2-1.ガリレオ式双眼鏡

基本的には400年前にガリレオが宇宙を観察した望遠鏡と同じ光学系の望遠鏡を2個並べて双眼鏡にしたものです。

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ガリレオ式光学系

オモチャレベルのものから、光学系にかなり工夫を凝らした数万円レベルのものまでありますが、総じて低倍率のものが主流です。

これはガリレオ式の実視界が倍率の2乗に比例して狭くなる特性があるためです。

倍率が高くなると途端に視野が狭くなって使いづらくなるのですが、2倍くらいの場合は入射角や反射角の制約がいろいろ面倒なプリズムを介さないで良いので、対物レンズを大きくしてあげるととても広い実視界が得られるのです。

基本的な光学系が単純なので、コンパクトで軽く、丁寧に作られたものであれば像がスッキリしています。

ですから2~3倍の低倍率であればプリズム式よりもメリットが出やすいです。

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2倍くらいの双眼鏡というのは慣れない人が覗いた時に、倍率が掛かっていないと錯覚を起こすほど大きく見えた気がしません。

でも肉眼で見るより確実に細かいところまで見えるようになるし、星を見たときには星の数が格段に多く感じられます。(理論的には5倍くらいの数になります。)

最近では「テレコンビノ」と呼ばれるカメラ用のフロントコンバージョンレンズ(カメラのレンズの前に着けて焦点距離を延ばすレンズですが、光学的にはガリレオ式の望遠鏡そのものです)を2個並べて双眼鏡にしてしまうというものが売られていたりします。
(上の写真の上段のもの)

肉眼の延長上というか、眼をドーピングした感じであまり覗くという感じにストレス無しに星空を楽しむことができます。