コンデジで天体写真を撮ろう -その2-

昨日の続きです・・・

最近では何でもカメラ任せで、ただシャッターを押すだけでほとんどの写真が
きれいに撮れてしまいます。

でも、天体写真だけは今のところコンデジクラスのカメラでは、まだまだ
そうお手軽に撮ることができません。

スタパのお客様のなかで(たまにですが)、きれいな星空を見て
「わーっ、きれい!」とデジカメを空に向けてオートのまま(ストロボ付きで)
パチリとやる方がいます。[E:coldsweats01]

もちろん全く星が写らずにガッカリされていますが、星の明るさというのは
通常の被写体と比べ想像を絶するほど暗いものです。
(現時点で、手持ちのまま星の写真が写せるほど高感度のカメラは、ニコンや
キャノンで出しているプロ用の最高機種のみです。)

昨年の10月末に「月光浴の科学」シリーズの月光写真を撮るという記事を
書きましたが、満月の明るさでさえ太陽光の40万分の1の明るさでですので、
相当気合いを入れてシャッターを開放してやらなければなりません。

デジカメで写真のを撮るときにフイルムに相当する受光素子に、光をどのように
調節して当てるかというところを少し勉強していただかないと、なぜ良く
写らないのかがわからないままになると思いますので、少し難しいのですが、
解説しておきます。
(この解説は「月光科学」でも書きましたので、ご存じの方は読み飛ばして
ください。)

最近のカメラはほとんど自動でカメラ任せなのですが、受光素子に適切な
光を与えるためにカメラ側で3つの設定要素を自動的に調整しています。

3つの設定要素とは次のとおりです。

1.シャッタースピード
受光素子に光をあてる時間です。昼間の屋外では1/250秒とか
1/125秒が使われ、室内では1/30秒以下になることが多いです。
ちなみに1秒の露光時間は当然ですが1/1000秒の1000倍の露光量になります。

2.絞り値(f)
口径比ともいい、f=焦点距離÷レンズの有効径 で現せますが、
レンズの面積(口径)を変えて露光量を調節する方法です。
口径が半分になれば面積が1/4になるので、露光量も1/4になります。
例えばF値2が4になれば、露光量が1/4になるわけです。
いきなり1/4になると露光量を調整しにくいので1/2ずつ変化するように
F値の段階が決められています。

F=1 , 1.4 , 2 , 2.8 , 4 , 5.6 , 8 , 11 , 16 , 22 , 32

通常一眼レフ用レンズでは16か22までの調節ができるようになっていますが、
コンデジでは絞り値を選べない場合もあります。

3.ISO感度(アイソかんどと読みます)
フィルム時代はフィルムで感度が決まりましたが、デジカメではカメラの
設定でISO感度が調整できます。
基本はISO100ですが、最近では高感度が売り物のカメラも多くISO6400以上が
選べるカメラも出ています。
ただ、感度を高く設定すると得られた画像がざらついたものになりがちです。
カメラ個々の性能にも差がありますがISO400~800くらいで使うのが無難です。

前置きが長くなりましたが、星の写真を写すためには、この3つの設定値を
できるだけ大きくして、受光素子にたくさんの光が当たるようにしてやれば
よいことになります。

具体的には
・シャッタースピードはできるだけ長く
・絞り値はできるだけ小さく
・ISO感度はできるだけ高く
という事になります。
(基本はそうですが、写真のクオリティーや、狙いにより変わる場合もあります。)

一眼レフであればこの辺の調整はマニュアルモードにして、なんとでも調整が
きくのですが、コンデジの場合はなかなか思うように調整ができない場合が
あります。

ご自分のコンデジで天体写真を撮ってみようと思う方は、取説などでこの辺の
調整がうまくで来るか、またはシーンモードなどで設定できるのかなどを
まず確認してみてください。

この辺の調整が全くきかないトイカメラのレベルのものですと星景写真系の
天体写真はあきらめなければなりません。

続く・・・

 
難しくて私にはよくわかりません・・・
関係ないですけど・・・

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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