「網膜焦点」の双眼鏡

今日のお題はスターゲイズ オリジナル双眼鏡FZ-840RFです。

 

スターゲイズというのはネット通販をメインとしたお店で、
特に双眼鏡については安くて良いオリジナルの商品に力を入れているようです。

スタパが応援しているスコープタウンもそうですが、良心的なショップが
本気でオリジナルの直販商品を作ると、中間マージンが無いぶん大手メーカーの
商品と同じ性能で安いものがあったり、値段が同じならメーカー品よりも
性能の良いものができたりします。

スターゲイズも良心的なショップの一つだと思います。

で、この双眼鏡、一見普通の双眼鏡ですが、「網膜焦点」という発想で
設計されたものだそうです。

人間の眼というのは普段、中心から周辺までよく見えているように感じますが、
実は本当によく見えているのは中心だけで、周辺は結構ぼやけて見えているそうです。

双眼鏡などでは見かけ視界の広いもののほうが、同じ倍率でも広い範囲を
一度に見渡せるので重宝するのですが、どうせボケて見えるのだから
そんなに視野が広くても意味ないじゃないか、という意見もあります。

そこで考えられたのが「網膜焦点」です。

 

つまり、もともと(眼の特性上)ボケて見える視野の周辺部分に対して、
特殊な形状(非球面=aspheric)のレンズを追加することにより、中心から周辺まで
ボケないような光学特性にしてあげれば、視野の中で眼をグルグル回して
見なくても一度に広い範囲がよく見えるということです。

この双眼鏡には10×50と8×40の2タイプが用意されています。
たまたま、8×40の手頃な望遠鏡双眼鏡を探していたので、購入してみました。

着払いの送料込みで7700円という価格で、かなり安いです。
(ちなみに、10×50のタイプは8400円です。)

見え方は・・・

迷光処理などが価格相応と言った感じで少し雑なため、アイポイントの位置
(覗く角度)が少しでも適正でないと、昼間はハレーションが気になることが
あります。(夜星を見る分にはそれほど気になりませんが・・・)

「網膜焦点」の効果は・・・

ん~ッ! 確かにパッと覗いたときは広い範囲まで鮮明に見えている
ように感じます。
中心像もまずまずといってよいです。

ただ、双眼鏡を固定して眼をぐるりと回すと、視野周辺の像はお世辞にも
良いと言えないもです。

まあ、この双眼鏡の特性で、眼をぐるりと回さなくても広い範囲を鮮明に
見ることができるので、手持ちで使う前提の双眼鏡としては「あり」な仕様と
言えます。

固定して使用するのが前提の望遠鏡の場合、視野内を眼をぐるりと回して
見るのが当たり前なので、広角のアイピースでも視野周辺まで像が
乱れないことが当たり前に要求されます。

このため高級な広角アイピースになると、望遠鏡本体よりもアイピースの
ほうが高いなんてこともあります。

この双眼鏡に、このような性能を期待するとガッカリしてしまうでしょう。

つまり、手持ちが前提で、視野内で眼をぐるりと回わさず(常に視線を
視野中心に固定して)、双眼鏡を動かして見る対象を移動するという使い方を
する分には、なかなか面白い見え方をする製品と言うことができます。

少なくともネットオークションやホームセンターなどに並ぶ粗悪双眼鏡よりは、
視野周辺像なども含め確実によく見えます。

安いけれども、粗悪品でない双眼鏡が欲しいというかたには
お奨な一品ですね。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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