今日は終日雨模様。
少し間が開いたのですがスタパにある80mmクラスの望遠鏡で見え方比較をした続きです。
今回のエントリーは前回同様標準機としてポルタA80Mfを用い以下のラインナップです。
①:ビクセン ポルタA80Mf(D80mm/f910mmアクロマート、ポルタ式経緯台)
②:ミザール 短焦点鏡筒(D80mm/f400mmアクロマート)
③:某社試作機 D80mm/f800mm2枚玉EDアポクロマート
④:ビクセン旧製品 A80M(D80mm/f910mmアクロマート、旧タイプ総金属鏡筒)
②を除きわりと仕様の近い鏡筒での比較です。
②はF5の短焦点のため他の鏡筒と比較するのは少し無理がありますが、低倍率が出しやすいのでフィールドスコープ的に使うなら充分楽しめます。
月や惑星も色収差は出ますがとりあえずは見えます。
お気楽観察ならこれでも良いかな・・? と思うのですが、やはり他の3機種と見比べてしますと明らかに見え味が劣ります。
古い製品にありがちなのですが天頂ミラーを用いるとドロチューブによるケラレ(口径食)が生じ口径が実質70mm未満になってしまい、他の機種よりも暗く見えていました。
(ケラレた分シャープさが向上するという効果はあるのですが・・・)
取り回しの良さを加味しても(個人的には)出番が少なさそうな気がします。
③はアポ鏡筒だけあって惑星の見え方が明らかに一段クリアに見えます。
散開星団なども星像が鋭いのでより暗い星まで見えているような気がします。
①・④のアクロマート機よりも焦点距離が100mm短く、フードが伸縮式なので搬送や取り回しも良いです。
価格差分の価値はそれなりに発揮していると思います。
今回少し意外だったのは④の見え味の良さ。
①と同仕様ながらスタパに来たときはボロボロ・ドロドロのジャンクでレストアしても古い単層コーティングがハゲハゲのままで小傷も多いです。
レストアした後あまり真面目に使っていなかったのですが、今回改めていろいろな天体を見たら、少なくとも惑星に関してはどう見ても①より良く見えますし、それ以外の天体でも見え味にほとんど差がありません。
たまたまの個体差か製作国の違いかはわかりませんが、古い製品でも充分使えることが分かって少し得をした気分です。(ちなみに④は赤道儀、三脚など一式5千円以下で入手したので・・・)
いつも、楽しく拝見しています
EDレンズのF10ですと、かなり、シャープな見え味ですか?
佐藤さま
このED80mm/F10鏡筒は最終的に発売されなかった某社の試作品です。
ただしほぼ同等品は笠井トレーディングから発売されています。
オハラFD53の正レンズにランタン系の負レンズを組合わせた高性能アポクロマートです。
F9で原理的に性能をクリアできるのに余裕を持たせてF10とした設計です。
正直なところこれで見てしまうとアクロマート機を使う気が失せるほどとても気持ちのよい見え味です。