に着けるとなると焦点が合う合わないの相性問題が出たりするのですが、それなりに超々望遠の世界が楽しめたります。(カリカリの像にはなりませんが)
さて今夜も良く晴れて月がきれいでした。
だいぶ天候が安定してきて晴れの日が多くて嬉しい限りです。
オーナー様、こんにちは。
8mm〜24mm ズームアイピースと言うのはF10のシュミカセには最適なアイテムと思います。オーナー様のミード40cmにも、セレストロンのC8〜C14のいずれにも最適だと思います。見る対象を選ばずオールマイティに使える点がいいですね。
オーナー様おっしゃるように私もズームアイピースは良く見えないと言う風評を信じこみ、今まであまりズームアイピースは使ったことがないのですが、ひとつだけ、高評価に心動かされ、清水の舞台から飛び降りた気持ちで、テレビューのナグラーズーム3〜6mmを購入し使ったことがあります。鏡筒は笠井ブランカ115EDT IIでしたが、このズームアイピースは非常に性能が良く、良くできた単体のアッベオルソやプローゼルに一歩も引けを取らない惑星像を見せてくれました。
また、全ズーム領域で見かけ視界が変わらないと言うのも魅力でしたが、これはほぼ惑星が対象だったことを考えれば絶対的な必要条件ではないかもしれません。それよりも全領域で同焦点と言うことがとてもありがたかったかなと思います。しかし、当たり前のように高価なのと、短焦点故にF10以上の対物にはあまり適さないのかなと言う気がします。
その点、8〜24mmと言うのは比較的Fの暗い対物には大変有用だと思います。これくらいの焦点距離の幅ですと、長焦点側での見かけ視界があまり狭まらない事は素晴らしいです。ハイペリオンは高価でも、やはり良さそうですね。欲しいですが、今は自重します。
小澤さま
ズームアイピースについてのコメントをありがとうございます。
ナグラ-ズームはぜひ欲しいアイピースのひとつですが、なかなか手が出せないでいます。
メインであるF10シュミカセに使用するのには少し焦点距離が短すぎるという問題もあるのが手が出ない理由でもあるのですが・・・
F7~8の良質な主鏡との組み合わせの惑星観測では必須かも知れません。
さて私がハイペリオンやセレストロンのズームアイピースをチョイスしているのは、なぜかこれらのアイピースが非常にアイポイントの位置に寛容だからです。
観察会など望遠鏡を覗き慣れない人達を対象に星を見せるときに、どんなに抜けが良くて解像度の高いものでも、どんなに見かけ視界が広角で周辺まできれいに見えても、ブラックアウトしやすかったり、少しでもアイポイントがずれるとビーンズエフェクトが出たりするものは使い物にならないと言って良いと考えています。
望遠鏡を覗き慣れている身からすると信じられないのですが、少しでもアイポイントの難しいアイピースを使うと途端にうまく覗けない方が多くなってしまいます。
せっかく少しでもたくさんの人に望遠鏡で星を見る楽しさを伝えたいと思っても、自分の見得で(アイポイントの難しい)高級アイピースを使ってしまうと逆効果になってしまうことがあるのです。
観察会向けに適したアイピースとは多少見かけ視界が狭くても、多少周辺像が甘くてもよいので、メガネを掛けていていてもOKなアイレリーフがあり、眼とレンズの光軸がズレてもブラックアウトせずに、
ビーンズエフェクトも発生しないものが良いと考えています。
実は15mm未満の焦点距離でこの条件を満たす製品というのは意外に少なく、私が知る範囲では廃盤になりましたがテレビューのラジアン、ビクセンのLV系(LV、NLVは廃盤、現行SLV)くらいです。(もちろん覗いたことのないアイピースもたくさんあるのでこれ以外にもたくさんあるかも知れません。)
でもってなぜかハイペリオンズームはこれらに負けない覗きやすさですし、セレストロンのズームアイピースもほんのわずかビーンズエフェクトがありますが許容範囲の覗きやすさです。
観察対象やシーイングの状態に応じてスピーディーに倍率を変えられるというのは観察会向けとしてとても重要な機能でもありますね。
個人的に欲しいアイピースと、人に見てもらうためのアイピースはどうしても微妙に違ってしまい、限られた原資の中でのジレンマがいつまでも続きます・・・
オーナー様、ブラックアウトはアイピースの大きな欠点ですね。
覗いても目の前に天体が現れない。困ったことに瞳を合わせようとすればするほど、見えないと言う経験を幾度となくしました。星を見るにあたりこれほどフラストレーションの溜まることはありません。観望会で、ましてあまり望遠鏡を覗く機会のない人々に天体を見せる場合は、これが大きなネックになると私も思います。
ひとつ、これは私だけかもしれませんが、おかしな事にこのブラックアウト現象、同じアイピースでも日によって起こりやすい日とそうでもない日があるように感じます。体調が原因なのか、観望姿勢などによるものか、それとも私が変わっているのかはわかりませんが、これは不思議です。
オーナー様
数年前知人にズームアイピースを買うことを相談したところ、「やめたほうがいい」と言われたのですが、結局その意見を無視して購入しました。
今ではこのアイピース以外ほとんど使っていません。
欠点を言えば重すぎて私の鏡筒にはバランスが悪いという所です。
はるまき さま
コメントありがとうございます。
古い天文マニアの中にはそういう方が少なからずいるかも知れません。
確かに昔のズーム式望遠鏡というのはかなりがっかりなものが多かったからだと思います。
昔はコーティングのレベルが低いのでレンズ枚数を多くするとコントラストの悪化やゴーストなどを避けることができなかったので、古典的な接眼レンズに較べレンズの枚数が多いズームアイピースはどうしても見え味の悪いものしかできなかったのです。
カメラのレンズもズームが出始めの頃はあまり歓迎されませんでしたが、現在はズームじゃないものを探す方が難しいです。
これはレンズの設計技術が向上したのと、コーティング技術が劇的に改善されているためと考えられます。
そんなわけで昔の先入観に凝り固まった方は未だにズームアイピースに拒否反応を示します。
もちろん単焦点に較べると欠点はあるのですが、お気楽な観察レベルではこれほど便利なものはないと思います。
シームレスに好きな倍率が選べるのは、観察会や惑星観測では大きなアドバンテージだと思います。