今日は日中曇りがち、夕方少し雲が切れて月が見えましたが、その後また曇ってしまいました
雲間の月を愛でようと先日組み上げたファミスコ60改(D62/f400mm)をAZ-EQ AVANTに載せた赤道儀バージョンを持ち出しましたが、シーイングは最悪でまともに見えませんでした
月の写真も寝ぼけた感じがするのはそのせいです
さて今日のお題ですが、長引く円安の影響もあるのでしょうがコロナ以降の物価上昇に連動して望遠鏡の価格が急激に高くなっているように感じます
スタパでは従来から超初心者向けとして安心してお奨めできる製品としてスコープテック社のラプトル・アトラスシリーズは以前からジワジワ価格改定が行われてきて、当初と比べるとかなり高くなっています
でもここ1年くらいの他社の価格上昇を見ると、これがまだ可愛く見えてしまうのです
大人がある程度本気で星見趣味を始めるに当り購入する望遠鏡としてスタパがお奨めしていたのがビクセンの「ポルタⅡ-A80Mf」でした(下はポルタA80Mf)
実売5万円弱で入手できたのですが、ここしばらく品薄になって定価でも変えない状態が続いていました
最近になって「ポルタII-AE81M」へとモデルチェンジの告知がありました
小売価格が80300円(税込み)と口径が1mm増えただけですが約1.5倍の価格改定となりました
まだ市場に出回っていないので実売が幾らくらいになるか不明ですが、あまり気楽にお奨めできない金額になってしまうような気がします
ポルタは一例に過ぎませんが、ビクセン以外の海外メーカー製品でもある程度しっかりしたものはかなり高額になっているように思います
より高性能で、多様化している影響もあると思うのですが、ちょっと良いもので揃えようと思ったら乗用車が買えてしまうくらいの出費になりかねません
わりと高級志向に振れているせいで、初心者向けの低価格帯の望遠鏡が少しおざなりになっている感じがするのです
そして困ったことにその低価格帯のあたりに「これは明らかに粗悪品だろう」と思われる製品が大々的にネット上で販売されているのです
望遠鏡の場合、粗悪品であっても命に関わることはないですし、ほとんどの人が性能を評価できるほどスキルを持っていません(スキルを持った人は粗悪品に手を出しません)
それに売るほうも粗悪品という意識(知識?)がないままに販売しているのが現状かも知れません
望遠鏡が高価になった弊害のひとつであるように思います
ここのところミニスコでいろいろ遊んでいるのは実は安くて良い商品(=お奨めできる商品)はどんなものかを模索するためだったりします・・・
ちゃんとした望遠鏡の価格が上がってしまうのは仕方ないとして、その一方で、ホームセンターで売られている倍率を売り文句にした製品が値ごろだけに悩ましい問題になりそうですね・・
10年ほど前に、知人が小学生の娘さんにそういう望遠鏡を買っていたので、せめてアイピースだけでも、と、2つほどツァイスサイズの谷OrとTS Orのアイピースをあげたのですが(すこしはまともに見られるようになりました)、やはり興味は持続せず、でした・・
市販品が高ければ、自作すればいいじゃない!の方向になれば、とも思いましたが、そもそもが、EdmundOpticsの回折限界アクロマティックレンズも高価だったか・・
今は、自作も難しいかなぁー・・
アリエクとか見ると、対物レンズもいろいろとありそうですが・・
ポチるにはちょっと勇気いりそうですね(Amazonほど気軽にポチれない・・)
オーナー様のおっしゃる通り、確かにとても高くなりましたね。
私的には特に海外製のシュミカセが、円安の影響もあり短期間で一気に数年前の2倍以上に跳ね上がってしまいました。これが一番衝撃ですね。
初心者用のスコープテックの屈折望遠鏡も、確かに値上がりましたが、当初の値段設定が非常に安かったので、実値としてはまだ影響が少ないかもしれません。これは本当に性能は折り紙付きです。欲を言えばアイピースの強化ですかね。アイピースを31、7mm径のプルーセルあたりに変えれば盤石です。ラプトル60以上であれば、31、7mmの接眼部が使えますので、後から買い足すと言う手もあります。私は、星を初めて55年たった現在でも、ラプトル60を準主力望遠鏡として使い続けています。
あと、中国製某メーカーのニュートンも、販売された当初よりは多少上がっていますが、非常にコスパが良いものがあります。初心者ならば15cnF8のドブソニアンとか、良いかもしれません。ドブソニアンは、一般的な架台や三脚が省けるので、全体として安価に購入できるところが良いですね。このメーカーのニュートン、私が以前15cmF5の鏡筒を使った経験から言えば鏡面精度は非常に高いと思います。
初心者にニュートン反射はいかがなものかと言う意見もよく聞かれますが、意外といけるものです。私も初心者のときいきなり日野金属の8、5cmF10のニュートン反射を使いました。あの頃のニュートンは、主鏡に中心点表示もなく、アイピースを外した接眼部から中を覗いて、瞳の中心を合わせると言うかなり大雑把な光軸調整でしたが、それでもF10だった事もあってか惑星はとてもよく見えました。今のニュートン、主鏡中心点はほぼ全機種打ってありますし、コリメーションアイピースを使った光軸調整法がYouTubeで紹介されていますので、初心者でも十分使いこなせると思います。
まあ、それでもニュートンは屈折に比べれば一年に一度くらいは主鏡を外して鏡面の埃を清掃する必要があります。そしてその度に光軸調整をしなければならず、屈折に比べてどうしても煩わしさはあります。それで嫌になってしまう方もいるでしょう。
それを考えたとき、やはり初心者向けとしては性能がまともな、粗悪品でない屈折鏡筒が最有力となるのは無理もありません。
とにかく今の日本のコストプッシュインフレがいつ治るのか、これが治ってくれるのを期待するしかないようですね。
UTOさま
初心者にとって望遠鏡選びというのはとても難しいものだと思います
たとえあたりを引いても使いこなせるようになるとか、天文趣味を継続できるかという話になると、それぞれの適性というか相性みたいなものがうまく噛み合わないとだめなような気がしています
野球用のグローブを買ってもらって(自分で買って)一生野球が続けれれるかどうかと同じようなもので、グローブを買ったみんなが野球趣味にならなず、サッカーやテニスに流れたり天文趣味に走ったり・・・
自作となると望遠鏡選び以上に難易度が上がる気がします
昔は市場に無いから造る、お金が無いから作るというのがある程度当たり前でしたが、出来上がりのクオリティーを考えると買ったほうが安いというのが実情かなと思います
中華通販を見ていると余計にそういう気になります(こんなものがあったらなぁ、というような品物が普通に売っていたりしますので・・・)
まあ命にかかわらない望遠鏡という商品にはどこまで行っても「粗悪品」とのいたちごっこなのかも知れません
といって諦めてはいけないととは思うのですけれどね・・・
小澤さま
望遠鏡を購入してうまく使いこなせるようになるかは、もちろん良い製品に出会えるがどうかも重要ですが、その製品がその人と相性の良いものであるかどうかも重要だと思います
機械いじりが好きな人ならニュートン式も楽しみながら使えるかもしれないですが、機械音痴の人にニュートン式を与えたら却って天文への興味が薄れそうな気がします
そういった意味で選択肢が多いのは良いことなのですが、ほとんどの人が正しい評価ができないジャンルなのに詐欺まがいの粗悪品が堂々と販売されているのが残念でならないです
ほかでも書きましたが粗悪品とのイタチごっこは永遠に続くのかも知れません・・・
オーナー様、
実は私も最初は格安のおもちゃのような望遠鏡を買いました。ほとんどまともに見えませんでしたが、次に買った望遠鏡は、まともなものでした。
もし初めて買ったものが粗悪品だった場合、次にまともな望遠鏡を買おうとするか、それで嫌になってやめるか、ここが分岐点になると思います。星を見たいと言う情熱がどこまであるかということが重要です。これは人によりますね。
大事なことは、粗悪品に負けずに良心的なメーカーがまともな望遠鏡をずっと供給し続けることではないかと思います。粗悪望遠鏡が市場を席巻するようになったら終わりですね。幸いなことに今はまだ良い製品が出回っています。できれば、良い製品が粗悪品を駆逐する勢いで増えてゆけば良いのですが、昔と違って天文人口が減ってきているのが残念です。
小澤さま
全くその通りですね
良心的なメーカーには粗悪品を駆逐できるように頑張っていただくと共に、私たちのようにある程度スキルのある人間が応援したり、声を大にして粗悪品の注意喚起をして行く必要があるのではないかと思います