DS星空ナビ

先日ご紹介した「DS星空ナビ」

これ、正直なところかなり画期的なものです。

従来、星座を覚えようと思うと星座早見盤を使うのが一番ベーシックな
方法でした。

 

でもこの星座早見盤、だいたいどの方向にどの星座が見えるというのを
教えてくれるだけで、実際の星座とはかなりスケール感が違いますし、
南の方は星座の形もかなりゆがんだものになって、実際の星の並びとは
かなり違うものになっています。

このため、ある程度修行しないとうまく使いこなせませんし、
暗い場所では懐中電灯を付けたり消したりと、かなり忙しいです。

また、あの星は何だろうと思っても早見盤からは、なかなか自信のある
答えが初心者では出にくいことも多いです。

 

この機械は星座早見盤と同じように星空を見る時刻と日付を合わせて、
見たい星にポインターを合わせると、ファインディングサークルに
その星が見えるというものです。

 

アナログの機械としては優れものと言えますが、使うためには
水平出しと方位、回転軸を緯度に合わせて傾けるなど、望遠鏡の架台の
赤道儀と同じセッティングをしなければならないので、
星座早見盤以上に使うためのハードルが高いと言えます。

 

何より早見盤にしてもこの機械にしても、事前の下調べなしには
惑星の位置に関しては全くお手上げなことも大きなネックです。

「DS星空ナビ」ではそういった基礎知識なしに、ただDSを空にかざせば
そのディスプレイの先に見えている星座があるということになりますので
全くの初心者でも見えている星座や星の名前を知ることができるように
なります。

そういった意味でたいへん画期的なものであることは確かです。
ただ、全く両手放しで歓迎かというと個人的には少し心配があります。

カーナビが普及して、道に迷わずに目的地に行けるようになったのは
良いけれど、道を覚えられなくなっている人が多いという弊害があるのと同じで、
星座の繋がりとか、赤緯に応じた星の動きとか、星座の季節感といった
ものが欠落してしまうのではないかと思うのです。

北極星を中心とした星空の回転、緯度に応じた星空の見え方や
動きといったような、天文学として本当に基礎的な部分が体得できないままに
なってしまうのではないかという心配です。

まあ、道を覚えなくてもカーナビがある限り困りませんし、
星の動きを知らなくても人に迷惑をかけずに生きてはいけと思いますので
どうと言うことはないのですが・・・

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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