昨日の続きです。
さて、たいへん単純な構造で、それだけに(?、モードラが大きくて干渉がある
ことをのぞけば)大きな欠陥の見あたらない、素直な製品だと思います。
実はこの製品、もちろん中国でも大手のOEMメーカーの製品のようです。
今日は付属アクセサリーのモードラについて紹介したいと思います。
今回購入したのは「コードレスタイプ」というもので、モータ、制御回路、電池
がオールインワンになったタイプです。
現在国内で流通しているタイプの増減速の操作ボックスが別になったタイプ
とは発想が大きく異なり、とりあえず視野内にしばらく天体を留めていて
くれれば良い・・・というような製品です。
ガイド精度がどうしたとか、常にぴったりセンターになるよう調整したいと
いう用途には全く不向きです。
でも、眼視でじっくり一つの天体を観察したいという、私のような用途には
これで充分です。
取り扱いは至って簡単、フロントパネルのつまみ付きネジ2本を外すと、
カバーが外れますので、電池(006Pタイプ)を入れ、電源スイッチを入れれば
それでおしまい。
回転速度はスピードコントロールボリウムで調整します。
(だいたい1/2~3倍速くらい、電池の電圧で変化するようです。)
「ボリウムをこの位置に合わせなさい」というような、きっちりしたものはなく、
「天体の動きを見ながら調節して下さい」というようなかなりアバウトなものです。
新品の電池で35時間使用できるそうですが、スピードが遅くなったら
電池の交換時期だそうです。
何とも几帳面な人には不向きな感じですが、何もしなければ2~3分で
視野外に動いてしまう天体を、5~10分楽に留めておくことができます。
日本人の一般的な性格から言うと、微調整ができない、精度が悪いというのは
受け入れられないかも知れません。(実はアメリカ人もそうみたいで・・・)
米オライオン社のサイトではすでにラインナップから外されていました。
輸入元のジズコさんでも近いうちに取り扱いが終わると思いますので、
どうしてもこの製品(コードレスモードラ)が欲しいかたは急いだほうが
良いかも知れません。
安さが魅力(5670円)だったのですが、一般タイプ(8190円)のほうは残る
ようですので機能的にはそれほど困らないと思います。
さて、ラプトルの赤道儀化においてモードラ付に私がこだわったのは、
天体写真への応用を考慮してのことです。
もちろんラプトルでの写真撮影において、自動追尾ができれば拡大率が
大きく(=暗く)なった天体をスローシャッターで写すことができますので、
月や惑星の拡大撮影が可能になるのですが・・・
この赤道儀に直にカメラを載せて、星座や星景写真を撮るのに応用が利く
と考えています。
最近の一眼デジは性能がよいので、30秒から1分も露光をかければ
星座の写真を楽に写すことができるようになってきています。
ただ、30秒でもよほどの広角レンズでもない限り、星は日周運動で点には
写ってくれず、少し延びた線になります。
標準レンズレベルで1分前後、星が点に写ってくれるようになれば、
星座写真や星景写真にはうってつけといえます。
もちろんこういったチープな赤道儀にこだわらなくても、従来からある赤道儀に
載せれば全く問題なく撮影できますし、最近ではそういった用途に限定した、
「デジカメ用赤道儀」といったジャンルの製品も発売されています。
でも従来の赤道儀は重くて大きいですし、「デジカメ用赤道儀」は一声3万円
というのが相場で、それだけのために購入するのはちょっとためらいます。
ラプトル用赤道儀が「デジカメ用赤道儀」と共用できれば、安価にお手軽
天体写真が実現できるのでは?という目論見です。
国内でこのようなライトウエイトの入門用&デジカメ用の赤道儀を、
ぜひ発売して欲しいものです。(できればモードラ付き2万円以下で)
さて、ここのところ、天候不順&多忙でじっくりテストできるのはしばらく先に
なりそうですが、結果が出ましたらまたお知らせしたいと思います。