今日は雨のち晴れ。
夜は晴れたり曇ったりでしたが、月は何とか撮れました。
さてSeestar-S50のレビューの続きです。
前回紹介したようにSeestar-S50では10秒の露光を繰り返し重ねて行くことにより画像のクオリティーを向上させる方式をとっています。
このため各種天体の写り方の傾向として、
・淡い天体ではガンマ値(=感度)を高くしないと見えてこない
→ 画像が荒れる → たくさんスタックしてノイズを消す
・星団系では星が点像でガンマ値を上げなくても写りやすい
→ ノイズが少ない → 少ないスタックでも綺麗に写る
という特性があります。
なので、銀河や星雲など淡い天体を対象とする場合にはどのくらいのスタックで撮影を止めるか悩ましいところで
・たくさん色々な天体を見たい場合にはスタックを短時間で切り上げ
ノイズの多い画像で我慢する
・綺麗な画像を残したい場合にはたくさん天体を観察するのをあきらめ
各天体毎に長時間(20分以上)スタックを続ける
実際にはタブレットやスマホの画面上にモニターされる画像を調整しながら納得の行くところを見つけながらスタックをストップすることになると思います。
Seestar-S50を用いて秋から冬にかけての星雲星団の幾つかを撮影したので、スタパの空ではこんな感じに写るという作例として紹介したいと思います。
以下はタブレットに保存された撮って出しの画像です。
(Seestar-S50の内部にはRAWデータ(fit画像)が保存されていて丁寧に処理すればもう少し綺麗な画像になるかも知れませんがとりあえず・・・)
まずはみんな大好きオリオン大星雲M42です。
明るい星雲な上に21分(128スタック)の長時間露光なのでかなり綺麗に写りました。
次はオリオン座の散光星雲、超有名な馬頭星雲です。
13分の露光ですが暗い星雲なので少しノイズがあります。
明るい星の周りにシャボン玉のようにハロが出ていますが、この光学系の特性のようです。
次は馬頭星雲のとなりにある燃える木星雲NGC2024とのセット
燃える木星雲は馬頭星雲周りの星雲より明るいのでガンマ値を下げても星雲が分かるのでノイジーな感じが少なくなります。
次はケフェウス座のNGC7380(通称魔法使い星雲)です。
たいへん淡い星雲なので星に埋もれている感じです。
銀河の中の淡い星雲は恒星ばかり目立っててしまうようです。
下は前にも掲載しましたが、みずがめ座の惑星状星雲NGC7293(通称らせん星雲)です。
惑星状星雲の中では見かけ上最大ですが、たいへん淡く肉眼ではあまり良く見えない対象なのに見事に色まで写しだしてくれています。
本日最後はおうし座の超新星残骸カニ星雲(M1)です。
小さいので細かいところは今ひとつですが、星雲内のモヤモヤも何となく分かり、ほんのり色が着いています。