しばらく間が開きましたが今日はマイナー星座シリーズ 第5弾、「りゅう座」です。
りゅう座も前回のペルセウス座と同様マイナーかどうかというところは議論の
余地があると思います。
神話もわりとしっかりしたものが与えられていて、ヘラクレスの12の冒険の
11番目に出てくる竜で、世界の西の果てにあるヘスペリスの園の、金の
リンゴの木を守っていた、100の頭をもつ竜であるというものや、
またアルゴ船の冒険で、目的のひとつである金の羊の毛皮を守っていた竜である
など、あちこちで都合よく使われています。
年間で活発に流星が流れるペルセウス座流星群やふたご座流星群と並ぶ
四分儀座流星群はりゅう座に放射点がありますし、トゥバーンと呼ばれる
α星(3.6等星)は、はるか5000年の昔(ピラミッドが造られていた頃)
北極星として使われていました。
そんなわけで少し天文をかじったことのある人なら「マイナー」とは思わない
かも知れません。
それでもα星が3.6等星と暗く、一番明るい星でも2.2等星であとはみな3等級
以下と、影が薄くて見つけるのにとても苦労をさせられます。
あちこちの神話で都合良く使われてしまうあたりは、その影の薄さが災いしてる
ように思います。
さらに、りゅう座に放射点があるのに今はない四分儀座流星群と呼ばれてしまう
のも、その影の薄さが原因かも知れません。
そんなわけで私は「りっぱな」マイナー星座だと思います。
マイナーではあるのですが、夜空の中でこの星座をつなげることができたときは
ダイナミックにのたうつ竜が浮かび上がって、ちょっと感動します。
以前にも書きましたが「長もの」星座に萌えてしまう私の個人的な感覚かも
知れませんが、こぐま座を金のリンゴの木に見立てると、まさにリンゴの木を
守る竜に見えてきて「名作」の名に恥じない星座だと言って良いと思います。
頭と尻尾を持ってビーンと伸ばせば、うみへび座に負けないくらい長~い
星座というのも私が好きな理由とは思いますが・・・