惑星を全部見る -その2-

 気がつけば季節は新緑から深緑の季節に移り変わっています。

梅雨入り宣言はどこへやらで、昨日、今日とこの時期としては稀に見る好天となっています。
今年は暖冬のため富士山に雪が多かったようで、まだ残雪をはっきり見ることが出来ました。

さて、先日「惑星を全部見る」というお話を書いたのですが、どうしても水星だけ見ることが出来ずに終わっていました。
地球-水星-太陽の位置関係から夕空に水星が見られる好期を逃がしてしまいましたので、しばらく先まで水星を見るのはお預けかな?とあきらめていたのですが、これだけクリアに晴れていれば望遠鏡を使えば昼間観測できるかも知れないと考え、挑戦してみました。
昼間に星を見るというのを不思議に思われるかたもあるかもしれませんが、天文ファンの間で金星は昼間観測するのはなかば常識ですし、明るい惑星(木星、土星)や1等星レベルの恒星なら、それなりの望遠鏡を使えばわりとあっさり昼間でも見ることが出来ます。
ただ、夜と違って霞が掛かったような日は難しいですし、太陽に近いというだけでもみえづらくなります。
昼間に星を見せるプログラムを持った公開天文台もあるのですが、スタパの場合、人手がないので特別な場合のほかはやっていません。(申し訳ありません。)

まず、太陽との位置関係から金星を探して、自動導入機能を立ち上げ水星に向けました。
はじめはただ白い空が見えるばかりだったのですが、しばらくじっと眺めているとほんのりと黄色みをおびた「爪切りで切り取った爪」のような細い三日月形の水星を見つけることができました。
西の夕空に水星を見つけたことはこれまでに10回くらいあるのですが、望遠鏡で昼間見て、しかも三日月形がはっきりわかるほどに見たのは初めてのことで、かなり感動しました。
非常にコントラストが低いので写真に撮ることは難しいだろうなぁ、でも証拠が残らないのは困ったものだなと考えているところに、今日のお客様(常連のYさんご夫妻)が到着されたので、一緒に見ていただくことにしました。
Yさんご夫妻には水星のほか金星や土星、ふたご座のカストルなどもご覧頂け、たいへん喜んでいただけました。

 写真は撮れなかったのですが、証人がありますので4日間のうちに全惑星を観察したということで、早速ゴールドの認定証を申請し頂戴することが出来ました。
まあ、来年の5月末までに見れば認定証はいただけるのですけれども、早いところ片付けておかないと忘れてしまいそうと、スタパならではのかなり強引な力技を使ったのが良かったのかもしれません。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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