今日も良い天気だったので、恒例のタイヤ交換をしました。
最近はおかみも手慣れたもので、2人で2台の交換に(段取時間も含め)1時間ちょっとで完了しました。
さて超広角双眼鏡の続き、これまでの話で実視界(FOV)は記載しましたが見かけ視界についてあまり詳しく書いていません。
実は見かけ視界ついてはJISの表記方法が変わり、従来の
見かけ視界 = 倍率 × 実視界
という簡単な計算方式から
見かけ視界 = 2×ATAN(倍率×TAN(実視界/2))
という少し難しい計算をしないと算出できない方式に変わっています。
物理的には確かに新JISが正しいのかも知れないのですが、体感的には旧JISの方がそれらしく感じますし、何より簡単に見かけ視界の大小を比較できるのでどうしても新JISになじめていません。
更にガリレオ式望遠鏡の見かけ視界について語り出すととても私の手に負えなくなる部分もあります。(ケプラー式の場合、覗く目の位置(アイポイント)を変えても見えている視界は変わりませんが、ガリレオ式では接眼レンズに目を近づけるほど広い範囲が見えるようになったり、目を上下左右に瞳の位置を振ることにより定位置で見たときより外側が見えるという現象が起こり計算通りに行かない事が多いです。)
そんなわけでついつい見かけ視界についてのお話しが後回しになっていましたが、ここではあえて旧JISで③~⑥のスペックを比較します。
③:4×22 FOV17.1°(見かけ68.4°)
④:3.8×21 FOV18.8°(見かけ71.4°)
⑤:5×25 FOV15.5°(見かけ77.5°)
⑥:7×32 FOV13.1°(見かけ91.7°)
③にやや曇りがあるのを別にしても④と較べて見劣りがしたのは見かけ視界の違いが効いているように思います。
見かけ視界の数値では⑥が90°以上で圧倒的な広さを誇ります。
倍率7倍野割に実視界が広く、ググッと迫る没入感はかなりの迫力です。
この機種もメガネ使用には不向きですが広角の接眼レンズにありがちなブラックアウトがほとんど無く覗きやすいです。
優等生の日の出光学のB2(6×30,FOV8.5°)と比較すると、抜けは悪いし、解像度も低いし、微光星の見え方も劣り、色収差もはっきり差が分かります。
昼間だとあまり見比べたく無くなるほどです。
でも一望できる視界の広さは(先日も紹介しましたが)全く別世界で、見劣りしている部分を許して余りある気になります。
⑥の方が倍率が高いのに手ぶれを感じにくい気がします。
星を観測するならB2、星空を楽しむなら⑥といった感じでしょうか・・・
双眼鏡や望遠鏡の見え方や使い勝手に関する受け止め方は人それぞれで、これが正解と言う答えは無いと思っています。(好きな車や服装、好みのラーメンを選ぶのと同じです。)
良く見える双眼鏡を選ぶのは正道ですが、(自分が)楽しく使える双眼鏡を選ぶという視点も有では?と思うのです。
オーナー様
全く同感の意見です。
天体は大きさ(視直径)がさまざまなので、それぞれに合った機材があると思うのですが、光学性能や倍率のことばかりクローズアップされて肝心のその機材で何が見えるかに対してあまり触れられていないように感じます。(入門用の機器では対象を導入するための機構などもプアな傾向がありますし)
私は光学性能が落ちてもズームで視界の広さを自由に変えられる機材(双眼鏡ではありませんが)が楽しく使えました。
双眼鏡は馬力で星がたくさん見える15☓70の安い機材や、手ブレがなくなり星が浮かび上がる42L ISが楽しいです。(キャラが全く違いますが)
T-Studioさま
何が楽しいかは人それぞれの感性により変わるので選択の指標としては光学性能や倍率などを頼りにせざるを得ない面もあると思います。
でもやはりその機器を用いて楽しいかどうかは、(性能やスペック以上に)とても重要な切り口だと思っています。
マニア的な観点だと、ついコーティングの透過率とかフレアやゴーストの大小、周辺像の善し悪しなど使い方によってはほとんど問題にならないような細かいところの評価が重視されがちです。
評論家を目指すわけでも修行をするわけでも無いので楽しいのが一番という観点も有りと思うようになりました。
私も80mmのフィールドスコープで20倍から60倍のズーム観察を楽しんでいます。
オリオン星雲を20倍で導入してズームして行くとだんだんコントラストが高くなって星雲の構造がはっきりして行く様子が分かり、60倍まで上がるとトラペジウムが分離して見えだすという状態に鳥肌が立った事があり、それ以来「ズーム大好き」になりました。
15×70は見える星の数が圧倒的に多くなるので楽しいですね。