41番目の望遠鏡

ここのところ初夏を思わせる暖かさです。

いつもより1週間くらい早くカラマツの新芽が出始めました。

 

スタパ周辺では桜が満開です・・・

さて、スタパにはたくさんの望遠鏡があるのですが、あまり真面目に数えたことが
無かったので、聞かれたときには「だいたい30台くらいですかね」と答えていました。

ここのところ何回か取材が続いてあまりいい加減なのもいけないと思い、
しっかり紙に書き出しながら台数を数えたら、何と41台もあることが
分かりました。

あまりの多さにおかみには改めて呆れられましたし、自分でも嬉しくなって
しまいました(笑)

まあこの中には販売している望遠鏡の見本とか、粗悪望遠鏡の見本とか、
預かり(または借用)の物、ほとんどインテリアの物などもありますので、
個人的な趣味で所有しているのは25台くらいなものです。
(・・・って、それでも充分多い気もしますが・・・)

さて、その記念すべき(何が記念なのか分からないですが)、41台目がこれ、

 

ビクセン シリウス40L、口径40mm、焦点距離800mm(F20)です。

口径比20(F20)の屈折望遠鏡がどんな見え味なのかどうしても覗いてみたくて
ジャンク扱いの品物をネットオークションで入手しました。

 

口径50mm、焦点距離600mmのラプトル50(写真手前)と比べるとその長さが分かります。
(鏡筒はラプトルと同じ太さのモノが使用されています。)

アルミ鋳物の架台はかなりしっかりした物で安定感があるのですが、
細い木製の三脚がその安定感を台無しにしている感じです。

入手早々覗いてみると、どうも見え味は今ひとつ・・
像もコントラストもぜんぜん締まりがない感じでした。

年代物のわりにレンズには(多少の曇りはあるものの)カビなども無く
きれいだったのですが、2枚のレンズの間に3カ所あるはずのスズ箔が2カ所しか
入っていません。

このため正しく調整された分離式アクロマートレンズに見えるはずの
同心円状のニュートンリングが全く見えない状態でした。

レンズの清掃と箔の入れ直しをしようとレンズを外したら、鏡筒内は何と内側が
白く塗装されていました。

いくら20年以上前の最低価格の入門用望遠鏡だとしても、ちょっとびっくりな
仕様です。
初めに覗いたときに、コントラストの悪い理由がこれだったわけです。

接眼部から見て明るく光る部分に黒の植毛紙を張り、ニュートンリングが
きれいに見えるように調整をして、組立なおしました。

昼間、風景を見ると色収差はほぼ完璧にありません。(色収差は星よりも
木の梢や電線などの方がシビアに分かります)

星像もほぼ完璧、ふたご座のカストルが楽勝に分離できますし、
土星も本体に落ちる輪の影がはっきり見えますし、輪に落ちる本体の影も
見えます。

200倍まで倍率を上げても、思ったほどには像が乱れません。
口径mm数の5倍という超過剰倍率で、さすがに暗いですが、それなりの
見えかたで、不快という感じはしませんでした。

F20・・・恐るべしです。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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41番目の望遠鏡 への4件のフィードバック

  1. leon のコメント:

    またの投稿です(すみません) もうそんなに持ってらっしゃるのですか? 驚きです!! 僕はまだ、1台しか持っていないです。 っと、ここで質問ですが、41台の中で、粗悪品はどれほどあるのでしょうか?だいたいの数でいいですので、よろしくお願いします。(本当にすみません)

  2. スタパオーナー のコメント:

    leon 様
    コメントありがとうございます。
    41台の中で明らかに「買ってはいけない」粗悪品は5台。
    明らかではないですが、買わない方がよいのが4台です。
    ついでに言うとスタパとして販売してる望遠鏡の見本が4台。
    望遠鏡として使えなくはないけれど、ほとんどインテリアに
    なっているのが2台。
    借り物、預かりものが3台。
    というわけで、個人的に所有していてちゃんと使えるのは
    23台ということになり、意外に少ないです。
    ・・・って、充分多いですか?[E:coldsweats01]

  3. 星見自由人 のコメント:

    はじめまして。
    シリウス40L、いいですね、私も所有して、現役で使用してます。
    鏡筒内を黒板塗料で二度塗りして、遮光環を3枚にして、接眼部はラプトル用の31.7㎜に変更してます。
    おかげでコントラスト、シャープネスは最高で、月、木星、土星、の観測に重宝してます。今年は、火星大接近の観測も楽しみにしてます。
    私の家は、山間部で光害が無いため、M42,M31等星雲も4㎝と思えないほど良く見えます。天体観測は、空が暗く気流が安定していることが第一条件とつくづく思います。
    今後も、シリウス40Lで観測し、楽しみたいと思います。

  4. スタパオーナー のコメント:

    星見自由人さま
    コメントありがとうございます。
    マニア的に見るとシリウス40Lのような硬派な望遠鏡が少ないのが残念ですね。
    初心者向けの位置づけなのでお金がかけられないジレンマもあるのでしょうが、メーカーには本当に良い望遠鏡とはどういうものかをもうすこし訴求して売るような体制を作ってもらえると良いですね。
    星見自由人さまが仰るように40mmの望遠鏡は決して侮れない性能を持っていると思います。

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