この夏の星をこれで見る

今日は終日雨模様でした

こう天候の悪い日が続くと、次に晴天に恵まれたらアレをやろうとか、これを見ようとかいろいろ妄想が膨らみます

この妄想があまりこじれるといざ晴れたときにかえって頭の中がワチャワチャとして何をやってよいか判らなくなったりします・・・

6月後半から自動導入経緯台トラバースを活用する方法をいろいろ検討しています

口径6cm屈折だと少し力不足で天体の見えかたが物足りないし、114mmニュートンだと少し重量オーバーなのと高倍率が弱い感じがしています

そこで使おうと思った鏡筒がこちら

SVBONYのスポッティングスコープSA401です

このスコープ口径85mmで倍率が20~60倍のズーム式です

ズーム式の常で低倍率側の見かけ視界がやや狭いですが20倍なので導入にはそれほど苦労しないです

重さも2.3kg(スポットファインダー込みで)ほどでトラバースの積載荷重以下に収まります

個人的に使うときはスコープテックのゼロ経緯台に載せてサクサク見ますが、人に見てもらうとなると自動追尾が欲しくなり、トラバースに載せての運用がベターに思えてきたのです

現状最高倍率が60倍ですがもう少し高い倍率が出せるような手法を検討中です

100倍くらいまで出せるようになれば惑星なども楽しめるようになるのでオールマイティー度合いが強くなるのではないかと考えています

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SVBONYのデジタル接眼レンズSC002を活用する その1

今日も昼間はまあまあの天候でしたが夜は雨です

さて「SVBONYのデジタル接眼レンズSC002」の紹介をして、いろいろ試した結果どうもあまり天体用には向かないかも・・・という結論に私的にはなりました

でもせっかくの機材をこのまま死蔵するのも癪なのでもう少し弄くり廻してみることにしました

実はSVBONYのサイトを見ていてSC002と同じようにWi-Fi接続で使用するカメラが3機種あって、そのうちの1機種に天文用仕様があることに気付きました

天文仕様の機種はSC002とは別のアプリで月や惑星の撮影ができるようになっているようです

オート以外の露光がまともにできないSC002で、もしこの天文用アプリが使用できたら、もう少し応用が効かないかな・・と考えました

グーグルプレイからSvbonyAstroという天体撮影用のアプリをダウンロードしてSC002にWi-Fi接続して起ち上げたところ各種の調整、撮像自体は問題なくできる事がわかりました

純正のアプリSvbonyCamで暗い室内を撮影すると

全く何も写りません

オートを外して明るさを最大にすると

画面が白くなるだけです

SvbonyAstroを起ち上げるといきなりオートで立ち上がり

予想外に写ります

さらにゲインや露光時間などを調整すると

かなり綺麗な写りになります

露光量やゲイン、コントラストなどを調整できるので、上で露光オ-パーになっているスイッチランプなどが適正露光になるようにできます

これができると画面上小さくしか写らずオートだと露光オーバーになってしまう惑星などでも適正露光ができるようになるので活用範囲が格段に広くなるはずです

天候が悪いので実証するのは先になりそうですが、俄然SC002の活用が楽しみになって来ました

まあそれでもSC002は動画撮影が前提の機種のためか最長の露光時間が1/4秒なので、星雲星団の撮影はやはり難しそうではあります

 

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今日も昼間晴れて夜曇る

今日も昼間晴れて夜曇るパターンです

いい加減梅雨が終わりそうで終わらない

明日にかけて台風接近のようですが、台風が梅雨空を吹き飛ばしてくれると嬉しいのですがね・・・

さて上の写真スタパのダイニングからの眺めですが、今年は植栽の手入れが結構うまく夏休みに間に合いました

レッドロビンの植え込みの刈り込み時期がよかったようで綺麗な赤い新芽が生え揃いました

レッドロビンの足元にマリーゴールドを植えたのですが例年より暖かい(暑い?)せいか成長がよくたくさん花がつき始めました

雑草に負けずにどこまで維持できるか悩ましいですが、夏バテしない範囲で景観を維持して行きたいと思っています

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この夏のディープスカイを見る その2

今日も昼間は青空が広がりましたが夜は曇りです

さて今日も「この夏のディープスカイを見る」シリーズ

5cm電視ファインダーとトラーバースによる最安レベルの電視観望セットで撮影した画像とともにメジャーなディープスカイ天体を紹介したいと思います

今日の最初の天体はいて座の散光星雲M8(干潟星雲)です

冬のオリオン大星雲と並ぶ散光星雲の代表存在で、星が産まれつつある大きなガスの塊で、既に光を放射し始めた恒星の紫外線により赤く発光しています

眼視では赤く見えず、星雲より散開星団が目立ちますが条件の良い時は視野全体に薄いベールがかかったように見えます

お次はM8のすぐ上にある散光星雲M20

これも赤い星雲ですが肉眼では淡いベールのように見えます

3つに分断されたように見えるので日本では通称三裂星雲と呼ばれていますが、欧米ではパンジー星雲と呼ばれています(パンジーのほうが粋ですね)

次も散光星雲M16です

長時間露光の写真ではわしが羽を広げたような形に写るのでワシ星雲と呼ばれますが、眼視では「どこがわし・・・?」という感じの淡い星雲です

星雲の中央部に黒い塊(暗黒星雲と呼ばれます)が見えますが、ハッブル宇宙望遠鏡だ撮影した画像ではこの中で星が産まれているということで「創造の柱」などと呼ばれています
(眼視ではよくわからないですが・・・)

さて今日の最後ですが、またまた散光星雲M17です

長時間露光の写真だとギリシア文字のω(オメガ)に見えることからついた名前のようですが、眼視では絶対にオメガには見えません

しいて言うなら上の画像の上下を反転して「水面を行く白鳥」のように見ることができます

星雲系は眼視と画像の見えかたのギャップが大きくて「別物」と思って見たほうがよいかも知れません(続く  予定ですが天候しだい・・・)

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この夏のディープスカイを見る その1

今日もスッキリしない天候で夜は雨です

天候さえ良ければ夜空には夏の天の川、その天の川沿いにはたくさんの星雲星団と呼ばれるディープスカイ天体(太陽系外の深宇宙にある天体の総称)があります

スタパの観察会では40cm望遠鏡を用いてこのディープスカイ天体の生の光をご自分の眼でご覧いただいています

空のコンディションによって見えない日もあるのですが、観察会で定番の天体たちを何回かに分けてスタパで撮影した写真をご覧いただきながら紹介して行きます

ところで肉眼で見る世界と写真とでは、写真のほうが良く写りすぎて全く別ものになることが多いです

そこで今回はできるだけ性能の低い機材で撮影した画像を使うことにします

具体的には・・

通常は望遠鏡の付属品として使われる5cm9倍のファインダースコープを改造した5cm電視ファインダーを簡易型の自動導入経緯台トラバースに載せて短時間(2分程度)で撮影した画像を使います

普通に見かける天体写真よりはかなり写りが悪いですが、それでも眼視で40cm望遠鏡を覗くよりも情報量が多いくらいです

ぜひ自分の眼でディープスカイ天体の生の光をご覧いただきたいです

まずはじめはヘルクレス座の超定番球状星団M13

数十万個の恒星がギュッと集まりボール状になった星団です

天の川銀河には80個くらいの球状星団があるそうですが、その中でもかなり大きな星団らしいです

コンディションのよいときにはこの画像より良く見えることもあります

次はこぎつね座(マイナーですがはくちょう座に隣接した小さな星座です)のあれい状星雲M27です

惑星状星雲と呼ばれる天体のひとつで、太陽くらいの中程度の質量の恒星が燃料切れを起こして軽いバーストが起こり表面近くの物質を宇宙に放出したためできた星雲です

星が寿命を終えたと言われることが多いですが、星雲の中心には白色矮星と呼ばれる核融合を終えた星に生まれ変わった天体があります

今日最後はたて座の散開税団M11です

散開星団は天の川沿いにたくさんある若い恒星たちの集団です

恒星が生まれるときは大きな星間ガスの中で50個とか100個くらいが同時期に産まれ若いうちは集まった状態でいることが多いようです

M11は散開星団の中でも特に等星の数が多い星団で小口径だと星雲状に見えてしまうこともありますが40cm望遠鏡で見ると球状星団かと思うほどたくさんの星が密集している様子を観察できます(続く)

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梅雨明けかな・・?

今日は日中薄日の射す天候でしたが夜は激しい雷を伴う雨、深夜になって雲が切れてきました

ソロソロ梅雨明けかも知れません

薄雲の中にある月を何とか撮影しました

ほぼ南中ですがとても低いところにあります

実は今夜(厳密には明日未明5時37分)は満月

満月時刻に近いので月の左右(東西)にクレーターの影がなく、上(北)側にわずかに影のるクレーターが見えます

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SVBONYのデジタル接眼レンズSC002がやって来た その3(完)

今日も薄曇りな一日でした

さて天文用に使うのには少しクセのあるSC002でとりあえず月を撮影してみることにします

月の全景を35mm版のカメラで撮影するなら1000mm~2000mmくらいの焦点距離が必要です

SC002の元々の画角が100mm相当なのでコリメートでは10倍~20倍の望遠鏡と組合わせれば良いことになります

いつも月を撮影しているZenistar66SD(D66/f388)に20mmの接眼レンズを組合わせると約19倍になるのでこれで撮影してみました

上下にほぼギリギリ一杯の画角となります

写りとしては動画の一画像を取り出す形なので、一枚撮りといてはこんなものでしょう

動画だと

露出が全くのオートなのでやはりこんなものかと思います

ソフト側で明るさ調整ができるようになっているのですが、本当に明るさ調整だけしかできず、ガンマやコントラストが全くいじれないので、マニュアルよりオートのほうがはるかに綺麗な画像が得られます

もちろんスタックはおろか長秒露光もできないので暗い天体はほぼお手上げですし、惑星などもどの程度オートで写ってくれるか・・あまり期待しない方が良さそうです

観察会などで月をモニターにリアルタイムの動画として見せたいという用途には役立ちそうです

全くの余談ですがこのSC002、レンズキャップの付属がありません

レンズが奥まっているので間違って触れる危険性は少ないのですが、屋外に持ち出したりするときに少し心配です

34~50mmくらいの外径のキャップ(双眼鏡のキャップ)などがあればレンズに被せてから取り付けリングを廻して固定できるのでキャップの代用になります

心配なかたはお試しあれ

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SVBONYのデジタル接眼レンズSC002がやって来た その2

今日も曇りな一日でした

さて昨日紹介したSVBONYのデジタル接眼レンズSC002、今日は天文屋視点でレビューです

昨日アップしたこちらの画像、

実はこんなセットで撮影しています

双眼鏡(HINODE D1、42mm8倍)の左側にSC002をセットしています

余談ですが一般的な双眼鏡ではSC002は左目側にセットするのが正解だと思います

SC002のフォーカス調整をしたあとで右目側を左目で覗くことができ細かなフォーカス調整を双眼鏡右目側の視度調整でおこなうことができるからです

左目が利き目でない場合は双眼鏡自身をひっくり返して固定すればよいです

で、SC002が付いていない右目側を左目で覗くと視野は下のように広がっています

SC002で撮影した範囲よりも実際はかなり広い範囲が見えています

実視野の上にSC002の写野を乗せると

SC002は視野のごく一部を切り取っているわけです

視野を有効活用できないというデメリットがあるのですが、実は視野全体を写せるようにするには接眼レンズとカメラの間隔を厳しく調整する必要があり結構難しいのです

中央部分だけ写すのであればその距離がかなりラフでも大丈夫なことが多いので、使いやすさを考えての設定なのだと思います

また視野周辺は像が劣化していることが多くて、写真になるとアラが出やすいのでこのくらいの写野が正解なのかも知れません

で、コリメート撮影の場合カメラレンズの写野(≒焦点距離)がとても重要になるのでSC002単体でどのくらいの写野があるのか、ズームレンズ付きのカメラとサイドバイサイドで確認してもみました

この結果SC002の写野は35mm版換算で約100mmの焦点距離のレンズに相当することがわかりました

コリメート撮影の場合、望遠鏡の倍率にこの焦点距離を掛けた価が合成焦点距離になります

上の双眼鏡は倍率8倍ですので35mm換算約100mmのSC002との組合せでは800mm相当の超望遠に相当する写野になるわけです

天体写真の世界だと撮影する対象により必要な焦点距離は大きく変わりますが(35mm換算で)

一般的な星雲星団だと200~500mm程度(惑星状星雲では5000mm前後)

月の全景を撮影するなら1500mm程度

惑星だと5000~20000mm程度

というような焦点距離が用いられます

SC002で惑星が撮影できるか今後の検証が必要ですが、それ以外ではかなり低い倍率の望遠鏡との組合せが必須になります

カメラの感度などの性能は別として天文用に使用するには焦点距離が少し扱いづらい仕様である感じがします(続く)

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SVBONYのデジタル接眼レンズSC002がやって来た その1

今日も薄曇りな一日

今日は7月7日ですが、新暦の七夕にはわりと冷たいスタパです

さて今日はSVBONYから最近発売されたデジタル接眼レンズSC002の紹介

はじめにお断りしておくのですが、この製品天文用としてはかなり用途が限られます

正直なところ月でさえ撮影は少し難しいです

基本は昼間のバードウォッチングなどのサポート用として作られたせいひんといえます

なので天文用として購入を検討されているかたは少し様子を見てからのほうが良いと思います

とはいえせっかく入手したので少し詳しく製品紹介をしてみようと思います

届いたのはこんな箱

中身はSC002本体、UCB-Cケーブル、取扱説明書と

本体に32GBのマイクロSDカードが内蔵されていました

製品名称が「デジタル接眼レンズ」となっていますが実はこれ自体がカメラで、望遠鏡やフィールドスコープを目で覗く代わりにスコープの接眼レンズにカポッと被せて見たままを撮影するタイプのものです

いわゆるコリメート撮影をするためのカメラと言ってよいです

カポッと嵌める構造はスマホアダプターの一種の外周リングをグリグリと廻して接眼レンズをくわえ込むタイプです

写真のスマホアダプターよりもくわえ込む深さが大きいので安定した固定が可能です

カタログデータ上、取り付けできる接眼レンズの径は37mm~56mmですが外径34mmの廉価版プルーセルでもしっかり固定することができました

上の写真のスマホアダプターより調整幅が大きくて使いやすいです

スマホに専用のアプリをインストールし、SC002本体背面の電源ボタンを長押ししてスマホとWi-Fi接続すればすぐに使えます

撮影した画像(動画も)はSC002のSDカードに保存されます

必要に応じスマホにダウンロードして使います

覗いている視界よりも少し狭い範囲が切り取られる感じですが、わりと見たままの様子が難しい操作やテクニック無しに簡単に撮影できます

 

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ラプトル60鏡筒をアリガタレール改造する

今日は日中晴れ、夜曇りのパターン・・・

でも久々に夕方雲間に何とか月の写真を撮ることができました

さてこちらの記事にスコープテック製のラプトル60鏡筒を微動付き経緯台に載せる手法はないかとの質問をいただきました

コメントにもお答えしたのですがこちらのアトラス60の記事で紹介しているようにスコープテックさんで販売されている鏡筒バンドを用いるのが全く手間いらずで簡単ではあります

ただこの手法だともともと鏡筒から出ている取付用ネジが飛び出す形で残り、何となく邪魔な感じがします(実害はほとんど無いのですが・・)

先日SVBONYさんのSV520という初心者向け望遠鏡を試用させて頂いたとき鏡筒にアリガタレール(世界的にはドブテールバーというらしいです)が直付けされていてとてもスマートに感じたので、ラプトル60鏡筒もそのようにできないか検討してみました

取付ネジを活用してアリガタレールを直付けしようとすると・・・

取付ネジを固定するナットと干渉してとても安定が悪い上に、アリガタレールから取付ネジが飛び出してしまうので、直付けは無理です

そこで用意したのがコの字型のアルミチャンネル2.0×15×30

取付ネジが貫通する6mm穴を2個開けて

M5ナットでアリガタレールと共締めします

アルミチャンネルへの簡単な穴開け加工が必要ですがとてもスマートにポルタⅡ経緯台やGP系赤道儀などに取り付けすることができ応用範囲が格段に広がります

覗き穴ファインダーの位置が少し変な位置にはなりますが安価に改造する手法だと思います

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