星の流し撮り -その2-

都会に住んでいても、注意していれば空の色の変化には気付くのでしょうが、
それでも毎日のように空に感動するのは難しいような気がします。

都会育ちの私(今も実家は都心近くにありますが)にとって、こちらに住む前は
毎日山ばかり見て暮らして、飽きはしないだろうかという不安が少しありました。

でも実際に住んで みてその不安が全くの杞憂であったことが分かりました。

毎日のように変わる空や山々、植物の変化を見ているだけで飽きないどころか
毎日感動があって、それだけでもこちらに住んだ甲斐があるように思います。

移住して7年経った今も、そう思うのですから間違いないですね・・・。

さて、今日も「星の流し撮り」の続きです。

今日は長時間露光が不得意なデジタルカメラを使って流し撮りをする
テクニックの解説です。

昨日も書きましたが、長時間露光が苦手なら、短時間のコマ撮りを
パソコン上でつなげて、「流し撮り」のように見せてしまえ・・というわけです。

 

上の写真は20秒露光で連写した画像を20カットつなげたものです。
(昨日の写真を部分拡大しています。)

デジタルの世界では「流し撮り」を表現しようとすると、コマ撮りをしなければ
ならないというのがちょっと面白いです。

合成にはフォトレタッチソフトのレイヤーを使います。

レイヤーごとに撮影したカットをコピペして行き、レイヤー合成の
オプションを「比較明」とか「明るい方」というタイプに設定して合成します。

レイヤーの数が限られているソフトでは、何回かに分けて合成をします。

各カットの間にはカメラ側の性能で若干のタイムラグ(1秒程度)があり、
点線のようになりますので、フォトレタッチソフト上でぼかしをかけて、
点線が目立たないようにします。

 

この手法の良いところは、30分でも1時間でも(極端な話10時間でも)
周囲の明るさが大きく変化しなければ、(合成の作業はたいへんですが)
長い長い星の軌跡を撮影することができます。

また、好みに応じて合成の枚数を変えれば軌跡の長さを自由に変えることが
できます。

フイルムの場合はレンズの絞りを相当絞り込まないと、空のカブリが大きく
なってしまうため、あまり暗い星まで写すことが困難だったのですが、
この手法ではかなり暗い星まで写すことができて、とても派手な写真に
することもできます。

また、都会の空が明るく星がたくさん見えないところでも、ISO感度や
露光時間、レンズの絞りの設定をうまくできれば、星の軌跡の写真が
写せます。

途中で雲が出たり、車のライトを当てられたりすると、その部分が使えなくなり
軌跡が途絶えてしまいますので、天候や撮影場所に注意が必要ですが、
撮影そのものは驚くほど簡単です。

ガッチリした三脚に一眼デジカメを載せ、レンズをマニュアルフォーカスに
して、無限遠にピントを合わせ、試し撮りをして、ISO感度や露光時間、
レンズの絞りを空が白くかぶらないように設定します。

カメラを連写モードにして、レリーズリモコンを常時ON状態にして、
シャッターが切り続けられるようにすれば、あとは必要な時間カメラを放置
するだけです。

一眼デジカメをお持ちの皆さんにはぜひ挑戦して頂きたい、お手軽天体写真
(はまると奥が深いですが)のジャンルです。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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