クマ、くま、熊!

 清里のキープ協会と八ヶ岳自然クラブの「熊と共存するための基礎講座」という勉強会に参加してきました。軽井沢で熊の保護と生態研究をしているピッキオのメンバーの講演とフィールドでの熊対策の実演など内容の濃いものでした。

八ヶ岳には元々ほとんど熊が生息しておらず(ゼロではない)、それほど被害が出ていないので安心していたのですが、昨年は熊の目撃情報が多かったことから、問題が発生する前に勉強しておこうと言うのが趣旨です。
昨年は全国で例年の倍近い4,500頭もの熊が駆除されたとのことです。山奥で何があったのか謎なのですが、例年以上に多くの熊が人里に下りて悪さをしたことも事実のようですが、神経質になりすぎて悪さをしていない熊まで必要以上に殺されているようです。

 それでも熊の監視体制が行き届いている軽井沢では、20頭以上捕獲して殺したのはまた悪さを繰り返す疑いの強い1頭のみだったそうです。(写真はその熊の毛皮)
話を聞けば何のことはない、結局人間の放置したゴミを漁るようになった熊が人里に居つき、人を恐れなくなって衝突が起こるというストーリーのようです。特に軽井沢の場合、夏に人口の20倍の観光客や別荘族が訪れ、持ち帰らずに置いてゆくゴミが処理しきれず、熊の餌付けをしたことになったようです。
結局悪いのは人間で、無知と傲慢が生態系の崩壊を加速させているというところ行き着いてしまうようです。共存のためには熊の数や行動をコントロールする必要がありますが、相当のお金と努力が必要になります。
できるだけ殺さないで山に返せば住民から「生ぬるい、危険だ!」と誹りをうけ、1頭でも殺せば動物愛護団体から糾弾の電話やメールが沢山来るという無知と傲慢との戦いでもある辛い仕事のようです。
野生動物との共存のためにはどんな自然保護対策より、まず何より人間の教育が大切と言う気がしてきました。
動物を擬人化するのは慎むべきと言う話もあったのですが、もし国内で年間4500人もの人間が熊に殺されたら、たぶん人間は熊を絶滅かその一歩手前まで追い込むことでしょう。でも、熊たちは4500の同胞を殺されても、ひたすら狭められた生活圏で生きててゆくしかないということを私たち人間が理解してあげるべきなのではないかと思います。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
カテゴリー: 自然 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください