Pico-8 vs アトラス60

今日は良い天気。

久々に星景写真を撮ったり、月の写真を撮ったりしつつ、望遠鏡のテイスティングを楽しみました。(月は気流が悪くメロメロでしたが・・)

先日(11/2)の記事でSkyWatcherの小型赤道儀AZ-EQ AVANTを80mmマクカセのPico-8用に最適化したのに、実天で使い勝手を試してみていなかったので試してみることにしました。

「口径80mm合戦」で屈折勢や100mmニュートン反射に全く太刀打ちできなかったので、スタパでは60mm屈折の代表選手であるスコープテック社のアトラス60(D60mm/f800mm)と比較してみました。(ベースの比較用としてポルタA80Mfとも比較します。)

Pico-8は明るい月や惑星ではポルタA80Mfと比較して色収差がない分結構健闘していたのですが、集光力の面ではかなり不足を感じました。

またアトラス60は口径60mmなので当然集光力は80mm屈折に及ばないのですが、口径比がポルタA80Mfより大きいので色収差が少なくスッキリ見えるので、Pico-8同様明るい月・惑星では結構健闘します。(=ポルタA80Mfにかなり近い見え方)

一方、オリオン大星雲を見るとポルタA80Mfは他の2機種に較べ星雲の広がりが一段階違って見えます。

また星雲中心部のトラペジウム(4重星)はポルタA80Mfは4個がはっきり見えるのに、Pico-8、アトラス60では4個目が逸らし目をしないと見えないという違いがあります。

いろいろ見ていて気付いたのですが、いずれも同じ天頂プリズムと接眼レンズを用いて見比べているのですが、Pico-8はアトラス60と同じ焦点距離のはずですがどう見てもポルタA80Mf(f910mm)より大きく見えます。

Pico-8の場合天頂プリズムを使わないときの焦点位置で所定の焦点距離になる設計で、筒外焦点を長く取ると焦点距離が長くなってしまうようです。

この辺を理解したうえで倍率を調整しながら使用すると、Pico-8の性能は60mm屈折とほぼ同レベルであると言って良いようです。

Pico-8はたいへん鏡筒が短くコンパクトなこともあり、架台や三脚がかなり華奢なわりには風や手で触れたときのブレの影響が少なく、その収束も早いです。

口径80mmの性能を期待すると残念な気がしますが、60mmの屈折と同等の見え方で、それよりも遙かにコンパクトで運用が楽な事を考えれば、とても楽しい望遠鏡であると思います。

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Pico-8 vs アトラス60 への5件のフィードバック

  1. 小澤利晴 のコメント:

    オーナー様、
    とても興味深い比較ですね。
    私も以前pico8を使ったことがあります。そして今はアトラス60とラプトル60を使っております。
    pico8については実はあまり高倍率で使ったことはなく、惑星に関しては印象に残っておりませんが、アトラス60はよくみえますね。木星の衝の時期、シーイングが絶好の時に6mmアイピース133倍で見た時のシャープさ、解像力には驚かされるものがありました。
    加えて、同じアイピースで同じ日にラプトル60で5mmアイピース、140倍で見ても、木星の模様がほぼ同じ解像度で見えます。これにも感動させていただきました。

    今回、オーナー様の比較記事を読んで、改めてpico8の良さがわかりました。このコンパクトさで6cm屈折と同等ならば、十分ですね。pico8、もっと使い込めば良かったと後悔しております。

    カセグレン系と屈折との比較はとても有意義だと思います。
    木星を200倍くらいで見る場合、、たとえば18cmマクストフカセグレンや、C11と同等の解像力を持つ屈折は一体どれくらいの口径のものにあたるか、なおかつアクロマート、アポクロマートなど条件を変えてゆくとどのようになるかなど、興味はつきません。

  2. 小澤利晴 のコメント:

    ちょっと言葉不足なところがありましたので付け加えさせていただきます。
    アトラス60とラプトル60は、オリジナルの架台三脚は用いておりません。他の屈強な架台(ユーハン工業のTマウント経緯台)に鏡筒バンドを介して搭載し、微動ハンドルで追尾しながら高倍率観望を行っております。

    アトラス、ラプトルのメーカーであるスコープテックではこれら鏡筒に適合するアリガタプレートのついた鏡筒バンドがオプションで売られています。きっとこのような使い方を想定した上で販売してくれているのだと思います。これは非常にユーザーとしてはとてもありがたいことです。

  3. スタパオーナー のコメント:

    小澤さま
    いつも興味深いお話しをありがとうございます。
    (少しバタバタしていてレスが遅れました。)
    より良く見るためには架台も重要ですね。
    Pico-8だと鏡筒が短いのでラプトル60の鏡筒以上に架台がプアでもモーメントが小さいので充分使えるというメリットがあります。
    口径にこだわると残念な気持ちになるのですが、取り回しの良さと見え味を総合的に考えるならPico-8は「有り」な鏡筒だと思います。
    残念がら絶版となっていますが同仕様のルマック型が他社から発売されそうなうわさがあり少し気になっています。

  4. 小澤利晴 のコメント:

    オーナー様、確かに、piko 8のようなコンパクトさがあれば、架台を選ばないという大きな利点がありますね。
    おお、ルマック型ですか。これはとても興味深いですね。出たら無意識でポチる衝動を抑えられるかどうか、そこが問題です。

  5. スタパオーナー のコメント:

    小澤さま
    先日の小海の星フェスの時に趣味人さんのブースに同機の光軸ズレジャンクがたくさん置いてありました。
    もう少しで購入してしまいそうになりましたが、完全にPico-8と被るので思いとどまりました・・・

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