今日も昨日の続き、昨年5月に掲載して、ブログサーバー引っ越し時に
紛失した記事の再掲載です。再掲載は今回で終わりです。
以下2008.5.29掲載記事
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双眼鏡の話 -低倍率で行こう-(その3)
少し間が開きましたが前回は
有効最低倍率(=瞳径7mm)の7×50が
天文用として市民権を得ているという話をしました。
ですが、7×50の双眼鏡がそんなに良いのかというと個人的には「?」が
3つくらい付くと昔から思っています。
瞳径7mmの双眼鏡というのは真っ暗闇で、眼が完全に暗順応をし、
瞳孔が開ききった状態で初めて真価を発揮するものです。
昼間では完全に口径が無駄になっていますし、スタパくらいの空でも
バックグラウンドが白けた感じに見えて、口径が無駄になってしまうようです。
また、7×50の機種は光線の入射角の関係上、簡単には広角タイプを作る
ことができないようです。
ほとんどの機種が見掛け視界50°、実視界7°前後で広々見える広角型が
好きな人にとっては、とてもつまらない見え方をします。
さらに、口径50mmの双眼鏡というのは、それなりに重いですし、
大きいですから、気楽に持ち歩ける人はそれほど多くないと思います。
特に昼間これを使っていると、かなり目立ちます。
そんな訳で、7×50の双眼鏡というのは、天文用としても昼間用としても
中途半端な機種のような気がします。
ちなみに10×50の機種になると、ほとんどが広角型で、見掛け視界65°、
実視界6.5°前後というのが一般的です。
倍率が高いのに実視界はほとんど変りません。
天文用としても7×50より空のバックグラウンドが締まって(暗く)見えて、
微光星が多く見えます。
(あくまでもスター☆パーティでの話ですので、念のため)
もっと空の条件の良いところに行けば7×50が活かせることがあるかも
しれませんが、(ごく一部のかたを除き)ほとんどのかたが、そんな条件で
星を見られることが一生のうちに何度あることか・・・? という気がします。
スタパよりずっと空の条件の良いところに天文台を持っている友人でさえ、
瞳径は5mmで充分というメールを先ほど送ってくれました。
「7×50が天文用に良いなんていうのは、神話だ!今の日本で7×50が使える
場所など、もう無いのだから」と言い切っていますので、私の感覚はそれほど
間違ったものではないようです。
彼のホームページでも超がつくディープさで双眼鏡が語られています。
さて、低倍率ほど良いという前回までの論旨と少し変わってしまうような
印象を受けるかも知れませんが、個人的には瞳径が5mm程度の双眼鏡が
オールマイティーで使いやすいと思っています。
また、瞳径5mmというのは双眼鏡としては充分低倍率な部類だと思います。
ただ、同じ5mmの瞳径でもやはり口径の大きいほうが微光星がたくさん
見えますので、天体用としては10×50がお奨めということになります。
14×70とか16×80という機種もありますが、手持ちで見るのには相当な
体力が要りますので、あまり一般的とは言えません。
高価でも何でもよければ手ブレ防止装置付きなどというのもありますが、
これもかなりマニアな世界の話しだと思います。
10×50でも充分大きいと思うかたには、8×40とか6×30前後のクラスの
製品もありますので気軽に昼も夜も使いたいというかたにはお奨めです。
(冒頭の写真は10×50と7×35)
写真は最近(おかみにナイショ?で)入手したビクセン フォレスタ6×32です。
ダハプリズム使用のストレートタイプですので、とてもコンパクトです。
見え味は10×50ほどの迫力はありませんし、広角タイプでもないのですが、
たいへんクリアでスッキリした像を結んでくれます。
6倍なので、いい加減な持ち方でも手ブレが少ないので快適です。
何より完全防水なのと、少し大きめなポケットに入る大きさなので、
気軽に持ち歩ける機動力の高さが気に入っています。
望遠鏡でもそうなのですが、使用頻度が高い機種が最も良い機種だと思います。
一生ものだからと「重厚長大」のものを選んでしまい、結果的に億劫で
使用頻度が低いものを買うより、「多少、力不足かな?」と思っても、
気楽に使える、持ち歩けるものを選ぶのが、この趣味を楽しく長続き
させるコツなのではないかと思っています。
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以上再掲載記事
さて、なぜか今日も昼間晴れて夜は曇りのパターン・・・・
何とか1枚撮影しました。
今シーズンは天候の不安定な冬です・・・