低倍率双眼鏡の楽しみ - その1 -

先日の雪が解けて、また冷え込んで・・

 

家の周りには氷のオブジェがあちこちに見られます。

さて、今日は低倍率の双眼鏡での楽しみについてお話したいと思います。

これまでいろいろな理由で双眼鏡を選ぶときは低倍率が良いという話をして
きたのですが、具体的にどんなふう低倍率の双眼鏡で星を見て楽しめるのか
といった話をするのを忘れていました。

低倍率の双眼鏡を使ったときというのは、目の悪いかたがもの凄くよく見える
メガネをかけたような感じとか、目の性能を大幅に強化した感じという表現が
当てはまるような見え方をします。

確かに望遠鏡だって、高倍率の双眼鏡だって、目の性能を強化することには
違いがないのですが、10倍以上の倍率というのは肉眼で見たときのイメージ
とは別世界の見え方になります。

ちょっと表現が難しいですが、10倍以下の倍率というのは、肉眼で見えて
いるものがよりハッキリ見える感じで、10倍以上というのは肉眼ではまるで
見えないものが見えてくる世界です。

もう少し付け加えると、10倍以下は自分がどこを見ているか容易にわかり
ますが、10倍を超えるとどこを見ているか(肉眼と見比べても)わかりにくい
といった違いがあります。

10倍がボーダーラインかどうかというのは感覚的なモノで、個人差もあると
思うのですが、倍率が低いほど(あるいは高いほど)この違いはハッキリして
きます。

前おきが長くなりましたが・・・
つまり低倍率(2倍~6倍くらい)の双眼鏡というのは肉眼の延長上で、目の
性能を強化した感じで星や風景を楽しむことができるわけです。

肉眼ではボッーと雲のようにしか見えない天体が星の集団であったり、
星にしか見えない光の点が、点光源ではないにじんだ雲のように見えたりと
肉眼の延長上で世界が広がります。

 

以前紹介した日の出光学の5×20-A1(倍率5倍、口径20mm)の小さな
双眼鏡でさえ肉眼では見えない驚くほどたくさんの星が見えるようになります。

話が少しそれるのですが、
昨日お話したばかりですが、明るさ別の星の数というのは1等級暗くなる
ごとに3倍くらい多くなる傾向があります。

口径20mmの双眼鏡や望遠鏡というのは、人間の瞳が真っ暗に順応してめいっぱい
開いた時の瞳の直径(7mm)の約8倍の面積があります。

つまり人間の眼に対して8倍の集光力(望遠鏡の性能を現す指標のひとつで
文字通り光を集める力のことです。)があるわけです。

星の明るさというのは1等級違うごとに2.5倍の明るさの差があるので、8倍の
集光力では2等級以上暗い星を見ることが(理論的には)できます。

つまり20mmの双眼鏡でも肉眼の(3×3で)9倍もの数の星が見えることに
なるわけです。

個人差(視力やメガネの有無など)や空のコンディションにもよりますが、
確実に肉眼では見えないたくさんの星を楽に見ることができます。

それでは小さな双眼鏡で、たくさんの星が見えると何が楽しいのか・・・

なぜ低倍率が楽しいのかといったところを次回にお話したいと思います。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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