今日も良い天気
冬なので晴れが基調なのは当然なのかも知れませんが、例年の冬はこんなに雲がないのが普通です。
さてポルタシリーズ、今日は番外編、ポルタに角度目盛を着ける です。
ポルタの教科書 番外編2「ポルタに角度目盛を着ける」
番外1でポルタのカスタマイズについて紹介していますが、その時に紹介しなかった方位・高度の角度目盛について紹介します。
昔々の経緯台には測量用望遠鏡ほど高精度でないにしても方位・高度を示す目盛の付いているものが多くありました。
ただ当時からこの目盛ってどういうときに使うのか、私自身は全く理解しないまま最近まで過ごしてきました。
赤道儀には(簡易的なものは別として)基本目盛環が付いていて、天体の導入などに活用できるようになっていますが、経緯台に目盛が付いていてもあまり活用できないと思い込んでいたのです。
でもスマホの時代になって、リアルタイムに見えている星の様々な情報が見られるようになりました。(下はSkySafariというアプリです。英語ですがかなり高機能なアプリです。)
上で三つ星のアルタニクをタップし、さらに「i」をタップすると、情報が表示されます。
黄線で囲んだ数字が真北から東回りで計った方位角と、地平から計った高度です。
昔はリアルタイムでこの数字を求めることが手軽にできなかったのですが、これができるとファインダーで見えないような天体(例えばアルタニクの近くになるM78)の情報と見比べて、その差の角度ぶん望遠鏡の向きを変えてあげれば良くなります。
上の例で行くとアルタニクは H:169°10′ V:51°40’、M78は H:166°12′ V:53°22’ですから、東方向に約3度、上方高に約1.5度、アルタニクから望遠鏡を振ればM78を視野内に導入することができます。
ファインダーで見えなくても目盛があれば導入できそうなこともあるのです。(このくらいの角度だと目盛がなくても導入可能ですが、後ほど紹介します。)
というわけでポルタに角度目盛を付けることにしました。
用意したのはこちら。
100円ショップのマスキングテープ(無地でも良いが薄い目盛付にしました)とファンシーステッカー(小さな星がたくさん着いたシール)です。
架台の下の部分にマスキングテープをぐるりと貼ります。(テンション調整用ねじ穴部分は避けて貼りました。)
水平微動軸の根本あたりに見印となる星マークを貼ります。
どこからスタートさせても良いのですが、基準になるところから目盛を付け始めます。
ポルタの微動は微動ハンドルを1回転させると3度ほど廻るので2回転させるごとに目盛を書きます。(=6度ひと目盛になるので5目盛(30°)ごとに大きな目盛にします。)
できるだけ広い範囲で角度が読み取れるように、グリグリ回すごとに目盛を付けます。
上下方向も同じですが、こちらは0度~90度までで良いので、架台が水平で鏡筒も水平方向に向いていることを水準器などで確認してから0度を決めて目盛を付けます。
合わせて微動ハンドルにもマーキングシールを貼り、手探りでどのくらい回したかわかるようにします。
1回転3度と覚えておくと目盛を見なくても、すぐ近くの天体なら導入可能になります。
ひと目盛が6度というのはかなりアバウトな気がしますが、このくらいの荒さでも目分量で1~1.5°くらいの精度で位置決めができまるので、望遠鏡側をできるだけ低倍率にしておくと、わりと簡単にファインダーで見えない天体を導入できるようになります。
実際にいろいろ試してみました。
少し練習が必要ですが慣れると予想外に簡単でしたよ。