登場!! 14番めの望遠鏡

2年ぶりくらいになると思うのですが、久々に風邪をひいてしまいました。
花粉症で鼻がグズついているところに咳がが出て2~3日寝込んでしまいました。何とかおかみに移して今日は元気になりました。

 さて、先日新しい架台を入手したことを書きました。この架台にどの鏡筒を乗せようかあれこれ考えた結果、やはり10cmF15アクロを乗せるのが良いのではないかと考えました。架台自体はビクセンGP互換のアリミゾ式ですので、現行のビクセン製鏡筒であればどれでも乗るのですが、手持ちの鏡筒の中では10cmF15がベターと考えたわけです。

この10cmF15以前にも紹介しているのですが、改めて書きますと私の高校時代の恩師(天文部の顧問H先生)にいただいたものです。今から40年位前に作られたものでレンズと鏡筒は五藤光学製、接眼部はミザールの往年の名機カイザー(8cmF15)のものです。当時このクラスの望遠鏡はアマチュアにとって高嶺の花で、8cmクラスでさえ学卒初任給の数倍の価格でしたから、H先生としてはたいへんな思いをして手に入れられたのだと聞かされました。
アクロマートタイプの屈折望遠鏡の場合、口径に対して充分に焦点距離を長く設計しないと、色収差や球面収差が邪魔をしてその口径が持つ本来の性能を発揮することができないといわれています。口径の15倍の焦点距離(=F15)というのが口径の限界性能を発揮できるひとつの基準になっているわけです。
しかし、鏡筒の長さがフード先端からドロチューブを延ばした接眼部まで1.8m近くもある望遠鏡というのは、気軽に持ち運んで使える限度を遥かに超えたものだと思います。三脚だって架台を含めた不動点の高さが、150cm以上なければ天頂に向けたとき這い付くばるようになってしまいますし、相当頑丈な架台でないとモーメントが大きいだけにわずかな振動や風を拾ってしまい使い物にならないはずです。
そんな訳で最近は少し性能が悪くても短い方が良いとか、高倍率はあきらめて集光力だけを頼りに低倍率を楽しむという望遠鏡が多くなってしまいました。また、短くしても性能を犠牲にしないためにEDレンズを使った高価なアポクロマートという選択もあるのですが、同じアポクロマートの中にもピンキリがあって、キリのほうはアポクロといえどもアクロのF15の方が優れているといわれています。
実は最近一部の望遠鏡フリークの間で8cmF15アクロが話題になっています。望遠鏡のネットショップで最も良心的な「スターライトコーポレーション」というショップで、今は絶版となった8cmF15を全て国産で復活、販売するという動きがあるためです。この望遠鏡、痺れるほど良く見えるということで、初回ロットは即日完売したそうです。
若い頃にニコンや五藤の8cmに憧れとも羨望ともつかぬ思い入れのあった人たちにとって、かなり魅力的なものだと思います。
私自身かなりグッと来ているのですが、こちらには10cmF15があるので、これを何とかするのが先決というわけです。

 というわけで、全長1.8mもの鏡筒を不動点155cmの木製三脚に乗せると室内では先端が天井に届かんばかりの大きさになります。正直なところ、とても気軽に使えるものではなく、憂鬱な気持ちになるくらいデカイです。最初の写真では今ひとつスケール感がないので手前に10cmF5を置いてみました。焦点距離が3倍あるととても同じ口径の望遠鏡には見えないから不思議です。
正直なところこの架台との組み合わせでは、完全に架台が負けていて、風の強い日には使い物にならないと思いますが、とりあえず10cmF15のアクロマートがどれほどの見え味か確認することはできると思います。通常は他のビクセン鏡筒を乗せようと思いますが、いざという時には10cmF15を出動できるようになりました。
14番めの望遠鏡の完成です。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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登場!! 14番めの望遠鏡 への2件のフィードバック

  1. 大沼崇 のコメント:

    この度は弊社と弊社の製品をご紹介頂き誠にありがとうございます。
    ビクセンの都築さんなどに、『いいところだよお。』と聞いており、
    弊社の記念すべき、第一回目の社員旅行は、オーナーさんにお世話になろうと、心に堅く決めておりました。
    今後ともどうかよろしくお願い申し上げます。

  2. スタパ のコメント:

    大沼さん、コメントありがとうございます。
    初心者向け8cm屈折セット、8cmF15鏡筒、国産アイピースなど怒涛のような商品開発状況を貴社のサイトやブログ、掲示板を毎日のように拝見して驚きと頭の下がる思いでおります。
    いつ我慢しきれず思わず注文ボタンを押してしまうかわからない毎日が続いています。実際、たいへんな売れ行きなのだと思いますが、潜在的なまだまだあると思います。
    社内旅行の件、いつでも大歓迎です!その節には是非よろしくお願いしたいと思いますが、こちらこそ一度貴社に訪問させて頂きたいと思っておりますので、そのときにはよろしくお願い致します。

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