「反射望遠鏡の副鏡は邪魔ではないのか?」の続き その4(完)

今日は基本晴れで、午後には雲が多くなりましたが夜は良く晴れてくれました

夕刻には驚くほど高く明るい金星が目を引きます

今週末には今シーズンの最大光輝となりマイナス4.9等星の明るさになります

ぜひ夕空にひときわ明るく輝く金星を見つけてください

さて「反射望遠鏡で副鏡の邪魔かどうか」のまとめです

結論として、副鏡の影が気になる要因として
・明るいときは邪魔に感じることが多く
・暗いときには気になりにくい

という状況から「射出瞳内にある副鏡の影の径」と「瞳孔径(眼の順応状態)」が
大きく関係していて、

昼間のように明るい対象で瞳孔が小さく絞られてしまう場合は「射出瞳内にある副鏡の影の径」が1mm未満になるようにしないと影の存在を感じてしまうようです

スタパでは40cm望遠鏡で月を見るとき40mmの接眼レンズを用いて視野いっぱいにしてご覧頂くのですが、満月前後では影がうるさく感じることがあります
(射出瞳内の副鏡の影の径は1.2mm)

この場合アイポイントの位置により影が移動したり見えなくなることもあって、ギリギリごまかしながら使っているという感じです

この接眼レンズで月以外の天体を夜に見る場合に「影」の影響を感じることはほぼ皆無です

ところで「射出瞳内にある副鏡の影の径」は望遠鏡の口径にかかわらず単純に

射出瞳内にある副鏡の影の径 = 副鏡径(mm) ÷ 倍率

で求めることができます

この計算で「影」の径が1mmを越えるときに、口径や倍率にかかわらず、明るい対象では「影」が邪魔をすることがあり、「影」が大きくなるほどその影響も大きくなるというのが結論になります

中央遮蔽の無い屈折望遠鏡では「影」は発生しないため、射出瞳が最低有効倍率の7mmを越えることがあっても見えにくくなる弊害は発生しません

このことから昼間に使用する低倍率の望遠鏡は反射式より屈折望遠鏡が優れているといえます(完)

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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