双眼鏡で星空を楽しむ -その1-

八ヶ岳高原大橋(黄色い橋)の周辺もいつの間にかしっかり緑になりました。

 

新シリーズ「双眼鏡で星空を楽しむ」です。

いきなり本題に入りたいのは山々なのですが、なぜこのシリーズを半ば衝動的に
始めたくなったのか(昨日も少し書いたのですが)少し詳しく説明したいと思います。

よく双眼鏡は天文趣味の入門用に向いているとか、人によっては望遠鏡を買う
前に双眼鏡を買ったほうがよいなどと奨めることがあります。

でも私個人としては、この考え方にはあまり賛成できないでいます。

これにはいくつか理由があるのですが、まず第一には、

双眼鏡と望遠鏡というのは(光学的には似たようなものですが)世界が全く別だと
思います。(倍率の高い双眼鏡と、倍率の低い望遠鏡とでは被る部分もありますが、
ここでは原則として双眼鏡は10倍前後以下の低倍率、望遠鏡は30倍以上の
高倍率を担当する機器だという定義で話を進めます。)

月のクレーター土星の輪が見たいと思っている人にとって、双眼鏡というのは
何とも物足りないものに思えるのではないかと思います。

第2の理由として、双眼鏡で星を見るのにどんな機種がよいとか、どんな
アクセサリーを使ったら良いとか(反省・・)といったハード解説は、書籍に
しても、ネット上にしてもそこそこ充実していて多く見つけることができる
のですが、具体的に「何を見て楽しむか?」といったソフトの部分が圧倒的に
不足しているように思えるからです。

入門用の星空観察の本を見ると「○○は双眼鏡でも存在がわかる」とか、
「××は双眼鏡では厳しい・・」といったような表現が多く、双眼鏡を推奨
するわりには双眼鏡で楽しめる天体の紹介はごくわずかです。
(いろいろ紹介しなければならないので、どうしてもオマケ的内容になって
しまうのかも知れません。)

初心者向けといわれるメシエ天体も双眼鏡ではほとんどが存在がかろうじて
分かるというレベルで、楽しめるレベルの天体は本当に限られています。

星のあまり見えない都会ではほとんど見える天体がなく、星座を見つける
補助的な使い道しかないことが多いのではないかと思います。

ろくに見られるものがないのに「入門には双眼鏡!」などと無責任なことは
したくないというのが本音です。

先日、知人と話をしていたときのこと「スタパにはたくさん双眼鏡があるけど
何を見ているんですか?」と聞かれて、ハタと返答に困ってしまいました。

私自身、望遠鏡と同じくらい双眼鏡とのつきあいも長いのですが、双眼鏡で
じっくり星を眺めて楽しむという行為をしたのは、そうたくさんはないのです。

どちらかというと望遠鏡で観測するときの確認用というか、補助的な使い方が
ほとんどで、積極的に「双眼鏡で楽しむ」という使い方はほとんどしたことが
ないです。(皆無ではないのですが腰を据えてみることは少ないです。)

双眼鏡は手持ちで使われることが多いので、望遠鏡のように固定されないので
順番に同じ天体を見て感想を共有するのが難しいこともあり、ソフトの部分が
伝承しづらいという傾向もあると思いますが、双眼鏡で見たい天体がたくさん
思い浮かばないのもそうなってしまう理由の一つだと思います。

スタパの星空観察会では40cm望遠鏡でできるだけ7個以上(できれば10個以上
が目標ですが)の天体を見ていただくようにしています。

10個くらいの天体を次々に見ると自分でもなんとなく満足した感じになって、
楽しんだという気持ちが残るような気がします。

双眼鏡でも楽しめる天体が季節ごとに10個くらいあると、双眼鏡を空に向ける
のが楽しくなってくるのではないかと思います。

そんなわけで双眼鏡で見て楽しい星空の名所をさがせたら、それをこのブログ
上で紹介できたら楽しいのではないかと考えこのシリーズをスタートしました。

本当にそんなにたくさん紹介できるのか、どんなものを紹介したらよいのか
まだ何も考えていないのにスタートしてしまったので、不安はかなりあるの
ですが、新しい形の楽しみ方が提案できればと思っています。

どうか気長にお付き合い下さい。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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